山村暮鳥
2024年01月09日
ねんねこ雲便りNo.4:火の鳥と黄金風景
おはようございます☀
こちらはあたたかい朝です。北陸の皆さんの様子をニュースで見聞きしては少しでも天気がよくならないかと思います。ウクライナ支援に膨大な金額を約束したようですが、まずは自国民にではないのかと思ってしまいます。お金の使い途が違わないか?と思います。
またこういう災害が起きた後に自分で移動手段、食料、飲料、宿泊場所の確保など出来ないのに「早く被災地に行く!」ことだけを目的にしている人が必ずいて、炊き出しを遠慮なく食べていたり、自分のためのカンパを!と強請る人ってナニを考えて入るんでしょうね💢
新聞にも「まず経済的支援を」とありましたが、やはりまずは募金からだと思って、少額ずつですが続けたいと思います。
✱
読書メーターやnoteなどにはHNのあとに(冬眠中)とつけているのですが、なんとなくモゾモゾ活動を始めております。飲んでいたサプリが合わなかったのかなぁ、と服用を止めたらちょっと体調も変わってきたので、気鬱な遠因だったかもしれないです〜今ごろですが。
長くブログを書いていましたが、自分の考えが正しく伝わるかもわからない。他の方々のブログを読んだりコメントのやり取りをする中で「私の受け取り方はズレているのでは?」と感じることが多くなり…かといってそれを長々コメントするのはどうよ? 簡潔明瞭な言葉選びが難しい、そもそも書くのはいいとして公開する必要があるのだろうか? などとグルグル考えているうちに、年末の慌ただしさなどもプラスされ気分は下降していき、年明けからなんで!?な出来事も続いてう~ん、となっていました。
また当分の間、グダグダしそう😅
✱
以前、太宰治の『火の鳥』について書きましたが
「東京は、いいわね。あたしより、もっと不幸な人が、もっと恥ずかしい人が、お互い説教しないで、笑いながら生きているのだもの」
という文章があるそうです。田舎の濃密な人間関係に疲れた人はみんなこう思うし、こういう気楽さを求めて上京することも多そう。(私がそうだった) 未完ですが、そこそこ長い……まだ読んでいないのですが、興味のある方は青空文庫でお先にどうぞ😆
https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/268_1508
3.html
『黄金風景』は読みました。タイトルからどうしても山村暮鳥の いちめんのなのはな… を連想してしまうのですが、そういう話ではなかった🥸
https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/2257_15061.html
先月分の読書記録も載せたいのですが、まだ表紙が設定されないものがあるのでもう少しあとかなぁ。今月のお便りタイトルもまだ決めていない😱
ではでは、皆さま、お身体に気をつけて下さいませ🍀
こちらはあたたかい朝です。北陸の皆さんの様子をニュースで見聞きしては少しでも天気がよくならないかと思います。ウクライナ支援に膨大な金額を約束したようですが、まずは自国民にではないのかと思ってしまいます。お金の使い途が違わないか?と思います。
またこういう災害が起きた後に自分で移動手段、食料、飲料、宿泊場所の確保など出来ないのに「早く被災地に行く!」ことだけを目的にしている人が必ずいて、炊き出しを遠慮なく食べていたり、自分のためのカンパを!と強請る人ってナニを考えて入るんでしょうね💢
新聞にも「まず経済的支援を」とありましたが、やはりまずは募金からだと思って、少額ずつですが続けたいと思います。
✱
読書メーターやnoteなどにはHNのあとに(冬眠中)とつけているのですが、なんとなくモゾモゾ活動を始めております。飲んでいたサプリが合わなかったのかなぁ、と服用を止めたらちょっと体調も変わってきたので、気鬱な遠因だったかもしれないです〜今ごろですが。
長くブログを書いていましたが、自分の考えが正しく伝わるかもわからない。他の方々のブログを読んだりコメントのやり取りをする中で「私の受け取り方はズレているのでは?」と感じることが多くなり…かといってそれを長々コメントするのはどうよ? 簡潔明瞭な言葉選びが難しい、そもそも書くのはいいとして公開する必要があるのだろうか? などとグルグル考えているうちに、年末の慌ただしさなどもプラスされ気分は下降していき、年明けからなんで!?な出来事も続いてう~ん、となっていました。
また当分の間、グダグダしそう😅
✱
以前、太宰治の『火の鳥』について書きましたが
「東京は、いいわね。あたしより、もっと不幸な人が、もっと恥ずかしい人が、お互い説教しないで、笑いながら生きているのだもの」
という文章があるそうです。田舎の濃密な人間関係に疲れた人はみんなこう思うし、こういう気楽さを求めて上京することも多そう。(私がそうだった) 未完ですが、そこそこ長い……まだ読んでいないのですが、興味のある方は青空文庫でお先にどうぞ😆
https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/268_1508
3.html
『黄金風景』は読みました。タイトルからどうしても山村暮鳥の いちめんのなのはな… を連想してしまうのですが、そういう話ではなかった🥸
https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/2257_15061.html
先月分の読書記録も載せたいのですが、まだ表紙が設定されないものがあるのでもう少しあとかなぁ。今月のお便りタイトルもまだ決めていない😱
ではでは、皆さま、お身体に気をつけて下さいませ🍀
2023年08月21日
みせばや雲便りNo.15:朝
おはようございます🐥
「朝」 山村暮鳥
なんといふ麗(うらら)かな朝だろうよ
娘たちの一塊(ひとかたまり)がみちばたで
たちばなししている
うれしさうにわらっている
そこだけが
馬鹿に明るい
だれもかれもそこをとほるのが
まぶしさうにみえる
立ち話をしているのがオバサンではこういう気分にはならないよねぇ〜なんて思ってしまうワタクシ、スーパーなどで買いたい品物の前でずーっと喋っている人たちがいると「早くどけや!!」と思いつつ、また店内巡回してしまう……モノが取れそうなら「ちょっと失礼」って感じて手をのばすのですけど😅
🐦
夏休みも後半に入ったお子さまたち、宿題の進み具合はどうなんでしょう? 今はプリントやポスターとか宿題ナシの学校も多いようですが、漠然としずぎて親も何をやらせたらいいのか困ってしまいそうです。
昆虫採集とかチャレンジする子はいるのかな?と新聞に紹介されていた『日本百名虫』を見て思いました。フォトジェニックにドラマチック……表紙が普通でよかった😅
https://note.com/whitehands/n/n8bcf4ad15d38
以前『美しすぎるカブトムシ図鑑』を紹介しましたが、ニジイロクワガタとかいるそうです。
今はもう虫とか触りたくないですが、虫っていち早く季節を感じているのでは?と思います。トンボが飛んでいるしバッタが窓ガラスに張り付いていたし😭😭😭
🐦
この記事は昨日公開したと思っていたので、アレ!?となりました🤣 どうぞ皆さま、今週も「ご安全に」!
「朝」 山村暮鳥
なんといふ麗(うらら)かな朝だろうよ
娘たちの一塊(ひとかたまり)がみちばたで
たちばなししている
うれしさうにわらっている
そこだけが
馬鹿に明るい
だれもかれもそこをとほるのが
まぶしさうにみえる
立ち話をしているのがオバサンではこういう気分にはならないよねぇ〜なんて思ってしまうワタクシ、スーパーなどで買いたい品物の前でずーっと喋っている人たちがいると「早くどけや!!」と思いつつ、また店内巡回してしまう……モノが取れそうなら「ちょっと失礼」って感じて手をのばすのですけど😅
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夏休みも後半に入ったお子さまたち、宿題の進み具合はどうなんでしょう? 今はプリントやポスターとか宿題ナシの学校も多いようですが、漠然としずぎて親も何をやらせたらいいのか困ってしまいそうです。
昆虫採集とかチャレンジする子はいるのかな?と新聞に紹介されていた『日本百名虫』を見て思いました。フォトジェニックにドラマチック……表紙が普通でよかった😅
https://note.com/whitehands/n/n8bcf4ad15d38
以前『美しすぎるカブトムシ図鑑』を紹介しましたが、ニジイロクワガタとかいるそうです。
今はもう虫とか触りたくないですが、虫っていち早く季節を感じているのでは?と思います。トンボが飛んでいるしバッタが窓ガラスに張り付いていたし😭😭😭
🐦
この記事は昨日公開したと思っていたので、アレ!?となりました🤣 どうぞ皆さま、今週も「ご安全に」!
2018年05月11日
若夏雲便りNo.13:木と木
『ちるちる・みちる』という山村暮鳥の作品を青空文庫で見つけました。『青い鳥』みたいな話かと思っていたのに、いろんな童話(?)の詰め合わせという感じ。その中に『老木』という短い話がありました。
老木が「自分はこんなになるまで、自分の木々で雨風からお前を守ってきた。だからお前は立派に成長できたんだぞ」みたいなことを言うのですが、若い木は「それがいまでは唯、日光を遮るばかりなんだから、やりきれない」と・・・。どんな声のトーンで会話しているのか、人により違うでしょうねぇ。なんともやりきれない感じがします。木は自分であちこち動けませんし、枝葉をうまく調整も出来ないし。
もうひとつの「木と木」は寺山修司さんの詩です。この『ダイアモンド』というタイトル、さすがだ・・・!と思いました。多感な10代前半にはじめて読んだ寺山修司作品のひとつです。「寂しい」よりも「淋しい」という漢字が好きなのは、この詩の影響がたぶんにあるでしょう。4月の誕生石がダイアモンドなので、この時期には特に思い出す詩です。
『ダイアモンド』寺山修司
木という字を一つ書きました
一本じゃかわいそうだから
と思ってもう一本ならべると
林という字になりました
淋しいという字をじっと見ていると
二本の木が
なぜ涙ぐんでいるのか
よくわかる
ほんとに愛しはじめたときにだけ
淋しさが訪れるのです
今日は松田聖子ちゃんの♪瞳はダイアモンドが脳内リフレインになりそう(笑) 下記サイトの動画は「ザ・ベストテン!」の時のもの。懐かしい!
https://sp.uta-net.com/movie/3821/
老木が「自分はこんなになるまで、自分の木々で雨風からお前を守ってきた。だからお前は立派に成長できたんだぞ」みたいなことを言うのですが、若い木は「それがいまでは唯、日光を遮るばかりなんだから、やりきれない」と・・・。どんな声のトーンで会話しているのか、人により違うでしょうねぇ。なんともやりきれない感じがします。木は自分であちこち動けませんし、枝葉をうまく調整も出来ないし。
もうひとつの「木と木」は寺山修司さんの詩です。この『ダイアモンド』というタイトル、さすがだ・・・!と思いました。多感な10代前半にはじめて読んだ寺山修司作品のひとつです。「寂しい」よりも「淋しい」という漢字が好きなのは、この詩の影響がたぶんにあるでしょう。4月の誕生石がダイアモンドなので、この時期には特に思い出す詩です。
『ダイアモンド』寺山修司
木という字を一つ書きました
一本じゃかわいそうだから
と思ってもう一本ならべると
林という字になりました
淋しいという字をじっと見ていると
二本の木が
なぜ涙ぐんでいるのか
よくわかる
ほんとに愛しはじめたときにだけ
淋しさが訪れるのです
今日は松田聖子ちゃんの♪瞳はダイアモンドが脳内リフレインになりそう(笑) 下記サイトの動画は「ザ・ベストテン!」の時のもの。懐かしい!
https://sp.uta-net.com/movie/3821/
2018年03月10日
桃月雲便りNo.10:林檎
3月6日の読売新聞朝刊・編集手帳で「林檎」という短い詩を知りました。
【恵まれない者へ温かな視線を注いだ詩人、木山捷平に 「林檎」という短い詩がある。〈先生。「十の林檎を二つに分けるといくつですか」/或る生徒。「はい、九つと一つであります」〉(『木山捷平全詩集』講談社文芸文庫) ◆公平な分配はこの世にない、という若者の悲嘆か。五つと五つではないところに驚くのは、均等に分け合うことを良しとする美徳がわれわれの心に染みついているからにちがいない 】
分け合うこと悪しき、と思う習慣がないせいだろう。いつも談合事件の報を聞くと戸惑うが・・・とリニア談合の話につなげていくのはさすがだと思いました。リニア、私が小学生の頃からずっと・・・な話で、当時は「大人になる頃にはもう完成している」だったんですが。生きているうちにリニア中央新幹線が走るのが当たり前になるかしら?
「林檎」が出てくる詩が他にもあるのかな、と調べていたら「いちめんのなのはな」でおなじみの山村暮鳥の作品にありました。最後に書かれている詩がとても印象的です。そう、人間でなくてもみんな地震はいやなんです。
http://4seasons-poetry.blog.jp/archives/1039913283.html
【恵まれない者へ温かな視線を注いだ詩人、木山捷平に 「林檎」という短い詩がある。〈先生。「十の林檎を二つに分けるといくつですか」/或る生徒。「はい、九つと一つであります」〉(『木山捷平全詩集』講談社文芸文庫) ◆公平な分配はこの世にない、という若者の悲嘆か。五つと五つではないところに驚くのは、均等に分け合うことを良しとする美徳がわれわれの心に染みついているからにちがいない 】
分け合うこと悪しき、と思う習慣がないせいだろう。いつも談合事件の報を聞くと戸惑うが・・・とリニア談合の話につなげていくのはさすがだと思いました。リニア、私が小学生の頃からずっと・・・な話で、当時は「大人になる頃にはもう完成している」だったんですが。生きているうちにリニア中央新幹線が走るのが当たり前になるかしら?
「林檎」が出てくる詩が他にもあるのかな、と調べていたら「いちめんのなのはな」でおなじみの山村暮鳥の作品にありました。最後に書かれている詩がとても印象的です。そう、人間でなくてもみんな地震はいやなんです。
http://4seasons-poetry.blog.jp/archives/1039913283.html
2011年03月25日
第446号:さくら新聞
『桜』という詩が新聞コラムにありました。
さくらだという
春だという
一寸(ちょっと)、お待ち
どこかに
泣いている人もあろうに
山村暮鳥の詩だそうです。「いちめんのなのはな」の黄色いじゅうたんの光景の詩は有名ですが、こんなさくら色の言葉もあったのですね。
私たちは、泣いている人がどこにいるかを知っています。そしてその涙のわけも知っています。
いろんなブログめぐりをしていると、今年の桜にもう出逢うこともあります。
あの日から2週間です。
桜を楽しみにしていた方々がたくさんいたと思います。桜を大事に育てていた方々も…。そのたくさんの方々の分も桜を待ちわび、開花を喜び、美しさに感嘆の声をあげ…生かされた命に感謝するのは不謹慎とはいわれないでしょう。
昨日、店舗スタッフと震災についての取り組みもろもろ、疑問点などを(ちょっと詰問ぎみになってしまいましたが)きいたり話したりしました。エジキになってしまったスタッフには申し訳ない(笑)
驚いたのは「新聞を読まない」こと。自宅になくても店ではとっているのだし…なおかつ「支援物資を受付中」などと公言しているのだから、市内での受付状況など確認しているかと思ったらそれも無し。
具体的なことが文面になかったため、着古した衣類を持ってきた人がいたとか…はぁ。だから「何でも受付ます」なんて書いてはいけないんだって。持ってきた方もちょっと…ではありますが(泣)
こういう時くらい、新聞に目を通したら…と思います。1日中テレビニュースにくいついてはいられないのだから。
『新聞紙の詩(しんぶんしのし)』
きょう此頃(このごろ)の新聞紙をみろ
此の血みどろの活字をみろ、
目をみひらいて読め
これが世界の現象(ありさま)である、
これが今では人間の日日(にちにち)の生活となったのだ
これが人類の生活であるか
これが人間の仕事であるか
ああ残酷に巣くわれた人間種族
何という怖ろしい時代であろう
牙を鳴らして噛み合う
この呪われた人間をみろ
全世界に手に取るようにみせる一枚の新聞紙
その隅(すみ)から隅まで目をとおせ
活字の下をほじくってみろ
その何処(どこ)かに赭土(あかつち)の痩(や)せた穀物畠(こくもつばたけ)はないか
注意せよ
そしてその畝畝(うねうね)の間にしのびかくれて
世界のことなどは何も知らず
よしんばこれが人類の終焉(おわり)であればとて
貧しい農夫はわれと妻子のくう穀物を作らねばならない
そこに残った原始の時代
そこから再び世界は息をふきかえすのだ
おお黄金色(こがねいろ)した穀物畠の幻想(げんそう)
此の黄金色した幻想に実る希望(のぞみ)よ
同じく山村暮鳥の詩です。今、心に響きます。
今日も1日穏やかに過ごせますように。
追記 2024/03/20
讀賣新聞 編集手帳 2011.3.25
https://blog.goo.ne.jp/ryuuzumeiro2014/e/9dbacaf8ebfa11574694911c518618e8
さくらだという
春だという
一寸(ちょっと)、お待ち
どこかに
泣いている人もあろうに
山村暮鳥の詩だそうです。「いちめんのなのはな」の黄色いじゅうたんの光景の詩は有名ですが、こんなさくら色の言葉もあったのですね。
私たちは、泣いている人がどこにいるかを知っています。そしてその涙のわけも知っています。
いろんなブログめぐりをしていると、今年の桜にもう出逢うこともあります。
あの日から2週間です。
桜を楽しみにしていた方々がたくさんいたと思います。桜を大事に育てていた方々も…。そのたくさんの方々の分も桜を待ちわび、開花を喜び、美しさに感嘆の声をあげ…生かされた命に感謝するのは不謹慎とはいわれないでしょう。
昨日、店舗スタッフと震災についての取り組みもろもろ、疑問点などを(ちょっと詰問ぎみになってしまいましたが)きいたり話したりしました。エジキになってしまったスタッフには申し訳ない(笑)
驚いたのは「新聞を読まない」こと。自宅になくても店ではとっているのだし…なおかつ「支援物資を受付中」などと公言しているのだから、市内での受付状況など確認しているかと思ったらそれも無し。
具体的なことが文面になかったため、着古した衣類を持ってきた人がいたとか…はぁ。だから「何でも受付ます」なんて書いてはいけないんだって。持ってきた方もちょっと…ではありますが(泣)
こういう時くらい、新聞に目を通したら…と思います。1日中テレビニュースにくいついてはいられないのだから。
『新聞紙の詩(しんぶんしのし)』
きょう此頃(このごろ)の新聞紙をみろ
此の血みどろの活字をみろ、
目をみひらいて読め
これが世界の現象(ありさま)である、
これが今では人間の日日(にちにち)の生活となったのだ
これが人類の生活であるか
これが人間の仕事であるか
ああ残酷に巣くわれた人間種族
何という怖ろしい時代であろう
牙を鳴らして噛み合う
この呪われた人間をみろ
全世界に手に取るようにみせる一枚の新聞紙
その隅(すみ)から隅まで目をとおせ
活字の下をほじくってみろ
その何処(どこ)かに赭土(あかつち)の痩(や)せた穀物畠(こくもつばたけ)はないか
注意せよ
そしてその畝畝(うねうね)の間にしのびかくれて
世界のことなどは何も知らず
よしんばこれが人類の終焉(おわり)であればとて
貧しい農夫はわれと妻子のくう穀物を作らねばならない
そこに残った原始の時代
そこから再び世界は息をふきかえすのだ
おお黄金色(こがねいろ)した穀物畠の幻想(げんそう)
此の黄金色した幻想に実る希望(のぞみ)よ
同じく山村暮鳥の詩です。今、心に響きます。
今日も1日穏やかに過ごせますように。
追記 2024/03/20
讀賣新聞 編集手帳 2011.3.25
https://blog.goo.ne.jp/ryuuzumeiro2014/e/9dbacaf8ebfa11574694911c518618e8