希望

2016年02月25日

凍雲便りNo.12:雪根開き~きぼうの唄

昨晩は冷えましたね! 起きて外を見たら車や植え込みに雪が部分的に積もっていました(^^;)(;^^)


今日の記事タイトルの「雪根開き」は春の季語です。植物は雪や寒さが勝っている間はジッと我慢していますが、寒さが緩んでくると生き物の熱で周りの雪が解けてきます……木や植物のまわりだけ丸くとけてはじめて土が見えている、アレのことです~「木の根開く」という季語もあるようですね。



話はかわりますが、この前『きぼうの唄』を教えていただいたのでYouTubeで聴いてみました。


♪きっとだいじょうぶ ずっと超えてきた
悲しみを越え 今を重ね
あなたと私をつなぐ
きぼうの唄……


「きぼうの唄」(作詩:伊藤一樹・作曲:石若雅弥)の作詞者である伊藤さんは書画家で2012年から作詞をしているそうです。歌詞がだれにでもわかるやさしい言葉で、スーッと心にしみわたります。そして昔、現国で習った魯迅の『故郷』の最後の一文がうかんできました。


《思うに希望とは、もともとあるものともいえぬし、 ないものともいえない。
それは地上の道のようなものである。
もともと地上には道はない。
歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。》


震災がある度に復興応援ソング的なものが出来て巷に流れ、そんなのなんの役に立つの?とかきれいごとだとか、その時期だけマスコミに取り上げられてみんな忘れてるんじゃないかとか、いろいろ思うことっあると思います。この歌詞を読んでも「きぼう?なにそれ?」と感じる人もいるかもしれない……でも細く長く途切れない道の一部を自分も造れるんじゃないか、石をひとつ拾うくらいは出来るんじゃないか……と。


「神戸から東北へ」だけでなく、頑張ってきた昔の自分へのメッセージのように受け取った私です。ぜひ皆さまも一度聴いてみて下さいませ。

ブログ:http://ameblo.jp/iyashi-sakka

【きぼうの唄】
https://youtu.be/31TlDwKxiwg
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rohengram799 at 09:34コメント(6) 

2015年11月29日

暁雲便りNo.35:紫のウチとソト

『長く黒い髪と、重い十二単の下で、紫式部はどのような欲望をたぎらせていたのか。源氏物語の中に、そのヒントは隠されています。一つ一つの欲望をつまびらかにすることによって、源氏物語と紫式部とは、私達にとってより身近なものになるのではないかと、私は思っています。』


酒井順子さんの『紫式部の欲望』をイッキ読みしました! 源氏物語は大和和紀さんの漫画も途中で人物の区別がつかなくなり読むのをやめてしまい、宝塚の舞台も観たことがなく、昔見たテレビでは赤鼻の末摘花と生き霊の六条御息所しか記憶になく……それに名前だけ知っていても女だと思っていた人が男だったり……(((^^;) 


源氏物語は長保3年(1001年)には、ある程度完成したと言われる小説。全54帖に及び、文字数は約100万(400字詰め原稿用紙で約2400枚)の大長編。70年間にも渡るストーリーには、約500名の人物と約800首の和歌が登場……紫式部が才女だったとわかりますわ。


私は酒井さんの本を文庫で買ったのですが、200ページくらいで読みやすく、登場人物の性格も当時の風習・風俗などわかりやすく書かれていたし、巻末に簡単なあらすじや相関図もあって大変助かりました! 紫式部も今の私たち(?)と変わらぬ妄想をたくましくして「秘密をばらしたい」「ブスを笑いたい」「専業主婦になりたい」など、物語の中で日々の暮らしのストレスを物語にして発散していたのだと思える笑えるエッセイでした。解説は三浦しをんさん。「本書を読むとうなずきすぎて首がむち打ちになる。」……確かに! 学校の授業でもコチラを教材にしたらいいのに……と思いましたわ。


学校でちょっと思い出したことがあります。川原泉さんの漫画に『笑う大天使(ミカエル)』というお嬢様学校が舞台の作品があります。昭和60年代ですよ、昔話が好きですみません! 主役は巨大な猫をかぶった3人の娘さん(笑) 源氏物語を読んでレポート提出しなさい!という話があるのですが、架空のプレイボーイ(これも懐かしい響きがあるなぁ)光の君に腹を立てまくり、それぞれの印象は《知的ブレーキのあまり利かない性格か或いはブレーキ自体が存在しない質(たち)の「歩く煩悩様」の典型的な例》《性的衝動の赴くまま他を顧みる事無く自らの欲望を満足させなければ気が済まない「性衝動人」》《独りよがりの悩みで周囲の人々を不幸に巻き込むだけでなくさらにその執着心と多情さで不幸を拡大させるという「増殖ワラジムシ」》とかなり辛辣! 今の女子高生だったら光源氏にどんなキツい言葉を浴びせるのかしら? それともただギャハハ(o^ O^)シ彡☆と笑い飛ばすのかしら?



同じ望みでも「希望」というと清らかな関係、「欲望」というとドロドロなお肉の関係なイメージなんですが(あくまでおやぢなワタクシの場合)エーリッヒ・フロムという心理学者は『私たちの欲望は「外に対して願望を持つ」ということ』と言っているらしい。地位や名声、財産などを求めることは外の願望で、希望は内なるもの。紫式部には希望ではなく欲望を感じた酒井順子さんはさすが!なのかも(≧∇≦)



明後日はもう師走。気温も低くなってきました。皆さま、お身体に気をつけて下さいませ。





rohengram799 at 20:51コメント(8) 
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