辞世句

2012年04月24日

ひつじ雲便り609:めつむれば生死曼陀羅春の海

今日はまた初夏の陽気ですね。木々の緑がまぶしいです。


最近、古本屋で俳句集を手にとるようになりました。タイトルが綺麗なので気になって手にとるのですが…だいたい亡くなられた方の遺俳集で、女性の方が多い(;_;) この間は『夢明かり』という玉崎千鶴子さんの本を買いました。


『秘めごとのふえもてあそぶ桜貝』

『こころの翳かくす男の汗匂ふ』


など石川さゆりさんの《天城越え》を連想するような、女の情念をうたったものも多くて……ひとつひとつの言葉に込められた想いがひとを引き寄せるのかなぁ、なんて思いました。そう言えば「天城越え」って「天の城を越え」ると書きますね。ものすごい覚悟をした上での不倫(ですよね!?)ってことかぁ…なぜかしみじみ(~o~)


闘病中の作品もありますが、中には『夏夕べ父とぱつたりポルノ館』なんて句もあって、思わず笑ってしまったり…。ああ、この人は確かに生きていたんだなぁ…と一つ一つ読みながら思いました。作者が現世を去っても作品は生き続け、読む人の心を静かに時に激しく揺さぶるのですね。


私も誕生日がきたら、一句用意しておこうかなぁ…いやいや、その前にこのブログはどうなるのかしら?出来れば私が去った後も誰かに寄り添えるように…との思いを込めて書いた記事もあるので、このまま野放しにしておいて欲しいかも(~_~;)


『釈迦牟尼の掌の上にいて春の夢』(辞世句/玉崎千鶴子/1920.11.22―1997.3.9)




rohengram799 at 11:04コメント(10) 
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