室生犀星

2018年06月17日

芸香雲便りNo.16:朝刊と夕刊

誰の作品だったか、わからなくなってしまった「夕刊」という詩。 ♪高田の背番号も知らないくせに~の「朝刊」がうかんできたけれど、毎日イヤなニュースがたくさんあって、平成という年号をうらめしく思ってしまいますわ。




   『夕刊』

夕刊を見てゐたら、
毎日人が殺され
人はやむなく眼を瞑《と》じ、
はかなき人命のほどを知る。
何故人は人を殺さずにゐられないのか。
自分が生きるために
人は何故人を殺さずにゐられないのか。
自分が生きたかつたら
他人にも生きて貰はねばならない、
人を殺して生き抜いた人間は一人もゐない。
人は殺され少女ははずかしみを受けてゐた
人の叫び声が紙背を圧する。




【朝刊】
https://sp.uta-net.com/movie/3071/



追記2023/03/30
『夕刊』室生犀星の詩だった!
http://nihonshijin.blog2.fc2.com/blog-entry-118.html



rohengram799 at 09:04コメント(4) 

2018年05月03日

若夏雲便りNo.6:あやめ

風が強いですね~そしてむし暑い!←コレは私がでぶりんだからでしょうか d( ゚ε゚;)



こちらではチューリップの季節も終わりですが、「サッポロ」という白いチューリップがあるのですね。


http://springshower.blog56.fc2.com/blog-entry-380.html




最近はアヤメだがカキツバタだがショウブだか、毎年「アナタはだぁれ?」とたずねたくなる花が咲いているのが目にはいります。室生犀星の『白いあやめ』という詩は、やはり女性を花にたとえたものかしらん?




『あやめ』室生犀星


あやめ あやめ

白いあやめ

鶴のくちばしのようで

開くとひと声たかく啼き立つ。

あやめ あやめ

白いあやめは

あかつきに開いて

誰にも開いたところを

見せたことがない。

誰も見たことがない

白いあやめ

あやめの花。





ところで、ダンナさんが「あやめ団子」という団子があるというのですが、私は名前も知らないし、食べたこともありません。みたらし団子と違い、しょうゆだけの団子だというのですが、検索してみると地域によりなんか違うんですよね。皆さまのお住まいでは「あやめ団子」なるものが存在するのか、あるとしたらどんなタレ(?)なのか教えていただきたいです(^∧^)


私の脳内では「殺め団子」という漢字に変換されてしまいます。害虫駆除のホウ酸団子かよ!と自分でツッコミをいれています(笑)






rohengram799 at 16:33コメント(6) 

2017年02月27日

初花雲便りNo.18:冬の庭~霜柱

昨日、室生犀星の「蜜のあわれ/われはうたえどもやぶれかぶれ」を読みました。なんか彼のイメージが変わりましたわ。「蜜のあわれ」は映画化されたようですが、こういう話だったのかと。全部会話で構成されていて、金魚が人間に(゜〇゜;)?????と最初はなんかよく分からない、この人はお酒を飲みすぎておかしくなったのだろうか、と考えてしまいましたが、なれてくるとおもしろくて・・・。なんでも読んでみないとわからないものですね。


「われは・・・」は入院中の話で、尿道カテーテルの苦しみを自分のことのように感じましたわ。おシモ系の話もサクサク読めて、笑ってしまったり、看護婦さんにワガママ言ってはいけません!と思ったり・・・。他の作品も読みたくなり、検索して青空文庫で「冬の庭」という短い随筆を読みました。



「冬になると庭を眺める時がすくない。霜で荒れた土の上に箒をあてるといふわけにゆかないから、秋晩くに手入れを充分にして置かなければならない。この手入れさへ怠らなかつたら冬ぢゆうそのままにして置いてもよい。木の葉なぞも綺麗に掃き取つておけば、乱れるといふことはない。」

「冬は庭木の根元を見ると、静かな気もちを感じさせる。灰ばんだ土へしつかりと埋め込まれて森乎しんとしながら、死んでゐるやうな穏かさをもつてゐるからである。庭を愛するひとびとよ、枝や葉を見ないで根元が土から三四寸離れたところを見たまへ。さういふ庭木の見かたもあることを心づいたら、わたくしの言ふことはないのである。」


冬の庭の持つ雰囲気、その有り様、みどころ、素晴らしさを美しい言葉で語っていて、やはり物書きは違うわ、と思いました! ただなんとなく好きなんですよね、で終わってしまう」私とは違います~比較するのが間違っていますが(´д`|||)


「冬の庭木としては別に特別なものはないが、梅擬うめもどきの実の朱いのが冬深く風荒んでくるころに、ぼろぼろ零こぼれるのはいいものである。南天の騒々しさにくらべると仲々澄んだ感じである。これは零れ落ちるときが最もよい。下草でも茎の強いもので実や穂になつたものは、そのまま冬も刈らずに置くと却つて風雅なものである。」
 

松竹梅についてもふれていて、私は竹への想いが好きです。


「竹はすぐな心を表はしてゐるやうで陳腐であるが左う考へる方が、無理がないやうである。かれは寂しいが喜んでゐるやうな木である。絶えず愉快な表情の中に、流れるやうな寂しさをもつてゐる。そして雨とか雪とかになほ一層その奥の手をみがき出してゐるやうである。」
 
 

話は変わりますが「霜ばしら」という、仙台銘菓画があるそうですね。老舗「玉澤」さんのお菓子で、10月から翌4月までの限定商品。缶に入っていて、形は本当にザクザク感のある霜柱でした。皆さまも画像検索して見て下さい~食べてみたいですね。仙台は「笹かまぼこ」と「萩の月」だけではなかった!←牛タンは食べたことがないし食べる気がない(-_-;)



2月は逃げる、で明後日はもう3月ですね。今日はまた寒くなりましたが、くしゃみ連発で春を感じています←花粉症( ;∀;)
皆さまも体調をくずさないように気をつけて下さいませ。


rohengram799 at 09:41コメント(4) 

2016年09月23日

秋雲便りNo.19:飲めば都 (〃⌒ー⌒〃)

今週は天気の悪い日が多かったですが、秋の夜長は月を愛でながらお酒をグイッ!という人も多いのでしょうか? 若山牧水とか酒呑みのイメージがなかったので(あるのは山頭火くらい)「お酒大好き!」と知った時には驚きましたが、『小景異情』でおなじみの室生犀星が呑兵衛さんだったのも意外です( ̄0 ̄;)


犀星の愛した酒は金沢の「福正宗」。その晩酌の様子について、娘・朝子さんが書いたものから抜粋すると………彼は「家族とは別に、小さい朱塗りのお膳の前に正座して、盃をかたむけていた。」「母はこまめで料理が上手な人であったから、犀星のお膳には酒の肴の小皿がいくつも並び」「あまり喋らずに、毎夜きまって二本の徳利をあけていた」そうな。また「夕食にはご飯はいっさい食べなかかった」みたいです(『父 犀星の俳景』から)。この晩酌が終わるころになると、きまって近所に住む詩人の竹村俊郎が誘いに来て、二人はいそいそとまた飲みに出かけたとか……( ̄▽ ̄;)


室生犀星(1889─1962)は金沢市生まれ。本名照道(てるみち)。犀星は号。別号魚眠洞(ぎょみんどう)。父は加賀藩士でしたが、7歳の時に室生真乗(しんじょう)の養嗣子(ようしし)になり、いろいろ苦労したようで……お酒はそういった気持ちを慰めてくれたんでしょうね。ひとり都の夕暮れにふるさとを思い、涙ぐむ時に酒は心の友であり、裏切らない存在だったのかも……。



お酒といえば、課長から今は会長になった島耕作が、「獺祭」をモデルにしたであろう「喝采」の工場を見学している話がありました。このお酒を飲むとちあきなおみの♪喝采がうまく歌えて拍手喝采!なんて内容ではありません(゜゜;)\(--;) 作者の弘兼憲史さんが欄外に「69歳になりました。いやらしい歳ですね。」と書いていましたわ……良い子は深く考えないようにしましょうね( 〃▽〃)





rohengram799 at 00:12コメント(10) 
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