わけるな
2018年05月03日
若夏雲便りNo.5:賢いさけび
池下和彦さんの『わけるな』という非戦詩を探していた時に『母の詩集』を知りました。内容は下記で、また印象深い、考えさせられた詩をいくつか紹介させていただきます。『つづき』にでてくる「うたこ」は池下さんのお母さんの名前です。
http://www.dowa-ya.co.jp/books/poem/others/hahanoshishu.html
http://www.teinenjidai.com/chiba/h19/01/index.html
『いつ』
1人でトイレに行かれなくなったのはいつ
1人で歩けなくなったのはいつ
1人で食べられなくなったのはいつ
1人で風呂に入れなくなったのはいつ
どれもいつからと答えられない
看病でも介護でもなく
いっしょに暮らしているだけだったから
『川』
川を見て
母は
海
という
ぼくが少しとがめた口調で
海
とききかえすと
母は
海から流れる川といいなおした
あまりに静かなものいいだったので
それを
ふたりのあいだの真実にする
『つづき』
うたこ
だんだん
ばかになる
どうかたすけて
起きぬけ
母はそう言って私にすがりつく
だれが
この病を
老年痴呆と名づけたのだろうか
かつて私は
こんな賢いさけびをきいたことがない
私は
母のまねをしてすがりつく
『わけるな』はこちらで。
https://plaza.rakuten.co.jp/tora11/diary/201607300001/
http://www.dowa-ya.co.jp/books/poem/others/hahanoshishu.html
http://www.teinenjidai.com/chiba/h19/01/index.html
『いつ』
1人でトイレに行かれなくなったのはいつ
1人で歩けなくなったのはいつ
1人で食べられなくなったのはいつ
1人で風呂に入れなくなったのはいつ
どれもいつからと答えられない
看病でも介護でもなく
いっしょに暮らしているだけだったから
『川』
川を見て
母は
海
という
ぼくが少しとがめた口調で
海
とききかえすと
母は
海から流れる川といいなおした
あまりに静かなものいいだったので
それを
ふたりのあいだの真実にする
『つづき』
うたこ
だんだん
ばかになる
どうかたすけて
起きぬけ
母はそう言って私にすがりつく
だれが
この病を
老年痴呆と名づけたのだろうか
かつて私は
こんな賢いさけびをきいたことがない
私は
母のまねをしてすがりつく
『わけるな』はこちらで。
https://plaza.rakuten.co.jp/tora11/diary/201607300001/