備忘の果実 〜オスカー戯言日記〜

好きなことを好きな時にチマチマと書いています(⁠๑⁠˙⁠❥⁠˙⁠๑⁠)

【空のお城通信〜オスカー戯言日記〜】(2010.3.17〜2021.10.31 )からタイトルを変更。(2021.11.7〜)

青空文庫

さくも便りNo.14:田舎者

『田舎者』という太宰治の短すぎる話を読みました。


『私は、青森県北津軽郡というところで、生れました。今官一とは、同郷であります。彼も、なかなかの、田舎者ですが、私のさとは、彼の生れ在所より、更に十里も山奥でありますから、何をかくそう、私は、もっとひどい田舎者なのであります。』


自己紹介の最初の部分だけ書き出したような(笑) ここに出てくる今官一(こん かんいち、1909年(明治42年)12月8日 - 1983年(昭和58年)3月1日)という人も小説家でした。

早稲田大学露文科中退。同郷出身の太宰治と親しく、桜桃忌の名は今によって名付けられた。1956年(昭和31年)、『壁の花』で第三十五回直木賞を受賞。また、レイテ沖海戦でただ一艦帰還した戦艦「長門」の乗り組水兵1200人、生き残ったのは僅か30数名、その中の一人でもあるそうです。


彼の作品も読んでみたくなりました。太宰との交流も気になりますし、洗礼も受けていたようです。

彼の命日は「幻花忌」。色紙などによく「花まぼろしの世にあらば 世も幻の花ならん」と書いていたそうです。幻の花というと、昔むかし、新撰組ミーハー、土方さんミーハーしていた時に「幻花」という話を同人誌に書いたのを思い出しました。うわっ、恥ずかし~(*/□\*)

さくも便りNo.5:ねむい(∋_∈)

昨晩、チェーホフの短編『ねむい』を青空文庫で読みました。主人公は13歳の少女、ワーリカ。女中としての仕事も大変なのに赤ちゃんの子守りもある。子守唄の効果もなく、なかなか眠ってくれない赤ちゃん(´д`|||) ああ、でもとにかく眠いの! 現実なのか夢なのか、彼女の生い立ちなどもわかります。でも、そんなの関係ない! 私の邪魔をするのはなんなの? そして彼女は・・・


「やっとのことで、生きる邪魔をしている当の敵をみつける。その敵は――赤んぼなのだ。彼女は笑いだす。あきれたものだ、――こんな些細ささいなことが、なぜもっと早くわからなかったんだろう? 」


ダメダメ、いけない!のショーゲキの結末が待っていたのですが、育児ノイローゼを連想するような作品でしたわ。夢オチが望ましいです・・・(;´Д`)



子守唄で「ねねしな灯台」というのがありました。


ねねしな灯台に灯がともりゃ
人は誰でも眠るとヨ
眠れないのは鬼の子と
愛にはぐれた迷い子ヨ
ねねしなねねしなねねしなヨ

ねねしな灯台の沖合いを
だまりこくって舟が行く
春にはあいつとこの島を
出ようと二人で決めたけど
ねねしなねねしなねねしなヨ

ねねしな灯台に月が出て
ひそかに咲いた白百合よ
生きてくことに汚れるな
人生二度とはないんだよ
ねねしなねねしなねねしなヨ

ねねしな灯台に打ち寄せる
波だけ信じて歌うのさ
明日はきっと良い日だよ
でっかい日の出もみられるよ
ねねしなねねしなねねしなヨ



子どもに歌って聴かせるというより、自分に言い聞かせているような歌詞だと思いました。なんとなくフレーズを覚えていて、大人になってからその意味とかを考えて、しみじみするのかもしれないですね。



寝る子といえば、ねこ(=゚ω゚=) 仕事帰りに久しぶりに野良猫を見ました。 ジャズピアニストの山下洋輔さんが行方不明の猫を探しあぐねて、近くの神社にお参りしたら、翌日戻ってきた!という話が評判になり、立川の阿豆佐味天神社は「猫返し神社」と言われるようになったとか・・・そんな話が書かれたエッセイが発売中らしいので、読んでみたいです(*´∀`)♪

起雲便りNo.17:あかい猫

青空文庫にあった『赤いねこ』(沖野岩三郎)というタイトルが気になり、読んでみました。



雨がしとしと降った翌日に、看板に赤いインキで書かれたお知らせが流れ落ちてしまい、全く役にたっていないことに「これはいけない」とみょうな使命感に目覚めたおじいさんは、自分が雨にうたれても水をかけられても消えないインキをつくるぞ!とはりきり、成功させます。

ある日のこと、家の近くの空き地に一匹の白い猫がいました。とても綺麗な野良猫が家までついてきます。おばあさんとウチで飼いましょうということに。そしてこのおじいさん、何を思ったか、自分の作ったインキで猫を真っ赤に染めると言い出しました。猫が特に抵抗した様子がないとはいえ、これは・・・動物虐待、動物実験に近いものがないかい?


真っ赤になった白ねこ、おじいさんとお風呂に入ったら元通りに! おじいさん、毛もしっかり赤に染まるインキの開発にまたまた着手します。そして成功! じいさん、何者なんだよ?
 


しかし、時間経過とともに元通りになってしまうかも知れないので、大きな箱に入れて外に出さないようにして様子をみようと。しかし、とても猫が鳴く日があり、おばあさんはちょっとだけ箱を開けました。喜んで出てきた猫は部屋の中をはしゃぎまわります。そして障子の隙間から外へ!


「白よ 白よと よんでも、赤よ 赤よと よんでも、どこにも ねこの すがたは 見えません。」
・・・ここは子どもが聞いたら笑うところなんでしょうか? 猫は屋根の上にのぼり、あちこち眺めて嬉しそう。そうこうしているうちにご近所さんが集まり、赤い猫は注目の的に。

 
・・ みんなが わいわい いって さわいで ゐますと、一人の 男が、
「わかった、わかった。ここの おぢいさんは、雨に うたれても、水を ぶっかけても きえない 赤インキを 売って ゐるが、その インキは、あの ねこの 毛で つくるんだ。これで わかった。」
と、いひますと、みんなが、
「さうだ、さうだ。あれは インキの もとだ。」と、申しました。・・・


やめてぇ~!と叫びたくなるような展開(´д`|||)
 猫はそのうちに降りてきたので、おばあさんは抱いて家の中に。赤い猫を見たい人たちも家の中に。 そこへ一人の立派なご婦人が「おばあさん、その ねこを、十円で 私わたしに 売って 下さい。」と言うので、おばあさんはこれはもともと白い野良猫で赤インキで染めたものだと言いましたが、だんだん値をつり上げていきます。二十円で 売って 下さい。」


・・・「おくさま、これは ほんたうの のらねこで ございますよ。三十銭の ねうちも、五十銭の ねうちも ありはしません。これは 白い 毛を 赤インキで そめただけ ですよ。世界ぢゅうに 赤い ねこなんて あるもの ですか。」
 おばあさんが、大きな こゑで どなるやうに いひますと、女の人は、
「さうですとも、世界ぢゅうに 赤い ねこなんて、たった 一ぴきしか ゐやしません。では 思ひきって、百円 さしあげませう。」
と、いって また 五十円 出して ならべました。
 おばあさんは、こまって しまって、たたみの 上の お金を あつめて、かへさうと しました時、だいて ゐた 赤ねこが、のこのこと その 女の 人の ところへ あるいて 行きましたので、女の 人は とても よろこんで、その ねこを 両手で だいて、
「では おばあさん、この ねこは 私が つれて 行きますよ。」
と、いって 大いそぎで おもてに 出ると、自動車に のって、どこかへ 行って しまひました。
・・・


この後、どうなるかと言いますと、おじいさんは猫を連れていったご婦人がお金持ちの貴族だと判明。臆することも媚びを売ることもなく、あれは染めた猫だとおばあさんと同じ事を説明します。ご婦人はあなた方の正直さに感心したので、百円で野良猫をもらいますと。そして別に一万円貸すので、インキ工場をつくりなさいと。

 



・・・ある日の こと、ねこを 買った 女の 人が 会社に 来て 見ますと、会社の おもてには、おぢいさんの 下手な 字で、
インキ インキ 上とうの あかインキ
雨に うたれても 水を ぶっかけても
きえない 上とうの 赤インキ
白ねこを そめて かめのこだはしで
ごしごし あらっても 白くならない
上とうの 赤インキ製造会社
と、赤インキで 書いた、大きな かんばんが、かかってゐました。・・・





メデタシメデタシなんですかね? 黒い猫は不吉だけれど白い猫は幸運を運ぶとか、正直者にはいいことがあるとか、猫の恩返しみたいな話? う~ん、やっぱり染めるとか、縁日のカラーヒヨコを思い出して素直に「おじいさんの発明はスゴい!みんなのためになったね!」とか思えない~モヤモヤする!




作者の沖野 岩三郎(おきの いわさぶろう、1876年1月5日 - 1956年1月31日)ですが、Wikipediaによると「和歌山県生まれ。明治学院神学科卒。和歌山県で伝道中に大逆事件に巻き込まれる。1917年大逆事件をモデルとした小説『宿命』が大阪朝日新聞の懸賞に当選、1918年上京して芝三田統一基督教会の牧師となり、宗教活動をしながら小説を書き、牧師作家と呼ばれ、児童読物、通俗小説のほか『娼妓解放哀話』で知られる。」そうです。




他の作品を読んでみたらまた違うかしら? 青空文庫はスマホだと読みにくいんですよね・・・(;´Д`)





菫青雲便りNo.9:お世辞湯

最近、岡本綺堂作品をKindle版で読むことにハマっています。今は『中国怪奇小説集』という奇妙な短い話がたくさん出てくるのをチマチマ読んでいますが、「首の飛ぶ女」というのは顔だけ飛んでいくというヤツで、耳を翼にするらしいです・・・耳をパタパタ・・・ダンボ?と思ってしまい、ホラーなのかお笑いなのかよくわからなくなってしまいます( ̄~ ̄;)



綺堂センセーはお風呂が好きらしくて、お風呂(入浴)についての考察(?)もいくつかありました。『明治時代の湯屋』では「お世辞湯」という言葉が出てきました。


・・・女湯には「お世辞湯御断り申候」というビラをかけて置く湯屋があった。さなきだに、女客は湯の使い方が激しい上に自分の知り人が来ると、お世辞に揚り湯を二杯も三杯も汲んで遣る。それが又、あがり湯濫用の弊を生ずるので、湯屋でも「お世辞湯お断り」の警告を発することとなったのである。それでも利き目がないらしく、女湯は男湯よりも三倍以上の水量を要すると云われていた。殊に男客に比べると、女客は入浴時間も非常に長いから、湯屋に取っては余り有難いお客様ではなかった。板の間かせぎの被害も女湯に多かった。・・・
 


文中にある「さなきだに」という言葉ですが、そうでなくても、ただでさえ、という意味らしい。あまりきかない言葉ですよね。「さなきだに 重きが上の 小夜衣(さよごろも)わがつまならぬ つまな重ねそ」という、寂然法師(じゃくぜんほうし・平安末期の歌人)の作品がありましたが、意味は「そうでなくとも重い上に掛ける夜着を、他人のものまで重ねるものではない。同様に、我が妻と親しむことですら仏法の女犯の重罪なのに、他人の妻と不倫するのは、更に重い罪だから、してはならない」という自戒の句なのか、願望なのか(笑)
ざっと目を通したときには「小夜という名前の奥さんが重たくて仕方ない、まだ布団の方が軽くていいや」なのかと思っていました(;゜゜)



誰からも言い寄られることのないワタクシはのんびりお風呂に入ってから寝ることにします~おやすみなさい(´ω` )zzZ




初花雲便りNo.19:猫祭り(ФωФ)?~2月の本棚

今月は猫祭り(=^ェ^=)になるはずだったのに、結果は思ったほどではなかった~! 何かテーマを決めて読むというのは、あちこち気移りする私みたいな人間には向かないのだとわかりました(;´д`)


Kindle無料版(タイトルを青空文庫で検索すれば、Kindleアプリに関係なく読めます)の短編(長めのもありましたが)をかなり読んだので、読者メーターでは「100冊越え」になってしまいました(;゜0゜) 実際に「一冊の本」として読んだのはもっと少なく、30冊くらいではないかと・・・ものすごい差がありますね(-_-;) 先に書籍名だけリストアップすることにしました。電子書籍は基本、有料購入したものを載せています。後日、読者メーターversionをアップしますので、感想など読んでいただけたらと思います。



今月もお付き合いいただき、ありがとうございました! 来月もどうぞよろしくお願いいたします(о´∀`о)ノ




《漫画・絵本》

「この世界の片隅に 上・中・下」( こうの 史代 )
「うんこしりとり」( tupera tupera )
「いつか伝えられるなら」( つたえたい、心の手紙 /鉄拳)
「100万回生きたねこ」(佐野洋子)


《時代小説》
「大江戸猫三昧」( 時代小説アンソロジー )
「鯖猫長屋ふしぎ草紙」(田牧大和)
「世直し!河童大明神」(立花水馬)
「踊る猫」(折口真喜子)
「ご隠居さん6 思い孕み」(野口卓)


《ノンフィクション》
「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」(佐々 涼子 )


《その他》
「最後の医者は桜を見上げて君を想う」(二宮敦人 )「さみしくなったら名前を呼んで」( 山内 マリコ )「百匹の踊る猫 刑事課・亜坂誠 事件ファイル001」( 浅暮 三文 )
「糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ」(吉永 南央 )
「ガラ」(赤江 瀑 )
「だれも猫には気づかない」 (アン・マキャフリー )「美男の血」(東 芙美子 )
「かにみそ」(倉狩 聡 ) *
「おにんぎょうさまがた」(長谷川夕)*
「霊感検定」(織守きょうや)
「霊感検定 心霊アイドルの憂鬱」(織守きょうや)
「すしそばてんぷら」藤野千夜)
「食堂のおばちゃん」(山口恵以子)
「夜と霧の隅で」(北杜夫)
「蜜のあわれ/われはうたえどもやぶれかぶれ」(室生犀星)
「君と時計と嘘の塔 第一章」(綾崎隼)
「君と時計と塔の雨 第二章」(綾崎隼)

*ホラー色が強いです。


《電子書籍》
「モナ・リザは高脂血症だった―肖像画29枚のカルテ 」(篠田達明)
「キャンタービル屋敷の幽霊」(オスカー・ワイルド )
「ねこや堂物語 」(ねこや堂)
「亀が無理してロードバイク乗ってみた 準備編」(きっか/コミックエッセイ)
「三浦老人昔話」(岡本綺堂)
「漁夫とその魂」(オスカー・ワイルド/童話)
「ガンスミス」(荒川匠)
「北大路魯山人: 120話すべて収録+綺麗な写真と読む」(北大路魯山人)


《Kindle無料版の猫話》
「お猫さん」村山 籌子
「猫と色の嗜好」石田 孫太郎
「ネコ ノ オバアサン」村山 籌子
「ねこ」小川未明
「透明猫」海野十三



*「10分で読める青空文庫」で検索すると作品リストが出てきます。3分くらいで読めるのもあります。著作権切れ作品なので古いものが目立ちますが、その時代を知るにはなかなか面白くていいと思います。


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