備忘の果実 〜オスカー戯言日記〜

好きなことを好きな時にチマチマと書いています☘️

タグ:杉浦日向子

大洋時代文庫から出ている『闇の恋唄 占い屋福兵衛禊ぎ払い』(村咲数馬)を読みました。必殺仕事人のライトversionみたいな作品。ちょっと中途半端な感じがしますが、お気楽に楽しめるかな、という感じ。平成18年発行なのに、表紙イラストともにどことなく昭和な雰囲気が・・・(^o^;)

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784813070542?bm=9784813070542


遊女のおまじないの変形、みたいな、カエルの折紙をかんざしで床柱にはりつけ!が出てきたのですが、指切りけんまんだけでなくいろんなものが遊廓の女たちから生まれたんだなぁと思いましたわ。人の気持ちが文化やら芸術やらを造り出し、発展させていくのですね~!

http://viva1213.exblog.jp/17978029/



鼻血を止めるには→血が出てるのが左の鼻なら左のタマタマ、右なら右両方なら両方をしっかり握ると良い」らしい・・・というのも『一日江戸人』には書いてあるようです。女性はお乳だそう。ショック療法的なのものかしらん?

https://www.shinchosha.co.jp/book/114917/



お乳といえば、母乳で育てないとダメよ!とまわりから言われたママさんも多いと思いますが、江戸時代には擬宝珠に水をかけて、お乳の出がよくなりますように、というおまじないが流行ったようです。擬宝珠がついている橋は日本橋、新橋、京橋の三橋。現代でも母乳だけでなく、乳ガンなどお乳に関する女性の悩みはたくさんありますが、こちらにもたくさんの女性が参拝されるようです。


《間々観音》
https://mamakannon.wixsite.com/index/home


絵馬が・・・スゴい!゚+。:.゚(*゚Д゚*)゚.:。+゚




皆さま、胸おどる週末をお過ごし下さいませ!



表現もタイトルもインパクトがある、平山夢明さんの『大江戸怪談 どたんばたん(土壇場譚)』を読みました。怖い話を書く人だという認識はあったので、ドキドキしながら本を開いたのですが。最初に「日向ちゃんへ、そっちの暮らしどうだい?」と、亡くなられた杉浦日向子さん(漫画家、江戸風俗研究家、エッセイスト。 兄はカメラマンの鈴木雅也。元夫は作家・博物学者の荒俣宏。)への挨拶があり、ちょっと胸がキュンとなりましたわ。『百物語』がどんなに素敵かというのが、前口上(前書きかな)でわかりました。


前口上に「舌代」という言葉が出てきました! はじめて聞く言葉です。平山さんも

・・・したがわり(棒点付で強調)ったっていうんだから屹度(きっと」、『ウチのはお客の代わりに味見した保証付きの品物難ですよ』って意味だろうと思っていたら、落語に謎解きがあって、あれば当時は字の読めない人もあったので大抵の蕎麦屋や小料理屋なんぞでは小僧が『ウチでできますものはぁ~』なんてメニューを口で云った。その口上の代わりで〈舌代〉なんですね。・・・(p9)


ちなみに読み方は「ぜつだい」(または、しただい)です。調べてみると、飲食店の品書きのはじめに「申し上げます」の意で、あいさつや値段表などの初めに書く語なんだそうです。本当なら直接説明しないといけないのですが、張り紙でごめんなさい!みたいに気持ち難でしょうか? 私は見たことがないのですが、メニューの前にこの言葉が書いてあるお店もあるようです。「お主、なかなかやるな」という感じでしょうか(笑)



本の内容ですが、昔話みたいなほのぼの系や気持ちワルイ系、セクシーホラーやグロいホラー、正統派ホラーなど・・・一編がそんなに長くないし、読みやすいです。必ず気に入る作品が見つかるはずです~たまにある挿し絵がまたたまらないです(((^^;)



私がひょえ~!と思ったのは、土の中に埋まっていた女を助けたのはいいけれど信じられないくらいにブヨブヨした身体で嗤う(この「わらう」という文字がコワイ!)異形過ぎる存在で・・・平安美人に高見山の身体を2倍、2倍(古すぎてわからないかしら💦)以上にした饅頭女が

それは、ゆっくりと己が小指を噛むと呟いた。
・・・・・・娶(めと)られよぅ。


((((;゜Д゜)))・・・・・・コワイ、コワイ、コワイ! 夜中にひとりで映画の『キャリー』を見ていて、最後のお墓参りの場面にギャー!となったのと同じくらいコワイよ~! また挿し絵がいい味を出しすぎています・・・本屋で立ち読みする時には、気をつけて下さいませ!


関係ないですが、古書店用語で、葬式で饅頭を配ることが多かったことから、個人の追悼のために配られる追悼文集あるいは遺稿集のことを「饅頭本」というそうです。



「土壇場譚」を「どたんばたん」として、うまいなぁ~!と思っていたので、一番最初の話が「魚籠盗り」だったので「ビクトリー(victory)」に掛けてあるのかと思って読みましたが、違いました(;゜゜) あと江戸時代らしく(?)猫の話もいくつかありました。ホロリからホラーまで、お好きな猫を選んで下さいませ(笑)



昨日から目がかゆくなってきました! 花粉症🎄🌁😵の季節がやってきたm(。≧Д≦。)m 皆さまもお身体に気をつけて下さい!



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