2022年01月18日

麗春雲便りNo.17:赤 と 黒

江戸時代から伝わる行事に「鷽替(うそかえ)」というのがありますね。毎年1月に、参詣の人が木で鷽の形をつくったものを袖に隠して持ちより「うそをかへむ」といって互いに取替える……現在は神社に昨年のうそ鳥を納めて、新しいうそ鳥と取替えるようになっているそうです。

【せいたかとんぼの木うそ紀行】
https://kiuso.hateblo.jp/

ウソは春になると口笛を吹くような柔らかい声で囀るそうです。 声につれて両足を交互に上げて、それが琴を弾くような仕種に見えるので「琴弾鳥」とも言われるそうです。

「雨鷽(あまうそ)」という季語がありました。ウソドリのメスのことをいうそうです。オスは「照鷽(てりうそ)」といいます。顔と喉が赤くて美しいのでこのように呼ばれるとか。メスは赤い所がなく全体に茶色い……「あまうそ」は照りに対しての雨ということに。雨女に晴れ男……? 泣いている女性を明るい笑顔にするのはきっとお日さまみたいな殿方なんでしょうが、泣かせるのもやはり殿方なのかも。 またオスは「アカウソ」メスは「クロウソ」とも。

真っ赤な嘘を平気でつく詐欺師男と「玉の輿!逃がさないから!」の腹黒い女が付き合う、安っぽいドラマを想像してしまう昼下がり…皆さまはまったりしたティータイムをお過ごし下さいませ (*・ω・)つ


rohengram799 at 14:20コメント(2) 

2016年10月24日

徳雲便りNo.17:鳥のトリコ

『ことり屋おけい探鳥双紙(たんちょうそうし)』(梶よう子)を読み終わりました。 凍雲便りNo.14:ことりに書いた小川洋子さんの小説が素晴らしかったのを思い出し、鳥物語にフラフラとひかれて買ってしまいました。


幻の青いサギを追って行方知れずになった夫・羽吉(はねきち)を待ちながら、小鳥を商う店「ことり屋」を切り盛りする女主人おけい。店に持ち込まれる事件の謎解きは特に目新しくはないし(申し訳ない)羽吉の行方も「ああやっぱりね……」なんですが、シリーズ化を考えての終わり方だったようです。


以前、加藤元さんの『四月一日亭ものがたり』という、銀座の裏通りにある西洋料理店の話を読んだことがありますが(大正末期のレトロな雰囲気がよかった)なぜ“四月一日”を“わたぬき”と読むのかは書いてなかったんですよ、たしか……その謎は第二羽(笑)の一文で解けました!


《まもなく四月だ。とくに四月朔日(ついたち)は綿抜きといって、この日を境に綿入れから袷(あわせ)に切り替わる。厚ぼったいものから、軽やかな衣装になって初夏を迎える。》


鷹がいないので小鳥が安心して遊べるから“小鳥遊(たかなし)”とか、難読名字の由来は面白いですわ。



玉詰まりだとパチンコ台をバンバン叩くオッサンを思い浮かべますが(偏見かしら?)鳥には「卵詰まり」という、体の中で作られた卵をうまく排出できずに詰まってしまう症状があるそうです。インコの他にもメスの鳥類ではよく見られる病気。一羽だけでも、成熟したメスの鳥なら卵を産むというのは聞いたことがありますが、詰まるとは……!


鳥類はフンも卵も同じところから排出するため、卵が詰まるとフンが出せなくなり、体内に蓄積してしまい、命を落とす危険が……おかしいぞ?と感じたら、すぐ病院に連れていって下さい。



そして『南総里見八犬伝』でおなじみの馬琴さんが相談役のような立場で登場。彼は鳥が大好きだったそうな。『大江戸飼い鳥草紙』(細川博昭著)とかに詳しく書いてあるようです。気分転換につがいの「ウソ」を買い求めたのをきっかけに「癒される~♪」と鳥のトリコになったようです……(゜゜;)\(--;)


数年後にはウソのほか、メジロ、キクイタダキ、ヨシキリ、サンコウチョウ、カナリア、ホトトギス、カッコウ、それにコガモ、オシドリ、バン、シギなどの水鳥も飼っていたそうです。特にハトは大好き!だったようで、「連雀鳩」という頭にタテガミ状トンガリを有した輸入鳩もいたらしいです。現代にいたら鳩レースとかに参加していたかも? ハトだけで8種類17羽も飼育していたそうですが、100羽以上にもなると世話も大変、餌代もバカにならない、鳥籠の置き場所にも困るようになり、カナリアだけを残してほとんどの鳥を売り払ったそうです。


馬琴の息子は医者なのに病弱だったとか、花鳥茶屋という、今でいう動植物園的なものがあったとか……江戸時代って変化朝顔に夢中になったりもしていたし、ペット事情も調べると楽しそう……文化・風俗の研究をする人の気持ちがわかる気がしました(o⌒∇⌒o)





rohengram799 at 17:12コメント(6) 
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