2021年05月14日

梅月雲便りNo.7:あいまい

今年は梅雨入りが早そうですね。季節が前倒しになっています。陰暦ではようやく4月になったというのに (;´д`)


子どもが高校時代に使っていた教科書(第一学習社 高等学校 現代文)に長谷川櫂さんの『季語について』という評論が載っているのですが


雨がちに端午ちかづく父子(おやこ)かな

石田波郷のこの句は陰陽どちらの端午だろうか。


とあって、5月になるといつも思い出します。「五月晴れ」はもともと梅雨の晴れ間のことだったそうですが、今は太陽暦5月頃の快晴れをいう言葉になっているし、私の好きな季語のひとつ「五月闇」も本来は田植えの時期、梅雨の長雨の時期の「五月……そう考えると、三十一文字の短歌はとても自由でわかりやすいなぁ、と思いますね(;´∀`) でもいろんなものを削ぎ落として季語が際立つ俳句もやはり捨てがたい……! 日本語のなんと罪深いこと! (笑)



言葉は本来あいまいなものである。
そのあいまいな言葉の意味を明確に定めてゆくのは文脈と状況。言葉が組み込まれる文脈と、言葉が置かれる状況、すなわち「場」だ。
俳句は十七字しかなくて、しかも、その中に切れを含む。文脈を拒絶することによって成立した詩型であるから、俳句の意味をはっきりさせるのは状況=「場」だけである。だから、例えば改暦によって「場」が移ろってしまえば、皐月も端午もみ夏も、俳句の言葉は、たちまち意味が揺らぎ、あいまいになってしまう。(P318〜319)



新しい季語も出てくるでしょうし、意味がわからない〜!という古い季語もあるし……「天皇誕生日」なんて時代で変わりますもんね。私の気持ちの中ではいつまでも「天皇誕生日は4月29日」のままなんですけど。


この教科書にはおなじみ?の『こころ』『舞姫』『山月記』の他に村上春樹の『七番目の男』が載っていたりして、時代を感じるのだけれど(平成18年だった)、今の教科書はまたもっと違うんでしょうねぇ。英語の教科書もそうなのかな? 中学生の頃、人物の名前はナオミとかアンディとかジョンとかだったけど、もっとハイカラな名前なのかしら?



「歳時記」について書かれたこちらをブログも興味深いものでした。

https://blog.goo.ne.jp/kanekuti3515/e/913a25da43a4e2e1b38da27d938383c2


rohengram799 at 16:00コメント(6) |  

コメント一欄

1. Posted by ミューちゃん   2021年05月14日 16:14
オスカーさん、こんにちは
僕が中学生だった頃の英語の教科書には、やたらとナンシーが出て来たのを覚えてます(笑)早見優さんの「夏色のナンシー」ヒットしたからでしょうか(笑)❓たまに英語の授業で外国人の先生が実習で来てましたね
2. Posted by ナンチャッテ   2021年05月14日 23:02
今晩は、夜になっても暑いですね
季語は旧暦から西暦への切り替えで、現代とは違和感あるものも多いのでモヤモヤします
ゴーヤ(ニガウリ)は夏のイメージしか無いのですが、秋の季語と言われると(・ω・)って顔になります
3. Posted by さち   2021年05月15日 09:20
俳句はご紹介のものを読むだけで精一杯ですが、小説やエッセイから素敵な言葉や文脈を見つけると、宝物を拾った気分になります。でも、それを自分の文章にどう生かそうか、と考え込み始めると、肝心の読書が宙ぶらりんになってしまい、なかなか先に読み進めることが出来ません(;・∀・) そんな本が常に数冊転がっています。困ったものです。
4. Posted by オスカー   2021年05月15日 14:49
ミューちゃんと様
ナンシー! 早見優ちゃんか消しゴムに苦味を彫っていたナンシー関さんを連想しますわ🐙 私たちが中高生の頃は外国の方を見かけるだけでも大騒ぎだった気がする……😅
5. Posted by オスカー   2021年05月15日 14:54
ナンチャッテ様
明日から例年が直近10年間のデータベースになると気象予報士のどなたかが言っていたような……平均気温も雨量も数値が上がっているでしょうね。
「髪洗う」とか夏の季語ですけど、今は一年中、朝からでも洗えるので違和感画ある季語のひとつになりますね。昔の風俗、習慣を知るためのものになりそうです。
6. Posted by オスカー   2021年05月15日 14:59
さち様
今『俳魁(はいかい)』という俳人や編集者をメインにした小説を読んでいますが、知らない俳人や句会の様子、作家さんが詠んだのかわからないけどたくさんの句が載っていて、はーほーへー(笑)状態でなかなか先に進みません。言葉ってやっぱり難しいですね💦

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