養蚕

2020年03月18日

花春雲便りNo.21:金色姫 と おかいこさん

3/15(日)の読売新聞に載っていた『養蚕と蚕神』の書評がありました。


【昭和初期、220万戸あった日本の養蚕農家はすでに300戸を下回る。女性たちは時に背や腹で温めて卵を孵(かえ)し、素手で桑の葉を与え、「お蚕様」が繭にこもるまで、ひと月に及ぶ家内労働を繰り返した。】


おかいこさんを背や腹で温めるぅ〜!? Σ ゚Д゚≡( /)/エェッ! ムリムリ〜 想像したくない……ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!


【養蚕と蚕神】
http://shop.ruralnet.or.jp/b_no=05_76642644/



「金色姫」の伝説も初めて知りました。こちらもなんかスゴい物語(´・ω・`; )

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/33744/entry-10487281975.html%3Fusqp%3Dmq331AQQKAGYAfGKrYH4yrm5ArABIA%253D%253D


本の中では

【〈金色姫の受苦の多い辛い生涯が、彼女たちが身体感覚を接近させ育てた弱い生命体・蚕の生涯と共に密に連動していたからであり、蚕の死に対峙する場面において、その死を受け入れるための一つの物語が必要であった〉。また、〈養蚕農家の女性たちによって身体感覚から誘発されることによって繰り返し立ち現れる女神〉だったからこそ、安産や厄除け、救済や豊作まで願いを集めたことを例証していく。】


と、女性たちにこの俗信が強く受け入れられた理由を推察していました。皇室行事にもなっている養蚕、美智子さまから雅子さまへきちんと受け継がれたでしょうか? ちょっと気になる……(´-ω-`)



あと「蠶 」は「 蚕」の旧字体なんですね。今まで見たことがない漢字のひとつかも。

https://okjiten.jp/sp/kanji1009.html


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2019年06月07日

林鐘雲便りNo.6:おかいこさん

関東も梅雨入りしたようです。皆さまのお住まいの地域では、大雨による被害などはありませんか? どうぞお気をつけ下さい。

天皇陛下のお田植えのニュースは見たけれど、皇后陛下のおかいこさんはどうなった?と思っていたら、ネットニュースに記事がありました。

【天皇、皇后両陛下は6日、皇居の紅葉山御養蚕所を訪れ、今年の養蚕に携わった担当者をねぎらわれた。皇居での養蚕は明治以降、歴代皇后が受け継いでおり、皇后さまが上皇后さまから引き継いだが、今年は即位関連儀式などと重なったため作業は担われなかった。宮内庁によると、両陛下はこの日、日本純産種の「小石丸」など4種類の蚕の成育状況も見て回られたという。】


ふむ………( ̄~ ̄;) なぜ天皇陛下も…? お付きの女性とかは一緒ではない…? 読売新聞には

【この日は、桑を「蔟(まぶし)」と呼ばれる場所に移す作業などを陛下とともに見守り、担当職員をねきらわれたという。】

とありましたが………はぁ、そうですか。 私もおかいこさんは好きじゃないけど………多分、おかいこさんには出来れば見たくないし、さわるなんてとんでもな………おっと。 来年……もう来年の話か……あっ、これ以上は……(;゜∇゜) こちらは昨年の上皇后陛下のお写真。

https://www.sankei.com/smp/life/news/180524/lif1805240018-s1.html


捨てられし秋蚕よ月に糸を吐き (宇咲冬男)


昨晩、この俳句を見つけたので(あきご、と読むようです)おかいこさんのビジュアルはおいといて、なんだか人間の勝手で繭を作らされて捨てられて……と超せつなくなりました。私は小さい頃から「おかいこさん」と言っていますが「おぼこさん」という人もいるようです。「かいこ」と呼び捨てにしたことはないですわ。養蚕は大事な産業でしたから。

下記は春蚕になるのでしょうか、雛人形を検索していた時に見つけました。養蚕・桑に関する話です。おかいこさんの画像はないので安心して下さい(笑)

http://www.kaikologs.org/archives/3921


宇咲冬男さんはこんな方でした。
http://usaki-f.com/prof.html




rohengram799 at 15:46|この記事のURLComments(2)

2016年10月09日

徳雲便りNo.6:100年前の女の子

編集者である船曳由美さんの母上の人生を綴った『100年前の女の子』を読みました。


明治42年、上州のからっ風が吹く小さな村に、雷鳴とともに生まれたテイはカミナリさまの申し子と言われます。顔は男の子のようでかわいさはちょっと不足気味……そして強情。小言を言われても歯をくいしばり、涙をいっぱいためて上目遣いで見るような子どもです。生まれついてのものもあるかもしれませんが、生い立ちがさらにそれを鍛え上げたのでしょう。


テイの母親は姑ヤスと小姑があまりになんでも出来る人だったので「自分はダメな人間だ」と自信をなくしたのか、里帰り出産後になんと!赤ん坊だけを寺崎家に送り届けて、自分はそのまま実家に……おいおい、あなたは母親でしょ!とビックリ!特に意地悪されたわけでもなさそうなのに……(ーー;) その後、あちこちに預けられたり養子に出されたり……と苦労がありましたが、数えで7才の時に寺崎家に戻ることが出来ました。


5月の茶摘み、井戸替え(井戸の底をさらう)、田植え、絹織物用の蚕の世話、学校帰りに友達とイナゴを取って持ち帰り、それを炒めて味付けしてみんなで食べたり。田んぼの草取りもして、お盆さんがやってきて、お月見にお彼岸、栗の山分け、十日夜(トオカンヤ:子供たちが親に作ってもらった藁鉄砲で村中の家の庭先を叩くと、その勢いで大根が土の上から青首を出すので抜くのが楽になると言われている)、稲刈りにコウシン様(無事稲刈りが終わりました、これで年を越せますと感謝しながら新米を食べたり宴会をする)、家のすす払いと餅つき。家中の神様に鏡餅をお供えして、お正月の準備(門松・しめ縄作り、祝箸も作る)、初風呂、ぼんぼ焼き(お正月様が山に帰る日。正月飾りを燃やす。ウチの田舎はどんどん焼きと言ってました)、お嫁さんたちの里帰り、節分、初午(馬は人間よりも神様に近い動物と言われた。この日は馬を飾りたて馬の無事息災とその年の五穀豊穣を祈願する)、雛の節句、草餅作り、お花見……ああ、日本人はこうやって神様に、自然に感謝して生きてきたんだなぁ、と思える場面がたくさん! 今は簡略化されて、なんのための行事かわからなくなっているようなものも、そうだったのか!と納得したり……。


またヤスばあさんがテイに言い聞かせる話も「そうだよ、昔はお金持ちとそうでない人の差がはっきりしていたけれど、エライ人はエライなりに気遣いや思いやりがあった」と読みながら思いました。


……物ごいのことは「お乞食さま」と「お」のうえにさらに「さま」を付けて呼ばれた。何か理由があって神さまが身をやつして村をたずねているのかもしれない、どんなに汚い身なりをしている者でもバカにしてはいけない、そうヤスばあさんは教える。……


……栗が実るとみんなで拾って大釜で茹で上げる。その栗をおばあさんが家族の人数分の山にわけ、じゃんけんで勝ったものから好きな山を選んでいく。後妻のイワかあさんが子ども思いで(3人の妹が出来ました)自分の分を少しやろうとすると、ヤスばあさんはだめだと遮る。おとなも子どもも、女も男も同じ量の栗をもらって楽しむのが栗わけの意味なのだ、だから自分で食べなさい。……



後半はテイが女学校に進み、東京に出てからの話になります。文庫には足利高等女学校の制服姿(袴になぜかベルト!)のテイや家族写真(妹たちもかわいい! ヤスとイワの写真もある)また新渡戸稲造校長の女子経済専門学校での写真や、イケメンなダンナさまとの結婚時の写真もあります。テイは強くたくましくまた賢い女性だったなぁと思いました。解説は『小さいおうち』の中島京子さんです。



本当にどの文章も抜粋したいものばかり……出来上がったお餅をお供えする場面で「神様には、日本古来の神様と渡来の神様とあって、海の向こうから来たえびす様とかだるま様のは小さいおもちだ。そんなこと、誰が決めたのであろうか……。」とか、たくさんお餅をついたけれどいろんな神様にお供えするので人間の分がなくなるのではと心配したり(笑) また神様だけでなく「鍬や鉈や鎌などの農具にももちろん供える。」のです。ピカピカに磨きあげられて、刃先を上にして並べられた父親の、母親の、祖母の、男衆たちのそれぞれの道具たち。「西側の板壁のすき間からさしこむ夕日に刃先が銀色に光り、納屋は物音ひとつせず、鍬や鉈は静かに眠っているように見える。テイにはどんな神様よりもいちばんありがたく思えて、農具の前で深々と頭を下げたものだった。」……この文章を読んだ時に、第520号:私の心はヴァイオリンで書きましたが、千住真理子さんの過去のヴァイオリンたちに「長いこと、ご苦労様でした。ほんとうにありがとうございました」と、両手を膝について、深々と頭を下げた、兄の博さんを思い出しました。


今の子どもたちには、この本に描かれている田舎の風景や人付き合いなどの雰囲気が伝わらないかもしれません。でもなんとなく、知らないけれどなんか懐かしい気持ちになれるものがあるんじゃないかなと思います。心の豊かさというのかな。


残念ながら、テイさんは101歳で亡くなってしまいました。最期まで産みの母親を求めていたテイさん……それはとても切ないことですが、本を通してテイさんに出逢えたことに感謝です。本を教えて下さった、のざわ様、ありがとうございます!


【100年前の女の子】
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167906634


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2016年08月14日

乗雲便りNo.14:寒蝉

『桑の実を前歯でちょっと噛み故郷』(池田澄子)



実際、故郷に帰り桑の実を食べたのか、違う場所で口に運び故郷を思い出したのか、どちらにしても浮かぶのは懐かしい故郷………私も桑の実を小学校に行く途中に食べたりしていました(笑) “おかいこさん”農家も今はほとんど残っていないのではないかと思います。桑畑も少なくなっているだろうなぁ。皆さまが故郷を思い出す“ひとかじり”“ひとくち”はなんでしょう?



11日に甲府で、コオロギの初鳴が観測(平年より3日早い)され、12日には新潟や名古屋でツクツクボウシの初鳴が観測されたそうです。こういうのを観測している人たちがいるのがスゴいな、と思いつつ……立秋を過ぎたのを虫たちの方がよくわかっているのですね(^o^;)


スーパーのチラシにあった七十二候(*)には『寒蝉鳴(ひぐらしなく)』の文字が。寒い蝉? 蝉が寒い? ヒグラシは「蜩」ではないの?………?(・_・;?

(*)http://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/



「寒蝉」は“かんぜみ”と読み、秋の末に鳴く蝉。ツクツクボウシまたはヒグラシの古称か。かんせん。 七十二候が中国から日本に伝来した当時のものは「寒蝉鳴」とあり、普通はこれで「かんせんなく」と読むそう。「時期は“立秋の末候”となっていますので「蜩鳴く」時期とはズレているような……。中国では鳴いているのかしらん? 寒蝉は秋の訪れを告げる蝉なのづ「秋つげぜみ」とも読まれることがあるらしい。ヒグラシよりもツクツクボウシが鳴く時期にあうのでは?ということで、“ツクツクボウシまたはヒグラシの古称か”となっているようです。しかし、ヒグラシは哀愁があり、夏をしみじみと惜しむ感じがありますが、ツクツクボウシは西川のりおさんのイメージが強いので「もう夏が終わり~? ざけんなよ、まだ遊ぶんだよ!」みたいな、なんとも言えない気分になってしまう世代です( ̄~ ̄;)


http://koyomi.vis.ne.jp/doc/mlko/200708200.htm



高知にお住まいのKIRARI様のブログに『よさこい』の記事がありました。祭りだ、祭りだ~!を楽しんで下さい(≧∇≦)


http://kirari-yume2.jugem.jp/?eid=658

http://kirari-yume2.jugem.jp/?eid=659





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2015年06月26日

草雲便りNo.26:シルクの(悪)夢

九州の豪雨、鹿児島の避難所のニュースでは高齢の方々が多く映っていました。健康状態が気になります。被害が拡大しませんように。皆さまも通勤・通学、お出掛けや車の運転など、どうぞお気をつけ下さい。



『ドリームダスト・モンスターズ』『白い河、夜の船』『眠り月は、ただ骨の冬』櫛木理宇さんのシリーズ作品を続けて読みました。文庫書き下ろしで表紙がラノベっぽいイラストなんですが、フツーに(笑)おもしろかったです。


人の夢へ入って覗くことで悪夢に関する依頼を解決する「ゆめみや」の仕事をメインにした連作短編集。催眠療法に近い感覚があるかな? ゆめみやは自己故解のお手伝いをするだけ。3作目はまるまる一冊、ひとりの女の子の夢を追いかけます。主人公の晶水(あきみ)が本人は意識していないけれどツンデレで、ストレートに気持ちをぶつける壱(いち)の関係がドロドログロ感もある夢の話の中で、ホッとするというかほほえましいです。これぞ青春!!みたいな(笑)身長差ありのふたりがカワイイです。 壱の祖母で、ゆめみやの主の千代さんもステキな方! お料理上手で教え上手で聞き上手で、人付き合いも悪くない…晶水との関係もベッタリしていないけれど、慈愛に満ちていて、こんなおばぁちゃんに会いたかった!と思いました。 次作はあるのか? まだわからないので本屋でチェックをかかさないようしよう♪



「悪夢」というと以前『悪夢のエレベーター』(木下半太)という本を読みましたが、同じ作者の『鈴木ごっこ』を買いました。昔、プレステのソフトに『鈴木爆発』というのがあり(導火線を正しく時間内に切断しないと爆発するというもの。品物はみかんだったりいろいろ)好きなゲームだったので(クリア出来なかったけど)それを思い出してタイトル買いしてしまいました( ̄▽ ̄;) 借金を抱えた男女4人が1年間「家族ごっこ」をする…慣れてきた頃にまた命令がくるらしく……なんかドキドキします!!



話はかわりますが「シルクワーム」という文字を見て「おかいこさんもオシャレな言い方になったもんだ」と思いました。爬虫類の生き餌用に育てる人がいるようです。皇后さまも毎年5月初旬の「御養蚕始(ごようさん はじめ)の儀」から7月初旬の「御養蚕納の儀」まで 、約2ヶ月の間に蚕を飼い育てて繭をとる作業をされますよね。皇后さまが育てていらっしゃるのは「小石丸」という品種だそうですが、飼育はかなり難しいとか。私は簡単でもおかいこさんは育てたくないです……キモい、コワイ、触りたくない~!! ←なのに書いてごめんなさい!!! いずれは雅子さまが引き継がれると思うのですが……雅子さまは大丈夫かしら?などと余計な心配をしたりして(O.O;)(oo;)



悪夢の回顧ではなく、極上のシルクのようなスベスベお肌の美女たちに囲まれるウハウハな夢をみられますように(おやぢだ!)~どうぞよい週末を!!





rohengram799 at 10:26|この記事のURLComments(10)
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