アイルランド

2016年04月21日

暮雲便りNo.22:The Wind That Shakes the Barley

本屋さんにレーション(俗にいう“ミリ飯”)の本を探しにいったら、戦争映画をまとめた雑誌を見つけました。あのつまらなかったブラビの『ヒューリー』も載っていたのですが(感想は笑雲便りNo.4:ふん((( ̄へ ̄井)をどうぞ)『麦の穂をゆらす風』という2006年公開のアイルランドを舞台にした映画の記事がありました。

1920年。長い間イギリスの支配を受けてきたアイルランドでは、疲弊した人々の間に独立の気運が高まっていました。そんな中、医師を志していた青年がついにその道を捨て、兄と共に武器を取りアイルランド独立を目指す戦いに身を投じる決心をします。やがてイギリス軍との激しい戦いの末に両国の間で講和条約が締結。しかし、完全な独立からは程遠い内容に条約への評価を巡り、アイルランド人同士の間に賛成派と反対派の対立が生まれ、内戦へと発展してしまうのです。そして兄弟も敵味方に分かれて戦うことに……。

他国からの支配、母国語(ゲール語・ケルトの言葉)も禁じられたアイルランドの人たちは、歌やダンスに自分たちの気持ちを込めて暮らしてきました。「麦の穂を揺らす風」とは、英国によるアイルランド支配の悲劇を綴った弔いの歌……映画ではお葬式で老婆が歌うそうです。反乱軍は行軍の際はつねに麦を補食用としてポケットに入れていたとのこと。命を落としたたくさんの同士は墓標もないまま大地に穴を掘って埋められました。その大地から生まれ育った麦……それらは亡くなった人たちを象徴しているのだという話に『さとうきび畑』を思い出しました。


古き愛は恋人に
新しき愛は祖国アイルランドに
柔らかな風が谷間に吹き渡り
黄金色の麦の穂をゆらした
二人の絆を断ち切る言葉は
辛くて口に出せないが
それよりもなお辛いのは
異国の鎖に縛られる屈辱
それで私は言う 山の谷間へ
夜明けに仲間を求めて行こう
柔らかな風が 谷間に吹き渡り
黄金色の麦の穂をゆらした



以前にもブログに書きましたが、「麦」ときいて私が一番に思い出すのは、漫画『はだしのゲン』のお父さんの言葉です。

「お前も麦のようになれ。踏まれても踏まれても、たくましい芽を出す麦になれ。」


作者の中沢さんは『はだしのゲン』のテーマは麦なのだと言っていました。「麦は寒い冬に芽を出し、霜柱をおしのけてまっすぐ伸びる。麦踏みで何度も踏まれながらも大地にしっかりと根をはって、やがて豊かな穂を実らせる。人間、そういうふうになれよということで、元気のゲン、元素のゲン、人間の元素になれという意味で、『はだしのゲン』という名前をつけたんです。」


《エリウゲナの窓》というブログにアイルランドの音楽などのカテゴリがあります。興味を持った方はぜひご覧下さいませ!

http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/461944/448947


その中からひとつ! 「日本から来ました」をゲール語にすると、
Is as An tSeapa'in me'. イス アス アチャポーィン メー となる……そうです。アチャポーィン……発音も難しそうですが、アチャポーで区切って大笑いしてしまいそう……語学は難しいですね(; ̄ー ̄A






rohengram799 at 08:37コメント(4) 

2016年04月11日

暮雲便りNo.10:踊るMonday大作戦!

昨日と比べて今日は肌寒いですね。ベランダに桜の花びらが~! 風情がありますが、葉桜になりつあり、少しさみしい気がします。そんな時にはお菓子だ(笑) スーパーやコンビニに行けば棚には「新商品」の文字がたくさん! 「薫るブロンドショコラ」とかいう名前にひかれて買ってしまったチョコはフランス産ミルクパウダーが使用されているらしい……よくわからないけど、美味しいならいいや(笑)


薫る…といえば『伊豆の踊子』を見つけて買ってきました。ついでに『悪魔のソナタ』というタイトルの作者がオスカル様だったので、こちらも買ってしまった……!! 著者履歴を見るとオスカル・デ・ミュリエルという、メキシコシティ生まれの人だった。博士号を持ち、バイオリニストでもあるそうな……ふっ、神さまって不公平(# ̄З ̄) 待てよ、オスカル様もバイオリンを弾いていたわ♪で単純に機嫌がよくなるワタクシなのでした。



バイオリニストと言えば……千早茜さんの『あとかた』を読み終わったのですが(この本の詳しい感想はまた後日)物語の中に「フィドル」という楽器が出てきました。


「わたしが弾くのはアイリッシュとか民族音楽だから、バイオリンじゃなくてフィドルと呼ぶの。迫害されたマイノリティの音楽なの」


フィドルって?を読んでいただくと、ああ、そうなんだとわかっていただけると思うのですが、「ヴァイオリンは歌うけど、フィドルは踊るんです "A violin sings but a fiddle dances"」って名言だなぁって思いました(笑)


アイリッシュダンスとかレオ様の『タイタニック』(観ていない)にも出てきたと思いますが、私がアイルランドに興味を持ったのは宝塚で『エールの残照』という舞台が上演されたからです。天海祐希さんがトップだった時なのでかなり前だとおわかりでしょう~作品の内容はツッコミどころ満載だったのはお約束ですかね(;^_^A 


♪人を愛したゆえに散る命もあれば 愛されたゆえに生まれる命も……


谷村新司さんが「風のシャムロック」という主題歌を提供したのも話題になりました。ちなみにエールというのはアイルランドの古い呼び方で、シャムロックはクローバーに似ている葉っぱです。


『地球の歩き方 アイルランド』を買ったり、アイルランドの歌手のCDを買ったり(エンヤではない)、編みもしないアランセーターの本を見たり、ケルト美術の本を立ち読みしたり、映画『父の祈りを』や『マイケル・コリンズ』を借りたり。メチャクチャご都合主義でファンタジー過多の下手な話も書いてました……しばらくはいろいろやってましたわ(^o^;) 青池保子さんの『エロイカより愛をこめて』でもケルト美術を取り上げられたシリーズがあって、私以上に妄想力のあるオバサマが登場して大ウケしたり、皆川博子センセーの作品にもマン島のバイクレースの話があったような(マン島がアイルランドかと言われると困りますが)……嬉しかったですねぇ( 〃▽〃)



ほにゃほにゃとギネスビールをイッキ飲みしたような脳内で妄想ダンス真っ最中!のワタクシに、オタ息子が「どこかでさぁ、缶のミロ、売ってない?」ときいてきました。「菅野美穂じゃないよ」……イヤ、そこまで耳は悪くない……はず(◎-◎;) 皆さま、気温の変化に気をつけてし、いろんな面で健康的な1週間をお過ごし下さいませ!






rohengram799 at 10:12コメント(6) 

2010年10月31日

第320号:『聖なる人々』へのあこがれ

11月14日まで神奈川近代文学館で「小泉八雲展」が開催されているそうですね。


八雲といえば、アイルランド出身で、ラフカディオ・ハーンのこと。約120年前に来日!JAPANは神秘の国だったに違いありません。たくさんの民話や神話にふれて、あの『怪談』話が完成したのでしょう。


アイルランドの詩人、イエーツはこんな言葉を残しているそうです。


【いつの時代でも純真な人や、古代の叡智ある人たちは、あの「聖なる人々」に会ったり話したりしているのだ。】


『聖なる人々』をある人は妖怪と畏れ、ある人は妖精と憧れ…どちらにも《妖》が使われているところがなんとも~であります(笑)


直接お会いすることは難しく、お話するなんてきっとムリ……大人だからワガママ言わない(泣)聞き分けは良いのさっ!!


だからだから~(´Д`)


せめて、書物の中でお会いしましょう…静かな時間を共有し、無言のまま語り合いましょう。


そんな秋の午後であります。





rohengram799 at 15:15コメント(5) 

2010年08月19日

第233号:サーカス~時の交差点~

以前書いた《ワンダーチャイルド》のところで、少しふれたアイルランドの歌手、メアリー・ブラックのアルバムタイトルが《サーカス~時の交差点~》です。


むかしむかし、わたなべまさこさんの漫画『ガラスの城』(美内すずえさんの<ガラスの仮面>と関連は全くナシですよ)で、「ピカデリーサーカスに行く」というセリフがあって、私は「え~イギリスは毎日サーカスやってるの?」と木下大サーカスを想像していました…(´д`)


なんか話と合わない…とは思っていたのですが~このアルバムの解説を読んで、ようやく納得しました。……「サーカス」とは、決して空中ブランコや象、ライオンが出てくるアレではない。ロンドンの地名にある「ピカデリー・サーカス」とか「オックスフォード・サーカス」などで判るように、「交差点」の意味なんだそうです。


イギリスには「まるでピカデリーサーカスのようだ」という言い方があるそうですが、これは、たくさんの人が、とても忙しそうに動いている場所や状況を示しているとか。また、ピカデリーサーカスに長時間いる人は、顔見知りの人とばったり出くわしてしまい、遂には知っている人全員と出会ってしまう(笑)、という意味でも用いられるそうです。少しお利口さんになったワタクシ!!



そうそう『WONDER CHILD』は、こんな言葉からはじまります。


この子は、私にしてみれば世界そのもの
これ以上魅力的なものはない
この子にかかれば、うちひしがれたこの場所も不思議と活気づく



赤ちゃんが生まれたばかりの人はうなづいているかもしれないですね。でも、自分の親もそう思ってくれていたのかな~と考えたりすると…ちょっとお鼻がツーン!!としたりして( ̄^ ̄) また、自分の子どもや小さい子どもに限らず、こういう気持ちにさせてくれる人っていますよね。


ブログをはじめてから5ヶ月ほどですが、たくさんの「あなたにあえてよかった…♪」がありました。ありがとうございます。いろいろな出逢いや、つながりを大事にしていきたいな~とあらためて思いました。


あ!『人間交差点~ヒューマンスクランブル~』(弘兼憲史さん)の漫画もオススメで~す(*^^*)


結局、最初と最後は漫画でしたね( ̄▽ ̄;)








rohengram799 at 00:35コメント(0) 

2010年08月11日

第225号:ワンダーチャイルド

小林静観さんが、2000年を境に「お母さんを助けてあげたい」ではなくて「この人が親なら楽しそう!!」と思って、親を選んで産まれてくる子どもが増えた…というような話を書いていた記憶があります(((・・;)


胎内記憶のある子どもたちって、案外多いんですね。ブログにコメント下さった、もっちゃん様やbennymama様のお子さまは胎内記憶があるとのことですが、ウチは全くでした。あったらあったで、コワイです、ウチの場合(笑)


今、幼児虐待やそれによる死亡という痛ましい事件のニュースが多いですよね。この子たちも「このお母さんなら…」「このお父さんなら…」と思って、この世界にきたのでしょうか…(;_;)


「子どもは、親のコンプレックスを全部持って産まれてくる」と専門学校時代のカウンセリングの先生が言っていました。自分のイヤな部分が目につくので、イライラしてしまうらしいです。ウチの上のコなど、私のオタッキースピリッツを継承して、それはそれは…でございます(-_-;)イライラしたりはしませんが、ヘンに頑固者のところとか、同じで困ります(>_<)



今回はアイルランドの歌手、メアリー・ブラックさんの歌からタイトルをいただきました♪



rohengram799 at 18:38コメント(2) 
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