雪仏

2015年11月19日

暁雲便りNo.27:雪の殿様

鷹井伶さんの『雪の殿様』(白泉社・招き猫文庫)を読みました。タイトルにひかれたのですが、想像していたのと違った……!!


江戸時代後期に「大炊(おおい)模様」というデザインがはやりました。漆器や浮世絵などに描かれた雪の結晶。「大炊」とは大炊頭(おおいのかみ)にちなんだもので、古河藩(茨城県古河市)藩主・土井大炊頭利位(としつら)のこと。この方が主人公です。雪に魅せられ、のちに日本初の雪の研究書『雪華図説』を出版して「雪の殿様」と親しまれたそうです。


私の中では水戸黄門や暴れん坊将軍・吉宗!や大岡越前は実在感タップリなのですが、このお殿様の名前は初耳で物語を読んでもあまりピンときませんでした。殿様がものすごく雪に夢中になって、その研究途中のあれこれかとウンチクを語るのかと思っていたら、謎解き系で……(;^_^A



作品中には雪に関係する言葉がいくつか出てきました。「雪仏」とか……これは雪は水中に入ればとけるところから「自分から身を滅ぼすことのたとえ」だそうです。俳句の季語にもなっているらしい。雪玉をころがして遊ぶのを「雪まろげ」。亡くなられた宇江佐真理さんの小説にこんなタイトルがあったような……。そして紐の先に木炭をぶら下げ、雪を付着させて塊を大きくしていく遊び(?)を「雪釣」というそうです。これはちょっとやってみたいかも!



雪国で生活する人には、雪かきなど大変な労力を必要とする季節になりますが、関東では5センチもしなくても大騒ぎに……! この冬はどうなるでしょう?




rohengram799 at 16:16|この記事のURLComments(10)
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