キングサリ

2016年06月14日

閑雲便りNo.19:サツマイモの朝(顔)

『夾竹桃しんかんたるに人をにくむ』(加藤楸邨)



近くにキョウチクトウがたくさん咲いているお宅があります。ピンクの花しか知らなかったのですが、白い花もあるのですね。

http://www.hana300.com/kyouch.html

またウスギキョウチクトウ(淡黄色の一重咲きの花をつけます)やフイリキョウチクトウ(葉に黄色の斑が入る品種)もあるそうです。



ところでこの句にある「しんかんたる」の「しんかん」とはなんぞや? 新刊・新歓(新歓コンパ)・神官・震撼……いろんな漢字があるけれど、ここに書いたのは絶対違うのはわかります(;´д`)


【深閑・森閑】で「物音が聞こえずひっそりとしているさま」だそうです。キョウチクトウが美しく咲いたワタシを誰も見てくれない、誉めてくれないと人を憎んでいるのか、美しい花とあまりにも静かな空間に身を置いていると押さえていた憎悪やら嫉妬心やらがわき出てしまうのか……。


経口毒性があるので、野外活動の際に調理に用いたり(フランスではバーベキューの串に利用して中毒死したとか?)家畜が食べたりしないよう注意しないといけない植物なんだそうです。枝以外に花、葉、根、果実すべての部分と、周辺の土壌にも毒性があるらしい……腐葉土にしても1年間は毒性が残るため、腐葉土にする際にも注意をしないといけないからか、花言葉は「注意」「危険」「用心」など。



これからの時期はユリも綺麗ですね。雑誌で「オウゴンユリ」を見ました。(タイトルを忘れた…!) 一輪咲いているのではなく、垣根みたいな感じでたくさんあって、キングサリ(黄色い藤の花)も壮観ですが、オウゴンユリもまたゴージャス!な写真でした。


オニユリの突然変異種で、大陸と陸続きの時代に朝鮮半島経由でやってきたものと思われるとのこと。 和名は牧野富太郎博士によって昭和8年に命名。 長崎県対馬のみに生息していましたが、乱獲により自生しているものはほとんどないようです。園芸種として売っていますね。下記サトイでは真ん中あたりに写真があります。(他の植物もキレイ!)

http://www.geocities.jp/shiki62/makinonohana06.html



あと、夏の花の代表といえば朝顔がありますが、サトイモに接ぎ木したものがありました。検索するとサツマイモに接ぎ木したものが結構あって、わりと有名(?)なんですかね? 私が見たサトイモはヒヤシンスの水耕栽培みたいにサトイモの根がたくさん~そして紫の朝顔がチョコンとサトイモから出ていて、ミニ盆栽みたいな雰囲気。そんなに難しくはなさそうなので、夏休みの宿題にサトイモ朝顔観察日記とかよさそう(笑)


《アサガオをサツマイモに接ぎ木して盆栽にしよう》

http://hobbyland.sakura.ne.jp/Kacho/Special/Asagao_project_2006/Asagao_01.html

http://hobbyland.sakura.ne.jp/Kacho/Special/Asagao_project_2006/Asagao_02.html





rohengram799 at 09:26コメント(8) 

2016年06月09日

閑雲便りNo.12:戦地の図書館

小路幸也さんの『蜂蜜秘密』を読み終わりました。表紙とタイトルがラブリーで衝動買いだったのですが、大人が読んで楽しむファンタジーでしょうか?


本の中に「キングサリー」とあって「キングサリ」をもじった花の名前かと思ったら、ちゃんとキングサリーってある……でも多分、キングサリと同じだと思います(笑) 花はこちらで
http://www.hana300.com/kingus.html
また内容等は蜂蜜秘密 小路幸也をお読み下さいませ。とてもわかりやすくまとめてあるブログ記事でした!



『戦地の図書館 海を越えた一億四千万冊』モリー・グプティル・マニング(著/文 他),松尾恭子(翻訳) 東京創元社から定価2,500円+税という興味はあるけれど、お高いわ(^o^;)な本が先月末に発売になりました。 


第二次世界大戦中、アメリカの図書館員たちは全国から寄付された書籍を兵士に送る図書運動を展開し、軍と出版界は新しい形態のペーパーバック「兵隊文庫」を発行、あらゆるジャンルの本を世界の戦地に送り届けていたそうです。その数はおよそ1億4千万冊!“「兵隊文庫」の全作品リスト付”というのがまた気になります!


ナチス・ドイツが行なった焚書。ヒトラーは自分の思想に反することが記された、1億冊にのぼる“非ドイツ的”な本(どんな内容なんでしょうか、チョビ髭は下品とかドイツ料理はまずいとか……違いますね)を燃やしました。そして連合国側の人々の士気を挫き、戦意を喪失させるために思想戦を仕掛けます。


一方アメリカでは、陸海軍が兵士に本を供給。兵士の士気を保つために必要だと考えたからです。また全国の図書館員らが「本は武器である」という考えから、寄付された本を兵士に送る戦勝図書運動を展開。出版業界の人々は戦時図書審議会を設置し、兵隊文庫を出版しました。戦争に対する賛否は別として「本は兵士にとってなくてはならないものだ」と。


兵隊文庫は、ポケットサイズのペーパーバックで軍隊文庫とも。戦後は進駐軍によって日本にももたらされ、アメリカの文化を日本人に伝える役割を果たしています。日本も兵士用の本を製作していたそうで、それには江戸川乱歩の作品などが含まれていたらしいです。調べてみたのですが、検索ワードが悪いのか、戦争小説ばかり出てきます……江戸川乱歩のどんな作品が兵隊さんに読まれたのか気になります。というか、乱歩ってこの時代の人だったのかと(;^_^A


戦前の彼は「人嫌い」だったそうな。彼を訪ねて来た客に向かって「乱歩先生はいないよ」と門前払いを喰らわせるのもしばしば。「あなたが乱歩先生では」と言われると「本人が留守だと言うんだから留守だ」と言い放ったという……(^^;)(;^^) 酒を飲まなかった乱歩が戦後一変し、集ってくる若い連中を連れて飲み歩くようになり、パンパンに膨れ上がった財布を使い果たすまで帰らないので「乱歩でなく乱費だ」と言われていたそうです。



東日本大震災の後、ACジャパンのコマーシャルがバンバン流れていましたね。自粛にクレームといろいろありましたが《読めばあなたの知層になる》というコピーが「知層が地層に聞こえて地震を連想させる」とかで早々と放送されなくなってしまったことがあります。私、結構このコピーは好きで「ウマイこと言うなぁ」と思っていたので、言いがかりみたいなクレームに屈してすぐ自粛されたのは残念だった……とこの記事を書きながら思い出しました。


そして『センチの図書館』……思春期の少年少女の“ゆらぎ”をメインにした蔵書が人気です……とか、またまた妄想図書館&“痴”層を作ってしまうワタクシなのでした(^。^;)






rohengram799 at 09:28コメント(4) 
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