2013年10月26日

しらす雲便りNo.46:風のフィメール

夜中の地震には驚きました!まだまだ東日本大震災の余震ということで……いつになったら落ち着くのでしょうか? 台風の影響も午後にはなくなり天気も回復するようです。皆さまのところはいかがですか?

台風は野分とも言われていましたが、帝国海軍の艦にも「野分」がありました。1941年春に竣工、1944年の10月26日(今日ですね)戦没しています。日本は戦艦にも美しい名前をたくさんつけていて、「舞風」や「楓」「清霜」「照月」などもありました。故郷から遠く離れた海上に浮かぶ花鳥風月、なんだかせつないですわ。

昨晩は『風の音が聞こえませんか』という小笠原慧さんの本をイッキ読みしました。主人公は新人ケースワーカーの川村美知という、保健福祉センターの障害保健福祉課で働く女の子。統合失調症を抱え、通院も服薬も途絶えたままひとり暮らしのアパートにひきこもっている杉浦晃の担当として訪問指導をします。最初はもちろん拒絶されますが、何度もチャレンジ!そのひたむきさが晃の心を開いていきます。美知は、晃との間に些細な共通点を見つけては喜び、一緒にいると素直な気持ちになれる…!しかし、晃の回復に取り組む一方で、彼の主治医である佐伯にも心が揺れる……オイオイヽ(´o`;という部分がたくさんある恋愛小説です。

ケースワーカーがひとりの患者さんに個人的にかかわりすぎだろ!って最初からツッコミたくなる展開で、晃も症状としては軽いんじゃないか?という気もするし、精神病患者に対しての薬漬けの実態もちょっとウヤムヤになっている気もする……でも読みやすいので、ふたりの関係はどうなるのさ!?とオバチャン根性丸出しになってしまう不思議な作品。この方、岡田ナンチャラという現役の精神科医なんですね。なんとなく、香山リカに近いものがあるように感じたのはワタシがねじれているからか( ̄~ ̄;)

実は「慧」という作者名にひかれて買った本……昔、むかし月刊セブンティーンに『フィメールの逸話』というマンガが連載されていました。(作者は鈴木雅子さん。『プラタナス抄』とか他の作品もオススメです!)その登場人物の名前に「慧」がいたのです。自殺した女の子の身体に、交通事故で死んだ男の子の魂が入り込み、彼の愛する少年に彼女(彼)が、自分の想いをまっすぐに表していくというもの。女の子の名前も「和音(かずね)」ちゃんと言って可愛いし、兄・智と弟・慧で、智慧(ちえ)となるように彼の両親がつけたというエピソードも胸にくる……でも一番せつなく哀しいのはラストでした。ネタバレになりますが、和音の身体と慧の心をもったままで、交通事故にあってしまい……記憶をなくした状態に。これだけだとご都合主義な!と思われるかめしれませんが、全編通して読むと本当に苦しいんですよ~!

失恋して自殺した和音を見つけた慧は「どうして…?どうして死ぬの!? 君は女の子なのに」と思います。「好きな男に冷たくされたって/女の子でいることは最大の武器じゃないか/女の子でいるかぎり希望はあるじゃないか/ぼくよりずっと恵まれているはずなのに/ぼくがどんなに欲しても得られない事実をもちながら/どうしてそんなに簡単に自分の身体を捨ててしまうの!?」

慧に想いをよせられている将も、彼の気持ちが今だけの、はしかみたいなもので「やがて女性の肉体をもったまま女性を好きになったら?」という可能性を考えて愕然としたり…。池田理代子先生の『クローディーヌ…!』は女性の身体で男性の心を持った主人公の話でした。オスカルさまは男装はしていましたが、オレは男だ!な人ではありませんでしたからね。こちらもラストは哀しかったです。今は私がこれらの作品を読んでいた時代より偏見はなくなり、オープンになった部分もあるでしょうが……。


『フィメールの逸話』についてのブログ記事がありましたので、読んでみて下さいませ。
http://blog.goo.ne.jp/t5754380/e/72de6310bb09cbe2090eec9fb78bd532







rohengram799 at 13:30コメント(9) | 空のお城図書館 | 医療・臓器移植・介護・福祉関係 

コメント一欄

1. Posted by ミューちゃん   2013年10月26日 16:53
5 オスカーさん、こんにちは
三重は午後から晴れてきました多分ですけど、今回の台風や東日本大震災クラスの天才が東京に来たら一発でアウトでしょうね。田舎だったら避難場所が分かりやすいけど、東京の場合、どこに避難したら良いか分からないだろうし、停電になったら、どんな優れた機能のパソコンや電車でも停まりますからね。それに車社会だから津波が来たら、車で逃げてる途中に人を轢くと云う悲劇も現実に東日本大震災の時もあったから、東京にも、そんな悲しい交通事故もある事でしょうね…。今回の台風は正しく「天災は忘れた頃にやってくる」て云う諺が身に染みた出来事でしたね…
2. Posted by 猫ムスメ   2013年10月26日 17:34
地震、本当に驚きました 大きい上に長かったですよね~。まだ「余震」だなんて信じられないです

ちょうど昨日「女子に聞く、男子の名前で好きなものは?」という記事を読みました。1位は‘翔’だそうです。他は忘れましたが、ランクインしているのは全て漢字一文字でした(-.-;)
なんかみんなホストみたい…と古い私は思ってしまいましたが、まぁ時代なんでしょうね
でも今の子達が老人になった時、「翔おじいちゃん」とか呼ばれるのがイメージ湧かないですw
3. Posted by オスカー   2013年10月26日 23:47
§ミューちゃん様
夕方には晴れると思っていましたが、雲が多いまま夜になってしまいました。家族がバラバラに避難している人たちは心細いだろうなぁと思います。

§猫ムスメ様
オタ息子の同級生にも「翔」くん、いましたが、なんか呼びにくそう…と思っていました。一字といえば「今年の漢字」はなんでしょうね? 風や雨かしらん…(´Д`)
4. Posted by ゆゆ   2013年10月27日 01:07
こんばんは。いつもありがとうございます。何を見ても何を聞いても涙ばかりこぼしている今の私です。オスカーさんのように沢山本を読もうと思います。
5. Posted by きょろん   2013年10月27日 01:30
地震、台風と、天災の心配は尽きないですね。
備えをきちんとしなければと思いつつ、なかなか充分ではありません。

「クローディーヌ…!」、懐かしく思い出しました。
たしか、ローズマリーも一途で健気でしたね。
今度実家に帰ったら読み返そうと思います。

そして、遅くなりましたが昨日はロイさまの(^v^)



6. Posted by なう60   2013年10月27日 08:01
おはようございます。
早朝の地震、びっくりしたことと思います。被害がなくて良かったですね。戦艦大和、戦艦武蔵、勇ましいですね。若き頃「戦艦大和」の映画3回観ました。ラストシーン、艦長がロ-プで柱に、艦とともに運命をともにする「大和魂」に感動でした。
7. Posted by 見張り員   2013年10月27日 10:38
こんにちは
あの地震は「変だなあ」と思うに十分足りる特異な地震でしたね。震災の余震だとは・・地球規模でいえば二年半ほどなど一瞬以下なのでしょうね・・・でもやはり怖いですね、要注意です。

野分だちて
という一文があったのは枕草子だったか??
昔の人はいい表現しましたね、それを厳つい艦名にした帝国海軍の見識は素敵♡さすがだと海軍びいきの私はひとりにんまり・・・ww。
8. Posted by オスカー   2013年10月27日 15:19
§ゆゆ様
「天使の涙」と言われる可愛い花があります。ゆゆ様を思い出す花です。おだやかな毎日を過ごされますように祈っています。

§きょろん様
ロイエンタールの誕生日を覚えて頂いて嬉しいです! 理代子先生の作品は一歩も二歩も先にいって問題提起をされていた気がします。
9. Posted by オスカー   2013年10月27日 15:24
§なう60様
戦艦「大和」という名前に込められた想い、乗組員の想い…ずっと伝えていきたいですね!

§見張り員さま
保安庁の船の名前もたくさんあって、最初聞いた時には「なんだ、そりゃ?」と思いましたが(笑)日本人の感性はやはり素晴らしいです!

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