阪神タイガース

2014年10月22日

恋雲便りNo.16:じいちゃんに捧げる『六甲おろし』

雨の午後、歩道の落ち葉が濡れて色あざやかなのがまたなんか胸にしみるなぁ……とエセ風流人になっているおやぢです。

プロ野球に関心なく過ごしていたら、日本シリーズが《阪神vsソフトバンク》になっている!! だから巨人ファンのダンナの機嫌がビミョーによろしくないのか……と今ごろ気がつきました(-o-;) どちらが優勝してもエリカ様ばりに「別に…」な私なのですが、幻冬舎文庫のカバーが気にいって買っておいた『虎がにじんだ夕暮れ』(山田隆道)を読みました。

1985年、伝説のバックスクリーン3連発!! 舞台は大阪府吹田市、阪神が21年ぶりの優勝をした年から物語は始まり、小学校5年生の「僕」と61歳の「じいちゃん」は「猛虎打線」でこのまま黄金時代到来やで(o^ O^)シ彡☆と思っていたのに、おいおい……「タイガース命」の“じいちゃんと僕”の熱狂的な応援も虚しく、翌年以降チームは低迷( TДT)じいちゃんの夢は阪神の胴上げをその目で見ることなのに………酒とタバコが手放せないじいちゃんの身体がまだなんとか元気なうちに頼むで!!

ひとつ上の姉の名前は江夏豊と村山実から夏実、僕は掛布雅之の雅之とじいちゃんが名付け親。飼っている犬猫は田淵と江夏。野球大好きなのは僕ひとりで、じいちゃんの連れ合い(ばぁちゃん)は巨人ファンという家族構成。

じいちゃんは受験生の僕に「学校なんかさぽってまえ。東京行くぞ」と誘ったりする~なんとかお金を調達して、ふたりして神宮球場へ。負け試合を見たままでは帰れない!と泊まる場所を探すけれど、財布と相談すると場所はラブホテル……(ー_ー;) 最初からコテコテの関西人のじいちゃん、そして阪神LOVE・猛虎powerがハンパないだけに、糖尿病が悪化してボケも始まったその様子を読むのがツラい、哀しい……。

野球を知らなくてもバースや岡田など聞いたことのある名前が…「野村監督がサッチー騒動で辞任」とか「いたわ~中村監督!!」みたいな感じで、雅之の小・中・高・プーな時代を終えて就職してひとり暮らしして………阪神淡路大震災も体験していて、ああ、こういう時代だったよねと、懐かしむと同時に、実家を離れている間にじいちゃんの症状が進んでしまっていて……実家を離れて独立したぜ、オレってオトナ<(`^´)>と思っているうちに、両親や祖父母は少しずつ小さくなっていくんだよね……っていろいろ考えてしまいました。


『人間は後悔するもの。後悔しない人生なんか存在しない。もしあったとしても、それは自分で無理矢理正当化しているだけだ。』


戦争も体験した破天荒なじいちゃんの言葉に、ちょっと励まされた~最期に「たくさん失敗したし、後悔もある。でもこれも自分なんだからいうんだも~ん(*´∀`)♪」と明るく開き直っちゃえ!と思いましたわ。

じいちゃんと僕の18年間の記録でもあるし、家族の物語でもあるし、雅之くんの恋バナでもあるし、阪神タイガースとファンの歴史でもある小説(笑) 読みやすくて、文章もおもしろかった! 「じいちゃんのためにも日本一になってくれよ!!」とタイガースファンでなくても思ってしまう、今日の一冊でした。


rohengram799 at 16:08|この記事のURLComments(10)
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