がんこ長屋

2014年06月27日

慶雲便りNo.23:魂を抱いてくれ

今日は新潮文庫「人情時代小説傑作選」シリーズのひとつ『がんこ長屋』を読みました。作家は池波正太郎・乙川優三郎・五味康祐・宇江佐真理・山本周五郎・柴田錬三郎という豪華メンバー!


蕎麦切りの名人だったおそのは 不貞を疑われ追い出されて(「蕎麦切りおその」)。陶芸に目覚めた中年男の選んだ余生とは(「柴の家」)。女太夫が惚れた乞食侍はやがて花火造りに勤しむが(「火術師」)。想いを寄せる下駄屋の倅は彼女の気持ちに気づいてくれず(「下駄屋おけい」)。葛藤の末、己の作った草鞋が朗報を運んできた(「武家草鞋」)。日本一の刀鍛冶になるべく全てを捨てた男を待っていた悲劇(「名人」)。頑固おやじo(`^´*)ではなく、職人の頑固さがいっぱい!でも胸に沁みる……私は「柴の家」と「火術師」が特に好きかな。~と書きながら、やはり他の作品も好きだぁO(≧∇≦)O


「長屋」と聞いて、「長屋王」を思い出すワタクシ……「ながやおう」だからと言って「なめくじ長屋」やら「たそがれ長屋」「親不孝長屋」とかたくさんの長屋を所有している大家さんのことではありませんぞ!! 飛鳥-奈良時代(684~729 )高市(たけちの)皇子の第1王子、天武天皇の孫であります。藤原氏に邪魔者だと目をつけられてしまったのか、「謀反をくわだてている」と密告され、46歳で自害されました。


私はマンガと宝塚の舞台でこの方を知ったのですが(だからといって詳しいワケではない)唐招提寺を開いた鑑真が渡日を決意したのは、長屋王が仏法を崇敬し1000枚の袈裟を作って唐の僧に寄進したことを聞いたのがきっかけだったと伝えられているそうです。また佐保楼と名付けられた邸宅にサロンみたいな場を設け、多くの文人を招いたりした「文人政治家」だったとか…芸術家提督のあの方を連想してしまう…!!


長屋王邸から出土した木簡から「氷室」《天然氷を夏までたくわえておくために設けたむろ。地中や山かげに穴をあけ、上を茅(かや)などでおおう。昔は宮中用の氷室が山城・大和・丹波・河内(かわち)・近江(おうみ)にあった》を所有し、夏に食していた事が判明したという話などは、やはり身分の高い方なのだわ、と考えると同時に「氷室京介」が浮かんできてしまうのは……なぜ(; ̄Д ̄)?氷室冴子さんの『なんて素敵にジャバネスク』にならないのは、私が彼女の作品を読んだことがないからです(◎-◎;) 長屋王を知った長岡良子さんのマンガは「古代幻想シリーズ」なのに、ワタクシは今夜も「誇大妄想シリーズ」を展開中( ̄▽ ̄;)



長屋王邸宅跡はイトーヨーカドー奈良店の下に埋め戻され(ー_ー;)記念碑があるそうですが、長屋王が安らかに眠れるように氷室クンに熱唱していただきたいです。曲はもちろん……『魂を抱いてくれ』!!



♪魂を抱いてくれ
むき出しの両手で
かっこなどつけてない
真実のこの俺を
魂を抱いてくれ
心を読んでくれ
話せない大切な言葉
瞳を覗いて
静かにこのまま……



ワタクシも今夜は静かにこのまま去らせていただきます~ごきげんようヾ(・◇・)ノ






rohengram799 at 19:39コメント(10) 
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