湊かなえ

2011年11月02日

ひつじ雲便り530:『最後の証人』の『告白』

今は裁判員裁判の記事を新聞などで見ることが少なくなりましたが、どこかで裁判は行われているのですよね。


『最後の証人』は交通事故でひとり息子を亡くした夫婦が、権力を利用し不起訴になった犯人に復讐をする物語で、タイトル通り「最後の証人」が裁判で重要な役割を果たします。ただの検察や弁護士作品ではなく、喪黒福造ではないけれど「取り扱うものは心」って感じです。


この作品の前に映画にもなった『告白』も読みましたが、こちらもひとり娘を殺されたことに対して母親が復讐する物語。


はらせぬウラミをはらします…で、必殺仕事人に依頼をする人もいれば自分で敵討ちをしようとする人もいたわけで…復讐と敵討ちは同意語になるの?法律がダメなら自分の手で…と思うのは愛する者を理不尽に奪われた人なら当然考えることで…。
犯人が反省しているから許してやれよ、とかいう問題ではありませんし…。


罪を憎んで人を憎まずと言われても「わかりました」とは素直に言えないですよね~(-_-;)「償い」というものは一体誰に対してのもので、どの方法が正しいのか…。


しばらく忘れていましたが、自分に裁判員のお知らせなんかきたらどうしたらいいの!?とアセアセになった本でありました。



rohengram799 at 10:10|PermalinkComments(13)
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