2015年01月19日

福雲便りNo.17:温め鳥

昨日はホラーにガチガチしていたワタクシですが、今日は『温め鳥』という言葉を知りました。「ぬくめどり」と読むようです。


冬の寒い夜、鷹(たか)が小鳥を捕らえてつかみ、足をあたためること。また、その小鳥。翌朝その小鳥を放し、その飛び去った方向へその日は行かないという……冬の季語になっていました。実際は食料として小鳥を運んでいたのだと思いますが、そうは考えなかった古人もいたわけですね。寒い季節だからこそ余計に命を奪う行為ではなく、温かさを貰うこととして考えたかったのかも。


『温め鳥由の字に宀(うかんむり)かぶす』(中村堯子)


「ウはウチュウのウ」で由にうかんむりをつける「宇」になりますね。放された小鳥はそらの広さ、自由を感じたことでしょう。『ぬくめどり』という鷹匠のドキュメンタリー映画も作られていたようですね。



「鷹」で俳句を検索していたら「馬糞鷹」というキョーレツな文字が……なんですか、これは!! チョウゲンボウという、おおよそハトほどの大きさしかない小型の猛禽類のことでした。江戸時代前期からの呼び名らしいです。



昔、長元坊という不思議なお坊さんが凶作に苦しむ村に現れました。村を見下ろせる崖の上に座り、飯も食わず数日間ずっと眺めています。日に日に痩せていく長元坊でしたが、ある時、村人の何人かが彼にに村を救ってもらおうと供え物を持って行こうとして、河原で亡くなってしまいます。
村人はその事件の悲しみに暮れながら、長元坊に話しました。それを聞いた長元坊の体は大きく揺れて、やがてその身体は崖底へと落ちてしまいました……。翌年、村は豊作に恵まれます。村には飢饉から自分達を救ってくれた村人達と、長元坊の墓が建てられました。その後、作物の出来を確認するように、畑を見下ろすタカが見られるようになり……村人はいつしかそのタカのことを「チョウゲンボウ」と呼ぶようになった、という逸話があります。


こんないい話がある一方で「まぐそだか」と言われてしまうのは……その大きさに見合って獲物は小さく、ネズミなどの小動物、昆虫、コウモリやカエル、果てはトカゲなども襲って食べます。大昔に鷹匠などがこのチョウゲンボウを鷹狩に使うため飼育したものの、上記のようにろくな獲物を獲ってこなかったため……「馬の糞のように役に立たない鷹」という意味で「馬糞鷹」という蔑称で呼ばれてしまいました( ̄~ ̄;)


まぁ人間が勝手につけている名前なので、鳥たちには全く関係ない話かもしれないですね。案外、もっとカッコいい名前をつけて、お互い呼びあっているのかも(^◇^)




今日はなんとなくあたたかい1日、俳句の季語には「春隣」という言葉もありました。「春近し」と同意ではありますが、こちらの方がぽかぽか感があるような……。


『叱られて目をつぶる猫春隣』(久保田万太郎)


ふにゃ~な猫の表情が浮かんでくるような一句で好きです。皆さまも、ガチガチなハートと身体がほにゃらん♪と和む何かに出会える1週間になりますように(*´∀`)ノ





rohengram799 at 12:57コメント(6) 

2012年11月21日

サバ雲便りNo.23:サシバの凱歌

「年をとると時間が早い」「一年なんてあっ!!という間だよね」…こんな会話をする機会が増えましたが、10歳の子どもの一年は時速10キロの歩みとか。ゆったり時間が流れているらしい。でもコレがツラい子どももたくさんいるんだろうなぁ…なんて思うワタクシの「年齢時速」は48キロ!!体重なら大歓迎なのに( ̄▽ ̄;)


女優の桃井かおりさんは「120歳まで生きたい」と言っていたようですが、私は80キロでゲームオーバーでいいかな…なんて思っております(-_-;)


目も耳も悪いですが、歯も差し歯が2本あるワタシ(ストリートファイターだったワケではない)鷹の仲間に「サシバ」(差羽)がいることを知りましたっ!!(((^^;)身体(羽)は何でしょうか、う~ん、松の木肌を剥いで鷹に張り付けました!!みたいな…コゲ茶色?いや、お上品しに褐色というべきでしょうか?


鳴き声は「ピックイー、ピックイー」で一夫一妻。しかし、“稀に2羽の雄が給餌に参加する一妻二夫も観察されている”そうです。コレは奥さま、ラクでいいですな!!


鷹の渡りをみせる代表的な鳥で、秋の渡りは9月初めに始まり、渡りの時には非常に大きな群れを作るそう。この時に鷹柱(上昇気流に乗って複数のタカが竜巻状に旋回上昇をしている状態。柱のように見えるのでこう呼ばれる)を見ることが出来るのでしょうね。


ノンストップでは12時間も飛び続けると聞いてビックリ!!。中には越冬する鷹もいて、宮古諸島では「落ち鷹」というそうです。受験生にはちと縁起が~(^_^)-c<^_^;)


気をとりなおしてこちらの句をどうぞっ!!


『日に舞うて凱歌のごとし鷹柱』(岡部六弥太)




rohengram799 at 15:15コメント(8)トラックバック(0) 
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