今日は曇り空、仕事帰りは確実に雨でしょう…皆さま、台風の影響の大小はあると思いますが、お気をつけて!!


昨日は太田忠司さんの『奇談蒐集家』を読み終わりました。新聞に載った奇妙な募集広告「求む奇談、高額報酬進呈(ただし審査あり)」。これを目にした老若男女が酒場「strawberry hill」に訪れます。そこの奥の部屋には奇談蒐集家を名乗る恵美酒一(えびす・はじめ)とクールビューティーな助手の氷坂(ひさか・性別不明)が待っています。シャンソン歌手がパリで出会った、ひとの運命を予見できる本物の魔術師、少女の死体と入れ替わりに姿を消した魔人、数々の奇談に喜ぶ恵美酒ですが、氷坂によって見事なまでに解き明かされ……謎はただの思い込み、勘違いだとわかるという(;´д`)連作短編集です。探偵に憧れるカンのいい小学生だったらアッサリ謎解きしてしまうかも……私はアレ( -_・)?なんかおかしくないか……くらいまでの情けないレベル。文字で読んでいるのでこのおかしさを感じるけれど、直接相手から話を聞くだけだったらワクワク感が買って、違和感に気づかないかも……探偵には全く向かない人間ですわ。最後の「すべては奇談のために」はさすが小説家だと思いました。


登場人物の恵美酒さん、ベートーベンヘアにヒトラーのようなヒゲに変装セットのような鼻と眼鏡で、漫画家の蛭子さんがモデル?と思ってしまいます。酒と葉巻と謎めいた話が大好きな子どもっぽいところがあり、オモシロイ話だと満足しているのに氷坂さんにガツン!と否定される……なんだか『鬼灯の冷徹』の閻魔大王と鬼灯さまの関係みたい(´∇`)!


さて『奇談蒐集家』というタイトルですが、私は「蒐」がはっきり言って読めなくて、ずっと「きだんちくしゅうか」と読んでいました。長い人生の楽しみにするため、摩訶不思議な話を備蓄する変わり者、みたいな意味を勝手につけていたのですが、最後の方で子どもが話をしにきた時に「きだんしゅうしゅうか」と説明していて……全然違うやん(/-\*)


草かんむりに鬼とかいて「蒐」は音読みで「シュウ」、訓読みで「あつめる」。「蒐集」は「収集」と同じ意味です。本来は「蒐集」という漢字でしたが、戦後に難しい漢字を簡単にする動きがありました。「蒐」はその時に制定された当用漢字・常用漢字に含まれなかったので、仕方なく「収」という漢字に置き換えたのだそうです。「蒐」は正しいのですが、今は「収」は一般的。

使う人は「趣味に関する蒐集」という意味でコレクションを強調するような使い方をされている人が多いとか。また「蒐」は「アカネ」といいう草で、赤い血のような液が採れることから(鬼という字が使われたのはコレからか?)染料として使われ集められました。このことから「貴重なものを集める」という意味になったそうです。ついでに「談(ダン)」と「譚(タン)」の意味に違いはないそうです(;^_^A