2015年10月30日
暁雲便りNo.13:千年鬼
時を越えて君を愛せるか ほんとうに君を守れるか ……
西條奈加さんの『千年鬼(せんねんき)』を読み終わりました。ラストシーンで小田和正さんの某生保会社のコマーシャルで流れていた「たしかなこと」のこのフレーズがうかんできましたわ……!!
みどり色の髪をした赤い子どもの鬼が小さい女の子を背負って走る表紙だったので、昔話的なかるーい鬼とのファンタジーかと思っていたら違った……7つの連作短編集でそれぞれの作品の前に内容を暗示するかのような詩(?)が書かれています。
《鬼の芽は、鬼でなく人に宿る
怨み辛みを糧として
ときにゆっくりと ときにひと息に 身内にそだつ
やがてその実がはじければ 額に二本の角をもつ 人鬼(ひとおに)となる
げに恐ろしきは 鬼ではなく この人鬼なり》
さまざまな時代の人物の元に、自分たちは過去世(かこぜ)を見せる過去見の鬼だと言う3人の子ども(実はひとりの鬼)が現れます。「三粒の豆」「鬼姫さま」「忘れの呪文」「隻腕の鬼」そして「小鬼と民」で、小さな不満を糧にして憎しみを育てるという鬼の芽を集めはじめたきっかけや、同行している黒鬼の役割がわかるのです。そして「千年の罪」「最後の鬼の芽」と物語りは続きます。
『地獄とは、希望(のぞみ)の絶えた世界です。希望のないまま無為に時を過ごす。それこそが地獄というものなのです。』
小鬼と少女の「希望」はなんだったのか……ぜひぜひ読んでみて下さいませ。小林糸さんの人物イラストも味があり、ステキです。私は徳間文庫のを買いました。舞台を日本ではなくヨーロッパとかしてアニメで見てみたい……なんて思いました。
鬼の話というと木原敏江さんの「鬼の泉」とか「大江山花伝」とかのマンガとか思い出しますが、「泣いた赤鬼」の続編というのを読んだことがあります。もちろん、創作で作者も違いますし、本屋さんにもありません~! 青鬼のおかげで村人と楽しく交流していた赤鬼、そこに黒鬼がやってきて、青鬼の乱暴ぶりは赤鬼のためのウソだったと村人にバラしてしまい、赤鬼は責められ、またひとりぼっちになってしまうという、なんとも後味の悪いものでした。
赤鬼と仲良くなった村人は事実を知った時に、みんな赤鬼を卑怯だ!と責めるか、そうまでして仲良くなりたかったと思うか……気持ちはわかるけどもう今まで通りにはお付き合いできないになるのか……バラした時期が何十年も経っていたら「ナニ言ってンの?」かもしれませんが、数年しか経っていなかったら、う~ん……青鬼さんの気持ちを踏みにじるかのような展開になんともモヤモヤした気分になりました。こんな続編はいらんわ~青鬼さんが戻ってきて、みんな仲良く暮らしました、という話はどこかにないものかしら?
♪いちばん大切なことは 特別なことではなく
ありふれた日々の中で 君を
今の気持ちのままで 見つめていること
10月最後の金曜日、どうぞおだやかな1日になりますように。
西條奈加さんの『千年鬼(せんねんき)』を読み終わりました。ラストシーンで小田和正さんの某生保会社のコマーシャルで流れていた「たしかなこと」のこのフレーズがうかんできましたわ……!!
みどり色の髪をした赤い子どもの鬼が小さい女の子を背負って走る表紙だったので、昔話的なかるーい鬼とのファンタジーかと思っていたら違った……7つの連作短編集でそれぞれの作品の前に内容を暗示するかのような詩(?)が書かれています。
《鬼の芽は、鬼でなく人に宿る
怨み辛みを糧として
ときにゆっくりと ときにひと息に 身内にそだつ
やがてその実がはじければ 額に二本の角をもつ 人鬼(ひとおに)となる
げに恐ろしきは 鬼ではなく この人鬼なり》
さまざまな時代の人物の元に、自分たちは過去世(かこぜ)を見せる過去見の鬼だと言う3人の子ども(実はひとりの鬼)が現れます。「三粒の豆」「鬼姫さま」「忘れの呪文」「隻腕の鬼」そして「小鬼と民」で、小さな不満を糧にして憎しみを育てるという鬼の芽を集めはじめたきっかけや、同行している黒鬼の役割がわかるのです。そして「千年の罪」「最後の鬼の芽」と物語りは続きます。
『地獄とは、希望(のぞみ)の絶えた世界です。希望のないまま無為に時を過ごす。それこそが地獄というものなのです。』
小鬼と少女の「希望」はなんだったのか……ぜひぜひ読んでみて下さいませ。小林糸さんの人物イラストも味があり、ステキです。私は徳間文庫のを買いました。舞台を日本ではなくヨーロッパとかしてアニメで見てみたい……なんて思いました。
鬼の話というと木原敏江さんの「鬼の泉」とか「大江山花伝」とかのマンガとか思い出しますが、「泣いた赤鬼」の続編というのを読んだことがあります。もちろん、創作で作者も違いますし、本屋さんにもありません~! 青鬼のおかげで村人と楽しく交流していた赤鬼、そこに黒鬼がやってきて、青鬼の乱暴ぶりは赤鬼のためのウソだったと村人にバラしてしまい、赤鬼は責められ、またひとりぼっちになってしまうという、なんとも後味の悪いものでした。
赤鬼と仲良くなった村人は事実を知った時に、みんな赤鬼を卑怯だ!と責めるか、そうまでして仲良くなりたかったと思うか……気持ちはわかるけどもう今まで通りにはお付き合いできないになるのか……バラした時期が何十年も経っていたら「ナニ言ってンの?」かもしれませんが、数年しか経っていなかったら、う~ん……青鬼さんの気持ちを踏みにじるかのような展開になんともモヤモヤした気分になりました。こんな続編はいらんわ~青鬼さんが戻ってきて、みんな仲良く暮らしました、という話はどこかにないものかしら?
♪いちばん大切なことは 特別なことではなく
ありふれた日々の中で 君を
今の気持ちのままで 見つめていること
10月最後の金曜日、どうぞおだやかな1日になりますように。
この記事へのコメント
1. Posted by ミューちゃん 2015年10月30日 16:42
オスカーさん、こんにちは
僕自身、穏やかな感じではないですね…。急に気を失ったりするし…大変ですわぁ…
僕自身、穏やかな感じではないですね…。急に気を失ったりするし…大変ですわぁ…
2. Posted by オスカー 2015年10月30日 20:31
§ミューちゃん様
お大事にして下さい。来月には気分晴れ晴れになりますように。
お大事にして下さい。来月には気分晴れ晴れになりますように。
3. Posted by のざわ 2015年10月30日 20:36
泣いた赤鬼の続編があるんですね。泣いた赤鬼は廣介童話でしたよね。
でもストーリーをちゃんとは覚えていないのですが。
>♪いちばん大切なことは 特別なことではなく
>ありふれた日々の中で 君を
>今の気持ちのままで 見つめていること
ここのフレーズいいですね!
でもストーリーをちゃんとは覚えていないのですが。
>♪いちばん大切なことは 特別なことではなく
>ありふれた日々の中で 君を
>今の気持ちのままで 見つめていること
ここのフレーズいいですね!
4. Posted by オスカー 2015年10月31日 08:13
§のざわ様
ネットで内容を読むことは出来ますが、やはり絵本で読むのが一番いいです~それもシンプルな昔ながらの絵がいいです! 「たしかなこと」…歌詞がしみこみます!
ネットで内容を読むことは出来ますが、やはり絵本で読むのが一番いいです~それもシンプルな昔ながらの絵がいいです! 「たしかなこと」…歌詞がしみこみます!
5. Posted by なう60 2015年10月31日 08:23
おはようございます。
『地獄とは、希望(のぞみ)の絶えた世界です。希望のないまま無為に時を過ごす。それこそが地獄というもなのです。』その昔、「何の仕事も与えられない窓際族」そして「懲役刑」でなくて何の仕事もしなくてよい「禁固刑」
何れも地獄に似た様相と思います。
『地獄とは、希望(のぞみ)の絶えた世界です。希望のないまま無為に時を過ごす。それこそが地獄というもなのです。』その昔、「何の仕事も与えられない窓際族」そして「懲役刑」でなくて何の仕事もしなくてよい「禁固刑」
何れも地獄に似た様相と思います。
6. Posted by オスカー 2015年10月31日 10:04
§なう60様
考え方ひとつで気持ちも変わりますね。今読んでいる本に「お前の機嫌はお前が決めろ」と言うのがあって、フム、それもあるな、と思いました。
考え方ひとつで気持ちも変わりますね。今読んでいる本に「お前の機嫌はお前が決めろ」と言うのがあって、フム、それもあるな、と思いました。
7. Posted by 猫ムスメ 2015年10月31日 12:11
「千年鬼」、私も今月読みました。なかなか不思議なお話でしたね。私は「鬼姫さま」のストーリーが一番好きでした
私が「泣いた赤鬼」で思い出すのは鉄道落語でお馴染み・古今亭駒次さんの「泣いた赤い電車」(笑)
京浜急行が主役の本当に泣けるお噺です。しかも駒次さん御自ら描かれた絵を併せた、紙芝居落語!!
名作なので機会があったら是非
私が「泣いた赤鬼」で思い出すのは鉄道落語でお馴染み・古今亭駒次さんの「泣いた赤い電車」(笑)
京浜急行が主役の本当に泣けるお噺です。しかも駒次さん御自ら描かれた絵を併せた、紙芝居落語!!
名作なので機会があったら是非
8. Posted by オスカー 2015年10月31日 13:37
§猫ムスメ様
「鬼姫さま」は私も好きです! ラストを救いと思うか狂気と感じるか人それぞれでしょうが、日本人らしいなぁと思いました。
「赤い電車」で小学1の時かな、国語の教科書に載っていた「赤いスポーツカー」を思い出しました。乗り物の赤は印象深い(笑)
「鬼姫さま」は私も好きです! ラストを救いと思うか狂気と感じるか人それぞれでしょうが、日本人らしいなぁと思いました。
「赤い電車」で小学1の時かな、国語の教科書に載っていた「赤いスポーツカー」を思い出しました。乗り物の赤は印象深い(笑)