沖縄慰霊の日

2024年06月16日

姫楮雲便りNo.10:これから

こんにちは🥸


今日は「父の日」ですね。


『尾なし犬』(佐野良二)という戦後の話を読みましたが、父親との会話がなんとも言えない……病気で亡くなった兵隊さんの方が多いのではないだろうか。



「怪我も病気もせんかったか」
 父の問いに忠夫は答えた。
「マラリヤに罹りかけたが大したことはなかった。でもフィリピンの山の中でひどい目に遭ったよ。おれは機関銃兵だから――機関銃ってのは通常四人で運ぶんだけどさ、戦闘になったら二人で運ばなければならないときもある。死に物狂いになれば力は出るもんだが、踏ん張っとるうちに脱腸になっちまった」
「…………」



歳の離れた妹目線で語られるのだけれど、兄には恋人がいたらしい。しかし彼女は苦しい生活と兄の生死もわからない中、別の人と結婚。兄は深く傷つき荒れるが、一家(両親、兄、姉ふたりに主人公)の柱として必死で食糧確保をしてくれた。犬が好きな方にはこの時期ならではのショックな場面があるのでご注意😓

https://www.aozora.gr.jp/cards/000054/card670.html



来週23日は『沖縄慰霊の日』。
今年の「平和の詩」は沖縄県立宮古高校3年 仲間友佑さんのこちらの詩が選ばれたそうです。



『これから』


短い命を知ってか知らずか
蝉が懸命に鳴いている
冬を知らない叫びの中で
僕はまた天を仰いだ

あの日から七十九年の月日が
流れたという
今年十八になった僕の
祖父母も戦後生まれだ
それだけの時が
流れたというのに

あの日
短い命を知るはずもなく
少年少女たちは
誰かが始めた争いで
大きな未来とともに散って逝った
大切な人は突然
誰かが始めた争いで
夏の初めにいなくなった
泣く我が子を殺すしかなかった
一家で死ぬしかなかった
誰かが始めた争いで
常緑の島は色を失くした
誰のための誰の戦争なのだろう
会いたい、帰りたい
話したい、笑いたい
そういくら繰り返そうと
誰かが始めた争いが
そのすべてを奪い去る

心に落ちた
暗い暗い闇はあの戦争の副作用だ
微かな光さえも届かぬような
絶望すらもないような
怒りも嘆きも失くしてしまいそうな
深い深い奥底で
懸命に生きてくれた人々が
今日を創った
今日を繋ぎ留めた
両親の命も
僕の命も
友の命も
大切な君の命も
すべて

心に落ちた
あの戦争の副作用は
人々の口を固く閉ざした
まるで
戦争が悪いことだと
言ってはいけないのだと
口止めするように
思い出したくもないほどの
あの惨劇がそうさせた

僕は再び天を仰いだ
抜けるような青空を
飛行機が横切る
僕にとってあれは
恐れおののくものではない
僕らは雨のように打ちつける
爆弾の怖さも
戦争の「せ」の字も知らない
けれど、常緑の平和を知っている
あの日も
海は青く
同じように太陽が照りつけていた
そういう普遍の中にただ
平和が欠けることの怖さを
僕たちは知っている

人は過ちを繰り返すから
時は無情にも流れていくから
今日まで人々は
恒久の平和を祈り続けた
小さな島で起きた
あまりに大きすぎる悲しみを
手を繋ぐように
受け継いできた

それでも世界はまだ繰り返してる
七十九年の祈りでさえも
まだ足りないというのなら
それでも変わらないというのなら
もっともっとこれからも
僕らが祈りを繋ぎ続けよう
限りない平和のために
僕ら自身のために
紡ぐ平和が
いつか世界のためになる
そう信じて

今年もこの六月二十三日を
平和のために生きている
その素晴らしさを噛みしめながら
        


https://ryukyushimpo.jp/news/entry-3170327.html



【ゼレンスキー氏のXへの投稿によると、2024年に日本はウクライナに45億ドルを提供するほか、協定に基づき支援を継続する。この協定には安全保障および防衛面での支援、人道援助、技術および資金協力が想定されているとした。】


こんなニュースを見聞きするといつまでも戦争は終わらない、戦争継続に加担しているように思えて仕方ないです。岸田総理って外国にはものすごくいい顔をするよなぁ〜(# ゚Д゚)!って思います。





rohengram799 at 10:50コメント(0) 

2023年06月23日

暑劇雲便りNo.15∶夕焼け

 夕焼け   高田敏子


   夕焼けは
   ばら色
   世界が平和なら
   どこの国から見ても
   どこの町から見ても
   夕焼けは
   ばら色

   夕焼けが
   火の色に
   血の色に
   見えることなど
   ありませんように。



戦後78年目の「沖縄慰霊の日」🐦
https://ryukyushimpo.jp/photo/entry-1722627.html




rohengram799 at 20:10コメント(4) 

2022年06月24日

花香美雲便りNo.15:日々大事

紫陽花のまだ色浅き日々大事  小川軽舟(※)


昨日は「沖縄慰霊の日」でした。沖縄全戦没者追悼式」が糸満市の平和祈念公園で営まれ、沖縄市立山内小2年の徳元穂菜さん(7)が「平和の詩」を朗読。こちらがその全文です。  

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1529891.html



尼崎市の全市民46万人の情報を記録したUSBメモリ紛失のニュースなど、信じられない出来事も。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202206/0015410231.shtml


漫画『コウノドリ』で新型コロナウィルス編が連載中なんですが、いろんな規制が緩和されてみんな過去の出来事になって浮ついているのかなと、泥酔して路上で寝たとかいうニュースを聞くと思います。

https://morning.kodansha.co.jp/news/5459.html



いろいろありますが、とにかく自分がシッカリしないと、シャキッ!!としないと、とあらためて思ったワタクシです。

来週はもう7月。あまり雨も降らなくて水不足になるのかな?と心配になりますが、皆さま、どうぞご自愛下さいませm(_ _)m



(※)https://takahaikukai.com/current-president/



rohengram799 at 08:55コメント(8) 

2021年06月23日

清遊雲便りNo.14:いつの世までも

今日は「沖縄慰霊の日」ですが、知らない人の方が多いのですね。私も名称を知っているというだけで沖縄戦について何かを語れるわけではないのですが。

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www.okinawatimes.co.jp/articles/amp/774415%3Fusqp%3Dmq331AQIKAGwASCAAgM%253D


以前、共同通信の【A級戦犯7人、太平洋に散骨】という記事を読みました。

 第2次大戦後、極東国際軍事裁判(東京裁判)で死刑判決を受けた東条英機元首相らA級戦犯7人の遺骨について、米軍将校が「太平洋の上空から私がまいた」と記した公文書が、6日までに見つかった。米軍による具体的なA級戦犯の遺骨処理の方法が公文書で判明するのは初。遺骨は遺族に返還されず、太平洋や東京湾にまかれたとの臆測はあったが、行方は昭和史の謎だった。

 文書は、占領期に横浜市に司令部を置いた米第8軍が作成。日本大生産工学部の高澤弘明専任講師(法学)が米国立公文書館で入手した。詳細が記載されていたのは、7人が処刑された1948年12月23日付など2種類の極秘文書。


年月の経過により明らかになることもあるし、また今後をどうするか、ということも。

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www.okinawatimes.co.jp/articles/amp/748880%3Fusqp%3Dmq331AQIKAGwASCAAgM%253D


【沖縄戦の戦争遺品】
https://www.shinnihon-net.co.jp/general/detail/code/978-4-406-06561-0


*****


昨日の読売新聞・四季 に


恋心涼しミンサー織涼し 木暮陶句郎(*)


という俳句が……。昨年の初夏の頃、ミンサー織を知った時に書いたSSを思い出しました。拙いものですが、よろしければ……m(_ _)m

【いつの世までも】
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12849057



木暮さんは陶芸家でもあります。句集『陶治』の「美しき噓の溶け込む花の酒」も、なんて素敵💕(語彙力無し)と思いました (*´ω`*)



ではでは……どうぞおだやかな1日でありますように
ヾ(´ー`)ノ



(*)句集『薫陶』より
https://fragie.exblog.jp/32319444/


rohengram799 at 10:00コメント(6) 

2019年06月22日

林鐘雲便りNo.21:海の記憶

6月6日は「兄の日」でしたが、ほかにもいろんな記念日になっていました。この日の新聞一面には新聞に「ノルマンディー75年」の見出しが。ノルマンディーに上陸した記念日、と言っていいのか。



聞いたことはあるし、海ガメが産卵のためにやってくる様子をパロって「ノルマンディー上陸作戦」とか言ったりしますが(ゲルマン民族の大移動とか、体育館から各教室に移動する様子を表すのに使ったりしていた)、実際は大変に悲惨だった(インパール作戦に対する言葉と同じだ)という抽象的なことしか知らないので、一番わかりやすくまとめてありそうな記事を読みました。

https://bushoojapan.com/tomorrow/2019/06/06/99878



コチラも貴重なお話。

http://kimikobotti.blog.jp/archives/52247451.html




そして明日6月23日は「沖縄慰霊の日」。琉球新報のコラム。

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-940987.html





こちらは武井清子さんの俳句です。8月が近くならないと、戦争関連の記事って目にすることが少ないですが、どこかしら戦争の跡って残っていると思います。


http://www.longtail.co.jp/~fmmitaka/cgi-bin/g_disp.cgi?ids=20080826&tit=%95%90%88%E4%90%B4%8Eq&tit2=%95%90%88%E4%90%B4%8Eq%82%CC



こちらは短歌からの考察。

http://krey0806.blog.fc2.com/blog-entry-20.html?sp




実体験のない人間が何を……、と言われそうですが、きっと忘れてしまうと思うので、あれは…とまた頭に浮かんだ時に手がかりを残しておきたいなと思って、ブログをメモがわりにしています。そんな私がこの時期、いつも思い出すのは文挟夫佐恵(ふばさみ・ふさえ)のこの俳句です。



『艦といふ 大きな棺 沖縄忌』




rohengram799 at 21:47コメント(2) 
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