恋愛詩集
2019年01月26日
萌月雲便りNo.26:好日
山本おさむさんの漫画に『天上の弦』という漫画があります。
http://konomanga.jp/guide/9797-2
この中にも出てきた(と記憶している)『今日は死ぬにはもってこいの日』。
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/will3104/entry-12093280493.html%3Fusqp%3Dmq331AQGCAEYASgB
そして、これを思い出すような天野忠さんの詩。小池昌代さん編著の『恋愛詩集』から。
『好日』 天野 忠
おじいさんと
おばあさんが
散歩している。
人通りの少ない公園裏の
陽のあたるおだやかな景色の中を。
おじいさんと
おばあさんが
うなぎ丼を食べている。
おじいさんがすこし残したので
おばあさんがたしなめている。
おじいさんと
おばあさんが
鳩に餌さをやっている。
本願寺さんの広い庭で
坊さん同士が鉢巻きをして喧嘩した庭で。
おじいさんと
おばあさんが
夕暮れの景色を見ている。
「すこし寒いようだね」とおじいさんが言う
「ええ すこし」とおばあさんがうなづく。
おじいさんと
おばあさんが
一つ蒲団の中で死んでいる。
部屋をキチンと片づけて
葬式代を入れた封筒に「済みません」と書いて。
小池昌代さんの言葉:
夫婦をまっとうし、けりをつける。ユーモラスに、壮絶に。日々、是、好き日なり。死ぬ日もまた。生の重みを羽根の軽さで書く。その落差にめまいがおこる名作だ。
http://konomanga.jp/guide/9797-2
この中にも出てきた(と記憶している)『今日は死ぬにはもってこいの日』。
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/will3104/entry-12093280493.html%3Fusqp%3Dmq331AQGCAEYASgB
そして、これを思い出すような天野忠さんの詩。小池昌代さん編著の『恋愛詩集』から。
『好日』 天野 忠
おじいさんと
おばあさんが
散歩している。
人通りの少ない公園裏の
陽のあたるおだやかな景色の中を。
おじいさんと
おばあさんが
うなぎ丼を食べている。
おじいさんがすこし残したので
おばあさんがたしなめている。
おじいさんと
おばあさんが
鳩に餌さをやっている。
本願寺さんの広い庭で
坊さん同士が鉢巻きをして喧嘩した庭で。
おじいさんと
おばあさんが
夕暮れの景色を見ている。
「すこし寒いようだね」とおじいさんが言う
「ええ すこし」とおばあさんがうなづく。
おじいさんと
おばあさんが
一つ蒲団の中で死んでいる。
部屋をキチンと片づけて
葬式代を入れた封筒に「済みません」と書いて。
小池昌代さんの言葉:
夫婦をまっとうし、けりをつける。ユーモラスに、壮絶に。日々、是、好き日なり。死ぬ日もまた。生の重みを羽根の軽さで書く。その落差にめまいがおこる名作だ。