朝刊太郎

2018年04月29日

清和雲便りNo.30:配達

♪僕のアダナを 知ってるかい 朝刊太郎と 云うんだぜ~


この歌のタイトルは「新聞少年」なんですね。ずっと「朝刊太郎」だと思っていました。そして歌詞も♪オレの名前を知ってるかい 朝刊太郎というんだよ~ だと思っていました。まぁリアルタイムで聞いていた世代ではないので仕方ないですよね~(^o^;)



昔のアニメや芸能人などの再現ドラマでは、小学生が新聞配達をしている場面がありますが、今はダメなんですよね。私が小学生の頃はまだ配達や広告の折り込みをしている同級生がいたように記憶しているのだけれど(ウチは自営業だったので、ちょっと憧れだった)いつからダメになったんだろう?



高見順の詩『おれの期待』は、病床で新聞配達の姿を見て書かれた作品のようです。最後の一行、私も「空のお城通信」を(妄想と邪な心を込めて)ずっと配達できたらいいなと思います・・・ってGWとか関係なくブログは書いているし。「恐怖新聞」にならないように気をつけます・・・(;・ε・ )




『おれの期待』       


徹夜の仕事を終えて
外へおれが散歩に出ると
ほのぐらい街を
少年がひとり走っていた
ひとりで新聞配達をしているのだ


おれが少年だった頃から
新聞は少年が配達していた
昔のあの少年は今
なにを配達しているだろう
ほのぐらいこの世間で


なにかおれも配達しているつもりで
今日まで生きてきたのだが
人々の心になにかを配達するのが
おれの仕事なのだが
この少年のようにひたむきに
おれはなにを配達しているだろうか


お早う けなげな少年よ
君は確実に配達できるのだ
少年の君はそれを知らないで配達している
知らないから配達できるのか
配達できるときに配達しておくがいい
楽じゃない配達をしている君に
そんなことを言うのは残酷か


おれがそれを自分に言っては
おれはもうなにも配達できないみたいだ
おれもおれなりに配達をつづけたい
おれを待っていてくれる人々に
幸いその配達先は僅かだから
そうだ おれはおれの心を配達しよう


(高見順)






rohengram799 at 10:42コメント(2) 
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