2015年10月23日

暁雲便りNo.11:凍える墓

ハンナ・ケント著、加藤洋子訳『凍える墓』という小説を読んでいます。外国作品は久しぶりです。


物語の舞台は1829年のアイスランド。殺人罪(他ふたりとの共犯)で死刑宣告を受けたアグネスは、刑執行までの間を行政官ヨウンの農場で過ごすこととなります。その暮らしの中で徐々に彼女が自分の人生を語り始める……って感じでしょうか? 実在したアイスランド最後の女性死刑囚を描いたもので、映画化が予定されているとか? 事件の真相は?とかいうより女の一生が語られるという印象で読みすすめています。ただ、清潔とは言えない暮らしぶりや家畜解体場面などもあるので、苦手な方は要注意です。
アイスランドなんてただ寒い場所のイメージしかなかったので、今の生活やは当時の暮らしぶりなど調べてみたいなぁと思いました。



タイトルに「墓」とついていたからでしょうか、チラシにあった「墓終い(はかじまい)」という文字に目がいきました。「墓終い」はお墓を解体・撤去する事で「廃墓」などとも呼ばれることもあるそうです。お墓を移転させる、継承者がいなくなってしまったなどの理由から行われることが多く、撤去時には永代使用権と呼ばれる、お墓がある限り永代的に使用できる権利をお寺・霊園に返還して更地に戻すのが一般的。


お墓を撤去する際は「魂抜き」と呼ばれるお墓から魂を抜き、お墓でないもの(石)にする法要を執り行うそうです。逆に新たなお墓にご遺骨を納める場合は「魂入れ(そこをお墓とする法要)」が営まれます。また遺骨を別のお墓(住まいの近くなど)に移す場合は、改葬手続きが必要となり、お墓のある寺院・霊園、行政機関への申請をしなくてはいけません。そうなった場合は専門家にお願いした方が間違いがないでしょうね。


「墓友(はかとも)」なんて言葉もあるようですが、これはどういう意味なのか……一緒に著名人のお墓参りをするマイラーのことではないですよね?また「同じお墓に入りましょうね!」ってことじゃないですよね? お墓をお隣同士にしません?とかデザインを同じものにしましょうよ!というような意味ですよね? 違うのかな? どちらにしてもあんまり気乗りがしないというか、お墓選びもなかよしこよしの時代なんでしょうか?



前の記事のお返事、遅れてすみません。もうしばらくお待ち下さいませ。


追記:24日朝、前の記事にお返事書かせていただきました。
アイスランドの最終死刑執行は1830年、1928年に平時は廃止、議会の満場一致で1995年に全面廃止になったようです。


rohengram799 at 21:12コメント(20)トラックバック(0) | お墓・葬儀・終活・メメントモリ | 空のお城図書館 

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コメント一欄

1. Posted by トリテン   2015年10月23日 21:52
アイスランドの最後の女性死刑囚とは、アイスランドはその後死刑廃止になったということなんですか?
それとも、女性だけ?
200年も経てば、有名人ならともかく、墓も存在が難しいですよね。
墓について、私もいろいろと考え悩むことがあります。
先祖代々の墓があるわけじゃないので (~_~;)

いずれは負の遺産になるくらいなら、建てないほうがいいのかな?なんて。

2. Posted by オスカー   2015年10月24日 08:36
§トリテン様
追記しましたが、アイスランドの最終死刑執行は1830年、1928年に平時は廃止、議会の満場一致で1995年に全面廃止になったようです←夜中にタブレット検索しました!
気にしているからか、霊園などのチラシがやたら目につきます(((^^;)
3. Posted by なう60   2015年10月24日 09:01
おはようございます。
知人が故郷から現在の住まいの近くのお寺にお墓を移転、一体ごとに多額のお金がかかったそうです。
我々の時代は、次男だけでなく4男、5男も珍しくない時代でした。次男以下の方は、生前にお墓を作る人作らない人様々ですが私の近辺では、作っている人が大半です。一人だけ「お墓は、残った人が考えること・」と作っていません。トリテンさんのコメントにある「いずれは負の遺産になるくらいなら、建てないほうがいいのかな」難しいですね。皆さんを直撃するお墓問題が社会問題化の今日です。
4. Posted by オスカー   2015年10月24日 10:53
§なう60様
葬儀関係は曖昧な部分が多く、お墓についても費用が妥当かどうか判断がつかないし……。「お墓を買ったら安心してもういいやって気分になりそう」とダンナが言っていました。やる気継続のためにはまだまだお墓を用意するのは先にした方がいいのかなと…。
5. Posted by まろゆーろ   2015年10月24日 13:40
墓終いの記事、読みました。
後継ぎがいなかったり子どもたちが遠方にいて帰ってこれなかったりと
さまざまな事情が生んだやるせない事実ですね。
遺骨をゆうパックで届けるというニュースにも大いに驚きました。
死の尊厳が希薄になっていく日本の現状に末恐ろしさを感じてしまいます。
時代に即応した、それもまた致し方のないことでしょうか。
他人事ではなかった!! 
我が家も墓を建てたのは良いけれど、さて次代の人たちどうしてくれることやら。

さらに我が家の墓のある墓地には実家のご近所さんたちの墓だらけ。
死んでもあの世で隣保班とは。
墓友など煩わしくてゆっくり成仏もできなかったりして。
秋空の高みを見ては、何ものにもとらわれず羽を伸ばしてあの空で過ごしたいと願いは膨らむばかりです(笑)
6. Posted by オスカー   2015年10月24日 15:22
§まろゆーろ様
ペット合同墓というのもあるそうです(だいたい150万円~で墓石、永代使用料含む)。 ペットと一緒に入れるお墓ですが、ペットの遺骨は法律上一般廃棄物の扱いになるため、実施されているのは一部の民間霊園のみとか。家族だからという気持ちはわかりますが、いろいろ親族間でもめそうな気がします。
7. Posted by ミューちゃん   2015年10月24日 16:37
5 オスカーさん、こんにちは
最近は何でも「○○友」て言い過ぎのような気が…そもそも立派な墓を立てたとしても、本人は見れない訳ですから、あまり終活って云うものには気が乗らないですね
8. Posted by オスカー   2015年10月24日 17:24
§ミューちゃん様
○○友に○○女子とか○○男子、もう聞きあきましたね。お墓に石塔を建てることが庶民にも大きく広がったのは特に江戸時代中期以降だそうです。埋葬の仕方も時代により変化していますが、今また大きな変換期なのかもしれないですね。
9. Posted by のざわ   2015年10月24日 21:30
オスカーさん、こんばんは。コメント欄がとても活発ですね!アイスランドと聞いて、私が好きなデンマークと近いので親近感を
覚えました。羊をたくさん飼っている、火山・温泉がある、アイスランド語は格変化がたくさんあって、とても難しい原語らしいです。
日本で言うと古典にあたるような作品を現代人も読めるくらい、言語の変化が少ないとか。
私はアンデルセンに興味があって、デンマーク語に行きついたのですが、オスカーさんはなんとアイスランドの小説に挑戦して
おられることに新鮮な驚きです。
10. Posted by オスカー   2015年10月24日 21:48
§のざわ様
アイスランドとデンマークが関係が深いことを全く知らずにいたので、本を読んだあと調べてビックリ~そしてのざわ様を思い浮かべました!アイスランド語の発音が難しいという文章に、以前デンマーク語は難しいと教えて下さったことなど思い出しました。意外なつながりがとても嬉しかったです。アイスランドは国歌が讃美歌なのも驚きでした。
11. Posted by ナンチャッテ   2015年10月25日 00:16
こんばんは

これ、『Burial Rites』の和訳本なのかな?
オスカーさんの書かれている抜粋拝見すると、おそらくそうですね

映画化が決まっていて、ハンガーゲームスタッフが製作噂されているんですが
もう数年経ちますが、話が聞こえてこなかったのです

それもあって、興味もちました
進展あったのかな? ともあれ、日本で上映されるなら『凍える墓』ですね
メモっておこう
c⌒っ・ё・)φ
12. Posted by 猫ムスメ   2015年10月25日 04:56
アイスランドとアイルランドの区別が未だにつかない人間です(/--)/

「墓友」と言えば、去年くらいだったか? 世にも奇妙な物語で「墓友」というタイトルの一篇がありました。たまたま知り合った墓友(女同士)に付きまとわれるというような話だったと思います。怖かったですね~💦

あと川島なお美さんが亡くなった時「墓友だったのに…」と号泣する安藤和津が何度も出て、非常な違和感を覚えました。そういう事って大々的に言う事なんですかね~
13. Posted by オスカー   2015年10月25日 07:46
§ナンチャッテ様
そうです~原題は『Burial Rites』です! そんなに前から話があったのですか、文庫の初版が今年1月だったので最近かと思っていました。映画の製作費とかバカにならないのでなかなか進行しないのかも…。
14. Posted by オスカー   2015年10月25日 07:55
§猫ムスメ様
私は最初グリーンランドと一緒になっていて、ただ寒い場所のイメージしかなかったです。恥ずかしい……!
安藤和津さんはキライ…ダンナさんもキライ…申し訳ないけど川島さんも苦手なタイプでした(~_~;) 墓友とかあまり聞きたくない言葉だなぁと思いました。
15. Posted by さーまま   2015年10月25日 19:58
こんばんは。
気になる本ですね。普段、外国の本を読まないので挑戦してみようかしら。
数年前、義実家がお墓を九州より今住んでいる場所の近くに移しました。
お金もかかりましたが、やっぱりすぐにお参りできて自分でお世話できるほうがいいですからね。
もちろん、私たちも安心ですし、近くにいるので楽ですし。
墓友とははじめてききました。 どういう「友」なんでしょうね・・・・。
16. Posted by 見張り員   2015年10月25日 21:01
こんばんは
その後お加減如何ですか、くれぐれもお大事になさってください。

墓、切実な問題ですが私の実家の場合、以前に墓を購入せんとしてとある墓地に申し込もうとしたら「直系の男子がいないと売れない」と言われたとか。怒った親は購入をやめました。そして昨年父が亡くなったので「納骨堂」を購入しました。

墓友ですか…なんでも「友」化する最近の風潮にちょっと疑問を感じます。
17. Posted by オスカー   2015年10月26日 13:13
§さーまま様
外国作品って翻訳が自分の好みでないとなかなか進まなくて何冊か放置してあります(笑)
お墓のお引っ越し、やっぱり大変なのですね。でも近くなのは安心だし…いろいろ考えてしまいます。
18. Posted by オスカー   2015年10月26日 13:18
§見張り員さま
実家のお墓、小さい頃は石が目印で牛乳瓶が花入れでした。それから少しずつ手を加えて、祖父の七回忌によく見る「お墓」の形になりました。お墓の購入で嫌な思いはしたくないですね。
昨晩はじんましん(?)みたいなのが出来てしまいました……見張り員さまもご自愛下さい。
19. Posted by きょろん   2015年10月26日 16:25
こんにちは。
体調いかがですか?

お墓、悩みますねぇ。
先祖代々のお墓があるのですが、同居の義母は籍を抜いていて(義父と離婚)、入れないんですよ。
なので、義母用のお墓を別に考えなければいけません。
でも、夫の方のお墓も、あたしの実家のお墓も、いずれはまもる人がいなくなるのは確実ですし、
頃合を見て関係するお墓すべて永代供養をお願いするつもりでいます。

ところで、お墓の話題の後ですけれども・・・。
ロイさま、お誕生日おめでとうございます!
20. Posted by オスカー   2015年10月26日 17:21
§きょろん様
ロイエンタールの誕生日を覚えていて下さり、ありがとうございます! せっかく休みをとったのにわけのわからない痒みとの格闘になってしまいました。今は落ち着いています。お墓ですが、以前ダンナに「ロイのお墓はどこにあるのかな~」と言ったら「ミッちゃん家のそばに決まってるじゃん!」と即答でした(^。^;)

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