2010年12月18日

第362号:母の涙は雪の音

この前のすごく冷え込んだ翌朝、夜中に雪が降ったかのよいに、近くの家の屋根が霜で白くなっていました。


「雪」というと、皆さまもいろんな思い出や連想するモノがあると思います。


私が一番に思い浮かべるのは『どんぐりの家』という漫画のあるエピソード。前にかきましたっけ?


耳の聴こえない男の子は、学校の帰り道、雪が降ってきたのがなんだか嬉しくて、急いで家に帰り、母親に教えます。


母親は、縫い物をしていて全然気がついていませんでした。


私たちもそうですよね、冷え込んできたな~、なんだか静かだな~と思ったら雪が降っていた…よくあることです。


でも…彼はずっと『音』のない世界にいます。目に見えない『音』が知りたくて、いろんな本や漫画を読みました。


風はひゅうひゅう、笑い声はアハハやクスクス、雨はザーザー、しとしと…。雪が降る音だって…。


彼は母親に言います。


なぜ気がつかなかったの!?
耳か聴こえるくせにわからないの!?
本に書いてあったよ、「しんしんと雪が降る」って……窓を閉めてもわかるはずだ!!


雪の降る音が……「しんしん」っていう音が聴こえるはずだ!!



ああ、お母さん!!
あなたは、どんな気持ちで男の子のしぐさのひとつひとつ、憤った表情を見ていたことでしょう。


泣きながら、無言で我が子を抱きしめることしかできません。


母親に抱かれ、その肩越しに見た外の景色…雪は降っていました。しんしんと…ただしんしんと降っていました(涙)


他にもたくさんのエピソードがあり、埼玉県に実在する施設です。


興味をもたれましたら、ぜひタオルを用意して読んで下さいね。





rohengram799 at 01:10コメント(9) | 医療・臓器移植・介護・福祉関係 | 空のお城図書館 

トラックバック一覧

1. 【漫画】 どんぐりの家 第一巻 山本おさむ著  [ Time waits for no one . ]   2010年12月22日 19:09
「どんぐりの家」という本が家に届きました。この本は「オスカー」さんのブログで紹介されていた本で、興味があったので読んでみようと思いました。「オスカー」さんは初めて僕の ...
2. 第668号:積もった雪  [ 空のお城通信~オスカー戯言日記~ ]   2012年01月11日 10:30
今朝は一段と冷えましたね~午後は雪がちらつくとか…ダンナに「お母さんが帰ってくる頃は3℃だって~(夜11時近く)」…言わなければ寒さに鈍感なままでいられたのになぁ(-_-;) 雪 ...

コメント一欄

1. Posted by kouchan   2010年12月18日 08:23
>私、思ったんですが…私の勤務先の方たちも『准教授』保菌者っぽいです。

もし自分よりも立場が上の人だったら、もう耐えるしかありませんorz 介護だと思えば、ラクです。
因みに、「うちの准教授=健忘症」であって、「世間一般の准教授≠健忘症」ではないことを念のため書いておきます(笑)。

今回の話を聴くと、ヘレンケラーの話を思い出します。音も視界もない世界ってどんな感じなのでしょうか?
2. Posted by kobayu   2010年12月18日 08:59
おはようございます。
ある日沢庵坊が武蔵に向かって言いました。

「花紅葉をみる心は生じながら、そこに止まらぬを詮と致し候。見るとも聞くとも、一所に心を止めぬを至極とする事にて候。」

そのお母さんは、縫い物に心を止めてしまったため「雪」を見逃してしまったんだね。

僕らも日ごろ何かに心を「捉われ」がちだけど、そうするとこのお母さんのように「雪」を見逃しちゃったりするんだよね。

気をつけなきゃと思わせられました。
3. Posted by オスカー   2010年12月18日 10:34
§kouchanさま
お兄さま、あたし、耐えられない!!(爆)…と言いたい気分の時は、このコメントを思い出すことにしますね 音や光がない世界、怖すぎて想像力ゼロです。

§kobayuさま
『バガボンド』からの言葉でしょうか? kobayuさまがいつか親に近い立場になった時に、このお母さんの涙の「重み」を実感できると思います。
4. Posted by かほこ   2010年12月18日 17:45
雪は音を立てて降る事って余りないですけど、「しんしん」って言葉、どこからそうなったんでしょうね。
この言葉は雪以外でも使う事があるのかしら?
オスカーさんのブログは、普通に過ごしていたら気付かないような事を考えさせられる事がホントに多いですね。
今年はいつ雪が家の周りに降るのかなぁ。
5. Posted by オスカー   2010年12月18日 20:47
§かほこ様
『しんしん』だけで検索したら、漬物屋さんにいっちゃいました(笑) 深深、沈沈…の字を書くようですが、やはり日本独特の感性で、雪専用ではないのかな~音もなく…みたいな。♪雪やこんこ…は雪の降る様子ではなくて、来いの意味らしいです。
6. Posted by めぐのりあ   2010年12月18日 23:54
もうすでに涙目です。(T_T)
耳の聞こえないお子さんから、また新たに気付かされる事も
あるんですね。
「しんしん」 この前ふと窓の外を見たら家々の屋根がすでに白く
なっていて、まさにしんしんと雪が降り続いていました。
寒さと静けさを表す絶妙な言葉ですね。
7. Posted by ねえさま   2010年12月18日 23:59
強気でいる時って、弱い気持ちをねじ伏せてる時でもあります(-"-;)

そんな時にこの記事…もう胸ズキュンで一人薄暗くしなきゃいけない病室でホロホロです。

くそ~俺は海賊王になる!!(映画やってたね、今日)(^w^)
とか世迷いごとを言いつつタオルな今宵でございます。
8. Posted by きょろん   2010年12月19日 00:05
『雪の音』というと、美内すずえ先生の短編漫画を思い出します。
自分と同じ声の女の子を代役にして、遊び人の彼女は目の見えない婚約者を騙すのですが、ある日、彼が彼女に「雪が降っているね・・・」と。
実は彼の目はすっかり治って、“なにもかも”見えていたという。。。
そして、イケメン金持ちの彼は、健気に代役をつとめた女の子とハッピーエンドに!
いささか予定調和っぽいストーリーですが、『雪の音』というタイトルが子供心にとても印象に残った作品でした。

9. Posted by オスカー   2010年12月19日 11:34
§めぐのりあ様
雪には雨以上に物語があるのかもしれないですね。この男の子は抱きしめてくれたお母さんの肩越しから見た雪に「しんしん」と降る雪の音を聴きます。深深と心心と…文字を選ぶならこれかな~と思いました。

§おねえさまへ
もう『おやすみなさいませ』のお時間だったのに~「泣かせてやがってこのヤロー!!」のオスカーでごめんなさい…(>_<)
ルフィとエースの関係もグッときますわ、おねえさま(;_;)
ワタクシたちも強い絆で…あ、糸を切らないで~

§きょろん様
美内先生のその話は私ははじめてききました。短編集に入っているのかしら? 探してみます。ありがとう~

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