2014年08月04日

遊雲便りNo.4:オヤニラミ

《児童虐待が過去最多 「親権停止」申し立てが23件》というニュースや佐世保の事件で次々と明らかになる加害者の家庭環境……マンションにひとり暮らしだけでも信じられないのに、親が100万円渡していたって……父親もどこか歪んでいるのでは、と思ってしまいます。そんなことを考えていたら「オヤニラミ」という言葉を見つけたので、オヤシラズみたいなもの?と思って調べてみました。


『オヤニラミ』は魚の名前でした(~O~;)反抗期の子どもが親をにらむとか、問題がありそうな親を監視するとか、そういうものでもなかったです。目が4つあるみたいに見えるので「ヨツメ」と呼ぶ地域もあるそうです。ジャノメチョウの魚版みたいな感じ?


http://www.aqua.stardust31.com/suzuki/ketugyo-ka/oyanirami.shtml


和名の由来には諸説あって、オスが卵を保護する様から「親が睨みを効かす」縄張り意識が強いことから「たとえ親でも睨む」眼状紋を子・本物の目を親に見立て「子が親を睨んでいる」などがあるそうです。 他にも様々な地方名があり、ミコウオやネコノマイは求愛行動、ミズクリセイベイは卵に水を送るオス、カワメバルはメバルに似た外見に由来しているようです。



『にらみ』というと、市川團十郎家の役者が、襲名などの祝儀ごとの際に「祝賀」として行うアレを思い浮かべる方も多いのでは? 「ご見物の皆様の厄を落としてさしあげましょう」という團十郎家に備わった「神性」を象徴するものだそうで……寄り目とかも練習すると出来ると言いますが、ムリだろうなぁ。落語の『にらみ返し』は顔芸(?)なので、頑張ったら「にらみつける攻撃」を取得できるかも……あ、借金取りには追われていません( ̄▽ ̄;)

http://homepage2.nifty.com/8tagarasu/niramigaesi.html



厄落とし的なニラミとしては、屋根に鬼瓦や鍾馗さんをつけるというのがありますね。お寺では鬼や邪鬼、餓鬼などという悪いものが、律儀に山門から入ってくるようです。中に入って上を見上げると、屋根に鬼瓦が!! あまりの恐ろしさに一目散に入ってきた山門から飛び出しますが、飛び出した勢いのままに正面にある家の扉を破って邪鬼がその家に入り込んでしまってはいけない……ということで、鬼より怖い顔の鍾馗さんを飾るのだそうです。またこんな話も。


昔、京都三条の薬屋が新しく店を作った際に立派な大きな鬼瓦を葺いたところ、向かいの住人が原因不明の病に倒れてしまいました。 薬屋の大きな鬼瓦に跳ね返った悪いものが向かいの家に入ったのではないかと、鬼よりも強い鐘馗さんを作らせて魔除けに据えたところ、病が完治。それ以降、立派な鬼瓦の対面には鐘馗さんを据えるようになったそうです。 ただ、ご近所さん同士で「にらみあい」にならないように、正面を向いていない鐘馗さんも多いとか。また『微笑み返し』として「お福さん」を対面に据える場合もあるそうです~なんかこの思いやりの心がたまらない!! いいなぁ~とても良いご近所付き合いが出来そう(´∇`)


http://www.town.agui.lg.jp/category/kouhou/kouhou-H22/100801/burari_001.htm


皆さま、どうぞよい1週間を(*^^*)





rohengram799 at 15:04コメント(8)アート・博物館・美術館  

コメント一覧

1. Posted by ミューちゃん   2014年08月04日 16:48
5 オスカーさん、こんにちは
歌舞伎役者の方達って演技に艶があるんですよね。僕は梅沢富美男さんが好きなんですけど、梅沢さんってテレビに出てる時は普通の説教くさいオジサンって云う感じがするけど(笑)、女形をやったら、そこら辺のお姉さんより綺麗ですよねまぁ、同じ芸能界で生きてる人でも歌舞伎役者さんと落語家さんは、また違いますからね。こう云う芸事を女の人がやって売れっ子の役者さんや噺家さんになるのは極めて難しいんだろうなと思いますよ
2. Posted by あっきー   2014年08月04日 22:42
オスカーさんのブログに、またお邪魔することができてうれしいです!
ほんとにご無沙汰してしまいました。
オスカーさんのブログは相変わらず知性にあふれていますねー
勉強になるわ~♪
鬼瓦と鍾馗さんのお話も興味深いですね。
私の母の実家は田舎なのですが、こういう類のおもしろい昔話がたくさんあるので、今度、母に取材して書き留めておこうと思っているんですよ。
例えば、百日ぜきに罹ると、その患者の家では「百日経ちました」と書いた紙を玄関に貼っていたそうです。医療が未熟だった時代、早く治りますようにというおまじないみたいなものが、いろいろあったようです。
3. Posted by 猫ムスメ   2014年08月05日 07:19
オヤニラミですか。面白いですねぇ。ウマヅラと並び「顔が見てみたくなる魚ベスト3」に入りますね(笑)

ところで昔、「やぶにらみ」って言葉ありませんでした? 私、子供の頃、目が悪いのに本を読んでばかりいたせいか「目つきが悪い」とよく親に言われました その時「やぶにらみ」という言葉も…

最近聞かないですよね。差別用語にでもなっているのでしょうか? 私は幸い“やぶにらみな大人”にはならず、改善されて成長しましたが(コンタクトのお陰か?)、たま~にすれ違いざま“あ、この人すごいやぶにらみだ”と思うことがあります(^_^;)
「やぶ(藪?)」の語源も謎だし、パッと聞いただけでは意味が分からない言葉ですが、顔を見ると“あ、やぶにらみ”としか思えない表現だからおかしいですね(^_^;)
4. Posted by なう60   2014年08月05日 08:36
おはようございます。
「オヤニラミ」サイトで見てきました。本当に色々な名前、意味があり、びっくりです。視野が広がった朝です。
5. Posted by オスカー   2014年08月07日 18:09
§ミューちゃん様
噺家さんはひとり芝居の役者さんだと思います。豪華なセットも効果音もなく、手ぬぐいと扇子だけで観客を魅了する、素晴らしいですね!!
6. Posted by オスカー   2014年08月07日 18:11
§あっきー様
いろんな言い伝えが地域・地方により微妙に変化するのもまた楽しいですね。直接話を聞ける機会があるのはうらやましいです!
7. Posted by オスカー   2014年08月07日 18:17
§猫ムスメ様
ヤブニラミ、テリー伊藤は手術してましたね。ロン○リとか差別用語になるのかな? 最初に考えた人ってスゴいな、と素直に思ったのですが(-_-;)
8. Posted by オスカー   2014年08月07日 18:19
§なう60様
オスが子育てする魚って多いですよね。目が4つあるというより顔がもうひとつあるみたいに見えてちょっとコワイです~!

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