地球
2019年06月20日
林鐘雲便りNo.19:紫光の連想ゲーム
ストロベリー・ムーンは過ぎて、お月さまはダイエット周期に入りますね(笑) 北原白秋が『月から見た地球』という詩を書いていそうです。白秋って顔と詩と生活態度が全く結びつかない人物のひとりですわ。
「月から見た地球」
月から観た地球は、円(まど)かな、
紫の光であった、
深いにおいの。
わたしは立っていた、海の渚に。
地球こそは夜空に
おさなかった、生まれたばかりで。
大きく、のぼっていた、地球は。
その肩に空気が燃えた。
雲が別れた。
潮鳴(しおなり)を、わたしは、草木(そうも
く)と
火を噴く山の地動を聴いた。
人の呼吸を。
わたしは夢見ていたのか、
紫のその光を、
わが東に。
いや、すでに知っていたのだ。地球人が
早くも神を求めていたのを、
また創っていたのを。
(詩集『海豹と雲』より・1929 年)
月と地球、どちらが先に誕生したのか、という話は現在では地球が出来てしばらくして月が出来た説が有力だそうです。
「紫の光」という言葉が出てくるけど、なんとなく日本人っぽい気がする。紫もいろいろあるし。青に近いものとか。その中で「二人静」を発見。
【二人静】
https://irocore.com/futarishizuka/
静御前の末裔という人が「月姫」という名前で本を書いていました。どうやって確認したんだろ?
待つ女追う女―雨月物語 >> https://i.bookmeter.com/books/705004
静御前の母親も白拍子で磯禅師(いそのぜんじ)という名前らしいです。娘の静御前が多くの男に苦労させて、本人も辛く悲しい人生になってしまったのは、並外れた美人に生まれたせいだから 、と考えたらしい。そして、これから家に女が生まれる場合には、みんな醜女(しこめ)であってほしいと神仏に祈願したという(;・ω・) 願いが叶ったのか、その後、磯禅師の血筋には美人は生まれず、みんな醜女ばかりだったとのこと。殿方はどうだったのか? まぁ、いいか ヾ(@゜▽゜@)ノ
「月から見た地球」
月から観た地球は、円(まど)かな、
紫の光であった、
深いにおいの。
わたしは立っていた、海の渚に。
地球こそは夜空に
おさなかった、生まれたばかりで。
大きく、のぼっていた、地球は。
その肩に空気が燃えた。
雲が別れた。
潮鳴(しおなり)を、わたしは、草木(そうも
く)と
火を噴く山の地動を聴いた。
人の呼吸を。
わたしは夢見ていたのか、
紫のその光を、
わが東に。
いや、すでに知っていたのだ。地球人が
早くも神を求めていたのを、
また創っていたのを。
(詩集『海豹と雲』より・1929 年)
月と地球、どちらが先に誕生したのか、という話は現在では地球が出来てしばらくして月が出来た説が有力だそうです。
「紫の光」という言葉が出てくるけど、なんとなく日本人っぽい気がする。紫もいろいろあるし。青に近いものとか。その中で「二人静」を発見。
【二人静】
https://irocore.com/futarishizuka/
静御前の末裔という人が「月姫」という名前で本を書いていました。どうやって確認したんだろ?
待つ女追う女―雨月物語 >> https://i.bookmeter.com/books/705004
静御前の母親も白拍子で磯禅師(いそのぜんじ)という名前らしいです。娘の静御前が多くの男に苦労させて、本人も辛く悲しい人生になってしまったのは、並外れた美人に生まれたせいだから 、と考えたらしい。そして、これから家に女が生まれる場合には、みんな醜女(しこめ)であってほしいと神仏に祈願したという(;・ω・) 願いが叶ったのか、その後、磯禅師の血筋には美人は生まれず、みんな醜女ばかりだったとのこと。殿方はどうだったのか? まぁ、いいか ヾ(@゜▽゜@)ノ
2018年10月29日
稲熟雲便りNo.31:水の星
今日の読売新聞の全面広告、アインシュタインのように 舌を出した樹木希林さんが Σ(・ω・ノ)ノ 朝日新聞は内田裕也さんやモックンたちとの家族写真だそう。うーん、朝日の方が見たかったかも。
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/prtimes.jp/main/html/rd/amp/p/000000758.000005069.html%3Fusqp%3Dmq331AQECAEoAQ%253D%253D
茨木のり子さんの詩集『倚りかからず』に地球をテーマにした作品があります。最後の言葉がなんとなく、せつなくかなしく響きました。
『水の星』 茨木 のり子
宇宙の漆黒の闇のなかを
ひっそりまわる水の星
まわりには仲間もなく親戚もなく
まるで孤独な星なんだ
生まれてこのかた
なにに一番驚いたかと言えば
水一滴もこぼさずに廻る地球を
外からパチリと写した一枚の写真
こういうところに棲んでいましたか
これを見なかった昔のひととは
線引きできるほどの意識の差が出てくる筈なのに
みんなわりあいぼんやりとしている
太陽からの距離がほどほどで
それで水がたっぷりと渦まくのであるらしい
中は火の玉だっていうのに
ありえない不思議 蒼い星
すさまじい洪水の記憶が残り
ノアの箱舟の伝説が生まれたのだろうけれど
善良な者たちだけが選ばれて積まれた船であったのに
子子孫孫のていたらくを見れば この言い伝えもいたって怪しい
軌道を逸れることもなく いまだ死の星にもならず
いのちの豊饒を抱えながら
どこかさびしげな 水の星
極小の一分子でもある人間が ゆえなくさびしいのもあたりまえで
あたりまえすぎることは言わないほうがいいのでしょう
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/prtimes.jp/main/html/rd/amp/p/000000758.000005069.html%3Fusqp%3Dmq331AQECAEoAQ%253D%253D
茨木のり子さんの詩集『倚りかからず』に地球をテーマにした作品があります。最後の言葉がなんとなく、せつなくかなしく響きました。
『水の星』 茨木 のり子
宇宙の漆黒の闇のなかを
ひっそりまわる水の星
まわりには仲間もなく親戚もなく
まるで孤独な星なんだ
生まれてこのかた
なにに一番驚いたかと言えば
水一滴もこぼさずに廻る地球を
外からパチリと写した一枚の写真
こういうところに棲んでいましたか
これを見なかった昔のひととは
線引きできるほどの意識の差が出てくる筈なのに
みんなわりあいぼんやりとしている
太陽からの距離がほどほどで
それで水がたっぷりと渦まくのであるらしい
中は火の玉だっていうのに
ありえない不思議 蒼い星
すさまじい洪水の記憶が残り
ノアの箱舟の伝説が生まれたのだろうけれど
善良な者たちだけが選ばれて積まれた船であったのに
子子孫孫のていたらくを見れば この言い伝えもいたって怪しい
軌道を逸れることもなく いまだ死の星にもならず
いのちの豊饒を抱えながら
どこかさびしげな 水の星
極小の一分子でもある人間が ゆえなくさびしいのもあたりまえで
あたりまえすぎることは言わないほうがいいのでしょう