2015年12月09日
色雲便りNo.6:墓碑銘
昨日は有川浩さんの『ストーリー・セラー』を読みました。プレゼントのようにリボンをかけた装丁が気にいって買ったのですが、もう本が好きな人、読むのが好きな人、書くのが好きな人にはわかる!わかる!の連発(笑)ではないでしょうか~テンポもよくて、多分他の作家さんだったら「もう少し肉付けが欲しいよなぁ」と思ってしまうかもしれないのですが、そんな余分な脂肪はいらん!ってくらい、まとまっていて読ませる! 「若干ホラーのつもりだったんですが、純愛ものと言われることが多いんです」と有川さん自身が雑誌の対談で話されていましたが、確かに見開きいっぱい、びっしりの文字にはウワッ((((;゜Д゜)))となりました。しかし、それもまた愛ゆえと納得してしまう(笑)
固有名詞がなく「彼」「彼女」で語られるSide:AとSide:Bのお話。どちらも二人の夫婦に関する話で、 奥さんは人気の女流作家、もう1人はその旦那という設定になっています。 どちらの作品でも、作家の一番のファンであり理解者はその旦那さん。 Side:Aなんですが、女流作家が奇病にかかり亡くなるという話で、Side:Bは女流作家の旦那が亡くなる話。 またBの方では先に書かれたAは、実はこの女流作家が 書いた話だったということになっていて……ラストにはう~ん、となりました。
実際、有川さんが作家になるきっかけは、「ストーリーセラー」の中の場合と同じで、彼女の夫が有川さんの書いたものを読んで「彼女は絶対に作家になれる」と思ったことがきっかけだったとか……あまり作家の私生活に興味がないので「有川さんは既婚者なのか」とマヌケに思った私でした(^o^;)
《書いた愛した生きた》というスタンダールの墓碑銘に刻まれた言葉がうかんでくるような一冊だわぁ……という余韻があったので、ちょっとスタンダールを検索したら(本のタイトルは知っているけれど読んだことはない)戸籍上の名前は、マリ・アンリ・ベール(Marie Henri Beyle)というそうです。墓碑銘はナゼかイタリア風にアッリゴ・ベイレ……どうも彼はイタリアかぶれだったよう。「イタリア人は音楽が好きだから劇場に行く。フランス人は自分の趣味の良さ・鑑識眼の高さをひけらかしに劇場に行く」「フランスでは、愛よりも虚栄心・機知のほうが大切だ」とか、そんな意味の言葉が残されているそうな(;^_^A
そして「墓碑銘」で思い出すのはリルケ。友人のために庭の薔薇を摘んでいるときに棘に刺され、それが原因の敗血病で亡くなりました。生前に書いた三行詩を自らの墓碑銘に刻むよう言い遺しましたが、これを日本語に訳したのはなんかへんな感じなので、こちらはパスして(^^;)(;^^) 私の脳内で「黄色の薔薇は弔いの花」が出来たきっかけになった詩をご紹介して、本日はこれにてオサラバ(古い!)いたします。皆さま、どうぞ良い1日を!
この黄色い薔薇の花は
昨日あの男の子が私にくれた花
今日私は貰ったばかりのその花を
出来たばかりのその子の墓に供えに行く
葉にはまだ小さな雫がいくつも光って
ごらん 雫も今日は涙
昨日は露であったのに
固有名詞がなく「彼」「彼女」で語られるSide:AとSide:Bのお話。どちらも二人の夫婦に関する話で、 奥さんは人気の女流作家、もう1人はその旦那という設定になっています。 どちらの作品でも、作家の一番のファンであり理解者はその旦那さん。 Side:Aなんですが、女流作家が奇病にかかり亡くなるという話で、Side:Bは女流作家の旦那が亡くなる話。 またBの方では先に書かれたAは、実はこの女流作家が 書いた話だったということになっていて……ラストにはう~ん、となりました。
実際、有川さんが作家になるきっかけは、「ストーリーセラー」の中の場合と同じで、彼女の夫が有川さんの書いたものを読んで「彼女は絶対に作家になれる」と思ったことがきっかけだったとか……あまり作家の私生活に興味がないので「有川さんは既婚者なのか」とマヌケに思った私でした(^o^;)
《書いた愛した生きた》というスタンダールの墓碑銘に刻まれた言葉がうかんでくるような一冊だわぁ……という余韻があったので、ちょっとスタンダールを検索したら(本のタイトルは知っているけれど読んだことはない)戸籍上の名前は、マリ・アンリ・ベール(Marie Henri Beyle)というそうです。墓碑銘はナゼかイタリア風にアッリゴ・ベイレ……どうも彼はイタリアかぶれだったよう。「イタリア人は音楽が好きだから劇場に行く。フランス人は自分の趣味の良さ・鑑識眼の高さをひけらかしに劇場に行く」「フランスでは、愛よりも虚栄心・機知のほうが大切だ」とか、そんな意味の言葉が残されているそうな(;^_^A
そして「墓碑銘」で思い出すのはリルケ。友人のために庭の薔薇を摘んでいるときに棘に刺され、それが原因の敗血病で亡くなりました。生前に書いた三行詩を自らの墓碑銘に刻むよう言い遺しましたが、これを日本語に訳したのはなんかへんな感じなので、こちらはパスして(^^;)(;^^) 私の脳内で「黄色の薔薇は弔いの花」が出来たきっかけになった詩をご紹介して、本日はこれにてオサラバ(古い!)いたします。皆さま、どうぞ良い1日を!
この黄色い薔薇の花は
昨日あの男の子が私にくれた花
今日私は貰ったばかりのその花を
出来たばかりのその子の墓に供えに行く
葉にはまだ小さな雫がいくつも光って
ごらん 雫も今日は涙
昨日は露であったのに
コメント一覧
1. Posted by 猫ムスメ 2015年12月09日 14:03
有川浩さん、流石の筆力なんですね~。私もちょうど「レインツリーの国」を読み終えたばかりなのでまたタイミングが一致しました😉
「ストーリー・セラー」も図書館で探してみたいと思います!
有川浩さんて奥さんなんですねぇ。私は最初「ひろ」なのか「ひろし」なのか分からず、男か女かも知りませんでした(^^;
北村薫さんもそうだったし、恩田陸さんもそうだったし、作家って中性的な名前の方が多いですよね💡
「ストーリー・セラー」も図書館で探してみたいと思います!
有川浩さんて奥さんなんですねぇ。私は最初「ひろ」なのか「ひろし」なのか分からず、男か女かも知りませんでした(^^;
北村薫さんもそうだったし、恩田陸さんもそうだったし、作家って中性的な名前の方が多いですよね💡
2. Posted by ミューちゃん 2015年12月09日 16:44
オスカーさん、こんにちは
こう云う本って云うのは電子書籍じゃなくて、ちゃんとした単行本で読んで欲しいと僕は思うんですよね。作家さんの側からしたら間違いなく単行本を買った方が嬉しいですし、儲かると思いますから(笑)
こう云う本って云うのは電子書籍じゃなくて、ちゃんとした単行本で読んで欲しいと僕は思うんですよね。作家さんの側からしたら間違いなく単行本を買った方が嬉しいですし、儲かると思いますから(笑)
3. Posted by なう60 2015年12月10日 08:57
おはようございます。
「黄色の薔薇は弔いの花」年末のお墓参りの時に、確りと見てきます。勉強の朝でした。
「黄色の薔薇は弔いの花」年末のお墓参りの時に、確りと見てきます。勉強の朝でした。
4. Posted by オスカー 2015年12月10日 10:48
§猫ムスメ様
『レインツリーの国』映画化されましたね。この本を読んで聴覚しょうがいについて全く無知だったと思いました。 小学生の頃、ひそかにペンネームをいくつも考えていました……イタイ子でした(;´д`)
『レインツリーの国』映画化されましたね。この本を読んで聴覚しょうがいについて全く無知だったと思いました。 小学生の頃、ひそかにペンネームをいくつも考えていました……イタイ子でした(;´д`)
5. Posted by オスカー 2015年12月10日 10:50
§ミューちゃん様
ページをめくるという作業がまた読書の楽しみだと思うのですが……絵本とかもそうですよね。あの見開き文字のインパクトはやはり紙ならではのおおっ!だったと思います。
ページをめくるという作業がまた読書の楽しみだと思うのですが……絵本とかもそうですよね。あの見開き文字のインパクトはやはり紙ならではのおおっ!だったと思います。
6. Posted by オスカー 2015年12月10日 10:52
§なう60様
お墓参りには種類にこだわらずを故人の好きな花を…と言われるようになってきたので、薔薇が好きな方の墓前には華やかな花園が出来ているかもしれませんね。
お墓参りには種類にこだわらずを故人の好きな花を…と言われるようになってきたので、薔薇が好きな方の墓前には華やかな花園が出来ているかもしれませんね。