山笑う
2021年08月07日
金涼雲便りNo.7:山羊笑う
今日は立秋。台風の影響か、晴れていますが雲が多くていくぶん暑さがやわらいでいるような気がする……今まで暑すぎたので、いろんな感覚がおかしくなっている気がします。連日のオリンピック中継の「初対戦」は「初体験」に聞こえるし「楽譜」が「薬膳」に見えたり……3日に一度くらいの割合で昼間、急激な眠気に襲われるのはやはり年齢なのか、熟睡出来ていないからなのか(;´д`)
春は山笑う、夏は山滴る、秋は山装う、冬は山眠る……山羊笑うなんてないぞ !? なタイトルですが、本日の読売新聞・四季にあった大串章さん(*)の俳句から。
秋風に白鬚揺らし山羊笑う
鬚(ひげ) は あごひげなのでこの字ですね。
「髭」→ くちひげ
「鬚」→ あごひげ
「髯」→ ほおひげ
長谷川櫂さんの解説(?)
山羊が笑うのを最後に見たのはいつだったか。山羊はいつも笑っているが、大人になると悲しげな顔に見えてしまう。この句は子どもの心に帰って見た山羊の笑顔。それとも子どものころに見た山羊の笑顔の思い出。句集『恒心』から。
「恒心」とは人間として常に持つべき変わらぬ心の意味だそうです。中学の時「恒子(つねこ)」という名前の先生がいたことを思い出しました〜キラいだった (´∀`;)
「ひげ」つながりで『電車の中で』という西條八十の詩を最後に。
電車の中で
釣革に吊(ぶらさ)がっていると、
眼のまえに白い髭の老人が腰かけている、
まっ白な、食塩のようにまっ白な、
なんて美しい髭だ。
わたしは考える、──
自分もいつか老人になるだろう、
あんな髭を持つようになるかもしれない、
嵐のあとの朝の庭のような
こころ静かな、懐かしい老年!
その時、今のわたしを悩ませている
彼女の思い出はどんな姿になるのだろう。
釣革にさがりながら
わたしはしみじみと想う、
老年のわたしの白い髭のかげに
雪の中の水仙の花のように
はっきりと咲き出るであろう
彼女の美しいおもかげを。──
(*) http://momotori.com/profile.html
春は山笑う、夏は山滴る、秋は山装う、冬は山眠る……山羊笑うなんてないぞ !? なタイトルですが、本日の読売新聞・四季にあった大串章さん(*)の俳句から。
秋風に白鬚揺らし山羊笑う
鬚(ひげ) は あごひげなのでこの字ですね。
「髭」→ くちひげ
「鬚」→ あごひげ
「髯」→ ほおひげ
長谷川櫂さんの解説(?)
山羊が笑うのを最後に見たのはいつだったか。山羊はいつも笑っているが、大人になると悲しげな顔に見えてしまう。この句は子どもの心に帰って見た山羊の笑顔。それとも子どものころに見た山羊の笑顔の思い出。句集『恒心』から。
「恒心」とは人間として常に持つべき変わらぬ心の意味だそうです。中学の時「恒子(つねこ)」という名前の先生がいたことを思い出しました〜キラいだった (´∀`;)
「ひげ」つながりで『電車の中で』という西條八十の詩を最後に。
電車の中で
釣革に吊(ぶらさ)がっていると、
眼のまえに白い髭の老人が腰かけている、
まっ白な、食塩のようにまっ白な、
なんて美しい髭だ。
わたしは考える、──
自分もいつか老人になるだろう、
あんな髭を持つようになるかもしれない、
嵐のあとの朝の庭のような
こころ静かな、懐かしい老年!
その時、今のわたしを悩ませている
彼女の思い出はどんな姿になるのだろう。
釣革にさがりながら
わたしはしみじみと想う、
老年のわたしの白い髭のかげに
雪の中の水仙の花のように
はっきりと咲き出るであろう
彼女の美しいおもかげを。──
(*) http://momotori.com/profile.html
rohengram799 at 09:20|Permalink│Comments(4)
2021年03月13日
華節雲便りNo.11:花 つらつら
今の時期に降る雨を「催花雨」と言いますね。花が咲くのを促す雨。卒業式や転勤など今まで親しくしていた人たちや慣れ親しんだの環境からお別れする時期でもありますが、雨の後に美しく桜が咲くようにたくさん泣いた後に花のような笑顔になる女の子を想像したりしてニンマリ……菜種梅雨という言葉もあるので、女の子の名前は菜々子ちゃんとかがいい……「山笑う」という季語もあるから山本菜々子ちゃんとかどうだろう?……卒業式の後、憧れの先生に告白するがやはり叶わぬ想いだった菜々子ちゃん。それを複雑な気持ちで遠くから見ていた幼なじみのナントカくん ← ヤローの名前には関心がない親痔なワタクシ(笑) ああ、妄想が止まらない土曜日、皆さまはいかがお過ごしでしょうか? (;^o^)
*****
V6解散のニュースに「ブルータス、お前もか」な気分になりましたが、やっぱりジャニーさんがいなくなったことやメンバーみんなが不惑(40歳)を過ぎたこともあるんでしょうか。ダンナさんが「岡田くんのお嫁さんの宮崎あおいってだれ?」と言われた時に頭に浮かんだのは山ちゃんの奥さんの蒼井優でした……もう芸能人がわからない!
岡田くんが主演した葉室麟さんの『散り椿』という作品。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321407000222/
小説も映画も未読、未視聴なんですが、桜も椿も日本を代表する花ですよねぇ。万葉集には「つらつら椿」(*)が出てくるそうで……一瞬、妖怪の名前かと思ってしまいました。椿が連なって咲いている様を詠んだそうですが、面面椿だったら人面魚みたいで怖いよね、たくさん咲いてもホラー、散って足元にたくさんあったら ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ ! どこにも風情がない妄想だわ。
*****
質問する、という意味での「きく」の場合、「聞く」と「訊く」のどちらを使うのがいいのだろう? と思ったことがあります。こちらの記事は(長いのですが)いろんな例が出ていて、そうなんだ…!と勉強になりました。自分の読んだことがある作家さんが使っているから、この記述が正しい!という思い込みは危険ですね。
https://takeda25.hatenablog.jp/entry/20121113/1352799353
*****
桜に椿、最後は「きく」でアタマがお花畑の記事にお付き合いいただき、ありがとうございました〜気温の変化が激しいですが、皆さま、どうぞお身体に気をつけて楽しい週末をお過ごし下さいませ*.゚+ヽ(○・▽・○)ノ゙ +.゚*
(*)http://small-life.com/archives/11/03/2321.php
*****
V6解散のニュースに「ブルータス、お前もか」な気分になりましたが、やっぱりジャニーさんがいなくなったことやメンバーみんなが不惑(40歳)を過ぎたこともあるんでしょうか。ダンナさんが「岡田くんのお嫁さんの宮崎あおいってだれ?」と言われた時に頭に浮かんだのは山ちゃんの奥さんの蒼井優でした……もう芸能人がわからない!
岡田くんが主演した葉室麟さんの『散り椿』という作品。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321407000222/
小説も映画も未読、未視聴なんですが、桜も椿も日本を代表する花ですよねぇ。万葉集には「つらつら椿」(*)が出てくるそうで……一瞬、妖怪の名前かと思ってしまいました。椿が連なって咲いている様を詠んだそうですが、面面椿だったら人面魚みたいで怖いよね、たくさん咲いてもホラー、散って足元にたくさんあったら ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ ! どこにも風情がない妄想だわ。
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質問する、という意味での「きく」の場合、「聞く」と「訊く」のどちらを使うのがいいのだろう? と思ったことがあります。こちらの記事は(長いのですが)いろんな例が出ていて、そうなんだ…!と勉強になりました。自分の読んだことがある作家さんが使っているから、この記述が正しい!という思い込みは危険ですね。
https://takeda25.hatenablog.jp/entry/20121113/1352799353
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桜に椿、最後は「きく」でアタマがお花畑の記事にお付き合いいただき、ありがとうございました〜気温の変化が激しいですが、皆さま、どうぞお身体に気をつけて楽しい週末をお過ごし下さいませ*.゚+ヽ(○・▽・○)ノ゙ +.゚*
(*)http://small-life.com/archives/11/03/2321.php
rohengram799 at 11:05|Permalink│Comments(6)
2017年05月17日
起雲便りNo.16:花と茶と鉄
5月も半ばを過ぎました。比較的新しい季語に「新樹光」というのがあるそうです。「新樹」だけはよく聞きましたが「光」という一文字が加わるだけで、場景があざやかになりますね。
「花笑み(はなえみ)」という言葉もよく聞きます。この花はわたしです。やっと綺麗に咲いたのです・・・は桜田淳子さんの♪三色すみれの冒頭のセリフですが、この花は百合をさしているようです。
万葉集に「道の辺の草深百合の花笑みに笑みしがからに妻と言ふべしや(作者不詳)や「夏の野の茂みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものぞ(坂上郎女)という歌があるそうで、花全般を指すのではなく「花笑み」の「花」は百合で季節は夏になるとか。清楚な美人の微笑み、日本画のイメージですね。
季語の「花」は桜、「山笑う」も春の季語なので満開の桜の吉野山などを想像していましたが、山自体はいろんなものが芽吹いてハーレム状態でウハウハなのかも?とまだバカな子とを考えてしまいました~1年を通して山にはその時々の美しさがありますから、花の有無は関係ないと思いますが(^^;)))
八十八夜も過ぎましたが「空茶(からちゃ)」という言葉があるのですね。お茶菓子がなくても、なにかお茶請けとなるものを出すことがマナーだと。ウチは商売をしていたので、お菓子も漬け物も売るほどある状態、お茶請けがないということはなく、こんなにいろいろどうするんだ?でした。だから「空茶で失礼ですが」と言うことはなかったなぁと思い出しました。
「お持たせ」という言葉も最近になって知りました。お客さまが持ってきたものを、その人にもてなしとして直接出す時に、もてなす方が言う言葉ですね。こんな品のいい言葉ではなくて「もらったもんをすぐに出してわりいじゃん」「早速もろうじゃん」と方言丸出しで母が言っていたのを思い出しました。だいたい遠方からのお客様からいただいた物はお仏壇直行で、お客様が帰られてから「食べていい?」状態だったので(;´∀`)
話は変わりますが、佐川光晴さんの『鉄道少年』を読みました。国鉄が健在だった1981年、北海道から東京までひとりで旅をする不思議な男の子が・・・室蘭本線、中央線、東海道線、相模線・・・彼の存在は出会った人々の記憶に深く刻まれます。彼はなぜひとりで旅しているのだろう? 成長した男の子は鉄道に関わる仕事につき、父親になろうとしています。5歳以前の記憶がない彼は、思いがけない形で自らの過去を知ることになります。
鉄ちゃん鉄子でなくても大丈夫(笑) たくさんのいろんな職種の人が鉄道を支えているのだということがわかります。そして、自分が小さい頃にガタゴト電車に揺られて母や兄と!また祖父と出掛けたことなどを思い出しました。甲府に行くのに「往復切符」があったのですよ~今だったら切符を買うよりSuicaでスマートに!ですよね~あの硬い切符が懐かしい! そして学割で東京に行くより「東京自由切符」を買ったほうが安い!とか言って友だちとキャーキャーしていた時代がよみがえる~!
花の道、茶の道、鉄の道・・・これからの人生が荊(いばら)の道になりませんように・・・(;´Д`)
「花笑み(はなえみ)」という言葉もよく聞きます。この花はわたしです。やっと綺麗に咲いたのです・・・は桜田淳子さんの♪三色すみれの冒頭のセリフですが、この花は百合をさしているようです。
万葉集に「道の辺の草深百合の花笑みに笑みしがからに妻と言ふべしや(作者不詳)や「夏の野の茂みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものぞ(坂上郎女)という歌があるそうで、花全般を指すのではなく「花笑み」の「花」は百合で季節は夏になるとか。清楚な美人の微笑み、日本画のイメージですね。
季語の「花」は桜、「山笑う」も春の季語なので満開の桜の吉野山などを想像していましたが、山自体はいろんなものが芽吹いてハーレム状態でウハウハなのかも?とまだバカな子とを考えてしまいました~1年を通して山にはその時々の美しさがありますから、花の有無は関係ないと思いますが(^^;)))
八十八夜も過ぎましたが「空茶(からちゃ)」という言葉があるのですね。お茶菓子がなくても、なにかお茶請けとなるものを出すことがマナーだと。ウチは商売をしていたので、お菓子も漬け物も売るほどある状態、お茶請けがないということはなく、こんなにいろいろどうするんだ?でした。だから「空茶で失礼ですが」と言うことはなかったなぁと思い出しました。
「お持たせ」という言葉も最近になって知りました。お客さまが持ってきたものを、その人にもてなしとして直接出す時に、もてなす方が言う言葉ですね。こんな品のいい言葉ではなくて「もらったもんをすぐに出してわりいじゃん」「早速もろうじゃん」と方言丸出しで母が言っていたのを思い出しました。だいたい遠方からのお客様からいただいた物はお仏壇直行で、お客様が帰られてから「食べていい?」状態だったので(;´∀`)
話は変わりますが、佐川光晴さんの『鉄道少年』を読みました。国鉄が健在だった1981年、北海道から東京までひとりで旅をする不思議な男の子が・・・室蘭本線、中央線、東海道線、相模線・・・彼の存在は出会った人々の記憶に深く刻まれます。彼はなぜひとりで旅しているのだろう? 成長した男の子は鉄道に関わる仕事につき、父親になろうとしています。5歳以前の記憶がない彼は、思いがけない形で自らの過去を知ることになります。
鉄ちゃん鉄子でなくても大丈夫(笑) たくさんのいろんな職種の人が鉄道を支えているのだということがわかります。そして、自分が小さい頃にガタゴト電車に揺られて母や兄と!また祖父と出掛けたことなどを思い出しました。甲府に行くのに「往復切符」があったのですよ~今だったら切符を買うよりSuicaでスマートに!ですよね~あの硬い切符が懐かしい! そして学割で東京に行くより「東京自由切符」を買ったほうが安い!とか言って友だちとキャーキャーしていた時代がよみがえる~!
花の道、茶の道、鉄の道・・・これからの人生が荊(いばら)の道になりませんように・・・(;´Д`)
rohengram799 at 14:03|Permalink│Comments(4)
2012年05月31日
あかね雲便りNo.37:花笑み、山笑う
昭和の時代、イラクにあるネアンデルタール人の遺跡を発掘していたアメリカの考古学者が、遺跡のまわりに大昔の花粉がこぼれているのを発見したことがあるそうです。調べてみると、それは菊やスミレなど美しい花のもので、同年代のもの…そしてまわりにあったのではなく、わざわざ近くの山に花を摘み行き、飾っていたらしいということでした。
ネアンデルタール人は約10万年前の人(?)と言っていいのかしら…太古から人には花を愛でる気持ちがあったのですね~なんだかあたたかい気持ちになります。
「花笑み」は花が咲いたようにパッと明るくなる笑顔のこと。木々が芽吹いた春の山が「山笑う」です。「笑う」には「つぼみが開く」という意味があるそうです~女子中・高生が友だちと楽しく笑いながら通りすぎていく姿などはそんなイメージでしょうか?夏服になるとまたイイですが(*^^*)←おやぢが抜けない!!
『腹にある家動かして山笑う』(高浜虚子)
春が来た!!の喜びあふれたこの句とは違い、まさに「花」でも「山」でもなく「腹」が笑うという表現がピッタリあいそうなワタクシ('~`;)梅雨入りを前に体調管理に気をつけていきたいと思います!!
ネアンデルタール人は約10万年前の人(?)と言っていいのかしら…太古から人には花を愛でる気持ちがあったのですね~なんだかあたたかい気持ちになります。
「花笑み」は花が咲いたようにパッと明るくなる笑顔のこと。木々が芽吹いた春の山が「山笑う」です。「笑う」には「つぼみが開く」という意味があるそうです~女子中・高生が友だちと楽しく笑いながら通りすぎていく姿などはそんなイメージでしょうか?夏服になるとまたイイですが(*^^*)←おやぢが抜けない!!
『腹にある家動かして山笑う』(高浜虚子)
春が来た!!の喜びあふれたこの句とは違い、まさに「花」でも「山」でもなく「腹」が笑うという表現がピッタリあいそうなワタクシ('~`;)梅雨入りを前に体調管理に気をつけていきたいと思います!!
rohengram799 at 11:51|Permalink│Comments(10)