源氏物語

2018年01月15日

新光雲便りNo.9:シャイニング・プリンス✨

本当なら、という言い方もおかしいけれどもやっぱり「成人の日」は今日、1月15日だよなぁ、と思ってしまいます。



さてさて・・・詩人の森山恵さんと俳人の毬矢まりえさんのが共訳した『源氏物語』がなんかスゴいらしいです。お二人は姉妹。森山さんが妹です。


アーサー・ウェイリー(Arther Waley 1889~1966年)という人が、独力で翻訳した『源氏物語』の英訳版を、また日本語で訳したもの。左右社よりの刊行。定価3200円+税でなかなかのお値段ですが、 表紙がクリムトなのがステキ♪o((〃∇〃o))((o〃∇〃))o♪


http://sayusha.com/catalog/p9784865281637




光源氏は「ゲンジ」となり、物語はこんな風にはじまります(ふらんす堂さんのブログ記事より)。



・・・いつの時代のことでしたか、あるエンペラーの宮廷での物語でございます。

ワードローブのレディ、ベッドチェンバーのレディなど、後宮にはそれはそれは数多くの女性が仕えておりました。そのなかに一人、エンペラーのご寵愛を一身に集める女性がいました。その人は侍女の中では低い身分でしたので、成り上がり女とさげすまれ、妬まれます。あんな女に夢をつぶされるとは。わたしこそと大貴族夫人(グレートレディ)たちの誰もが心を燃やしていたのです。・・・



グレートレディ・・・なぜかマツコ・デラックスや渡辺直美さんの姿が思い出されてしまった! そして岸田今日子さんか市原悦子さんか、樹木希林さんか・・・彼女たちのナレーションが聞こえてきそう(笑)



♪You're my only shinin' star ずっと今まで困らせて ごめんね ・・・


中山美穂さんの歌声が脳内を駆けめぐる1日になりそうです。あ、私は『源氏物語』は読んだことが ないので、最終的に光GENJIイヤ光源氏がどうなったのかも知らないです。ひとりさみしく過ごしたのかしらん?




rohengram799 at 08:27|PermalinkComments(4)

2015年11月29日

暁雲便りNo.35:紫のウチとソト

『長く黒い髪と、重い十二単の下で、紫式部はどのような欲望をたぎらせていたのか。源氏物語の中に、そのヒントは隠されています。一つ一つの欲望をつまびらかにすることによって、源氏物語と紫式部とは、私達にとってより身近なものになるのではないかと、私は思っています。』


酒井順子さんの『紫式部の欲望』をイッキ読みしました! 源氏物語は大和和紀さんの漫画も途中で人物の区別がつかなくなり読むのをやめてしまい、宝塚の舞台も観たことがなく、昔見たテレビでは赤鼻の末摘花と生き霊の六条御息所しか記憶になく……それに名前だけ知っていても女だと思っていた人が男だったり……(((^^;) 


源氏物語は長保3年(1001年)には、ある程度完成したと言われる小説。全54帖に及び、文字数は約100万(400字詰め原稿用紙で約2400枚)の大長編。70年間にも渡るストーリーには、約500名の人物と約800首の和歌が登場……紫式部が才女だったとわかりますわ。


私は酒井さんの本を文庫で買ったのですが、200ページくらいで読みやすく、登場人物の性格も当時の風習・風俗などわかりやすく書かれていたし、巻末に簡単なあらすじや相関図もあって大変助かりました! 紫式部も今の私たち(?)と変わらぬ妄想をたくましくして「秘密をばらしたい」「ブスを笑いたい」「専業主婦になりたい」など、物語の中で日々の暮らしのストレスを物語にして発散していたのだと思える笑えるエッセイでした。解説は三浦しをんさん。「本書を読むとうなずきすぎて首がむち打ちになる。」……確かに! 学校の授業でもコチラを教材にしたらいいのに……と思いましたわ。


学校でちょっと思い出したことがあります。川原泉さんの漫画に『笑う大天使(ミカエル)』というお嬢様学校が舞台の作品があります。昭和60年代ですよ、昔話が好きですみません! 主役は巨大な猫をかぶった3人の娘さん(笑) 源氏物語を読んでレポート提出しなさい!という話があるのですが、架空のプレイボーイ(これも懐かしい響きがあるなぁ)光の君に腹を立てまくり、それぞれの印象は《知的ブレーキのあまり利かない性格か或いはブレーキ自体が存在しない質(たち)の「歩く煩悩様」の典型的な例》《性的衝動の赴くまま他を顧みる事無く自らの欲望を満足させなければ気が済まない「性衝動人」》《独りよがりの悩みで周囲の人々を不幸に巻き込むだけでなくさらにその執着心と多情さで不幸を拡大させるという「増殖ワラジムシ」》とかなり辛辣! 今の女子高生だったら光源氏にどんなキツい言葉を浴びせるのかしら? それともただギャハハ(o^ O^)シ彡☆と笑い飛ばすのかしら?



同じ望みでも「希望」というと清らかな関係、「欲望」というとドロドロなお肉の関係なイメージなんですが(あくまでおやぢなワタクシの場合)エーリッヒ・フロムという心理学者は『私たちの欲望は「外に対して願望を持つ」ということ』と言っているらしい。地位や名声、財産などを求めることは外の願望で、希望は内なるもの。紫式部には希望ではなく欲望を感じた酒井順子さんはさすが!なのかも(≧∇≦)



明後日はもう師走。気温も低くなってきました。皆さま、お身体に気をつけて下さいませ。





rohengram799 at 20:51|PermalinkComments(8)

2015年02月22日

氷雲便りNo.14:ニン・ニン・ニン

今日は「2」が3つ並び、ニャンニャンニャンもしくはニャーニャーニャーで『ネコの日』と考えるのが普通だと思いますが、「忍」が3つの「人間、辛抱だ!」がアタマにうかぶおやぢであります。実際は辛抱なんて~という甘ちゃんでありますが、1日中♪だけど…忍ぶという字は難しい 心に刃を乗せるのね~時々心がいたむのは 刃が暴れるせいなのね~と因幡晃の『冬忍(すいかづら)』がリフレインでありました(; ̄ー ̄A


「忍」の文字を漢和辞典で調べていたら「忍び音」なる言葉が……そう言えば『夏は来ぬ』の歌詞に♪卯の花の匂う垣根に 時鳥(ほととぎす)、早も来鳴きて 忍音(しのびね)もらす、夏は来ぬ~ってあるなぁと……国語辞書では①あたりをはばかるようにひそやかな声②人知れず泣くこと。声をおさえて泣くこと③ほととぎすの初音。声をひそめるように鳴く……で、ほととぎすに関しては三番目の意味合いでした。この言葉はホトトギスだけに使われるのか? 謎のままですが、昔はこの忍び音をとても珍重たようで『枕草子』には初音を人より早く聞こうと夜を徹して待つ様が描かれているそうです。また知らなかったのですが(知らないことばかりだわ)「子規」ってはホトトギスの漢語的表現のひとつなんだそうです。


「忍び音」を検索していたら笠間書院から『しのびね・しら露』(中世王朝物語全集)というのがありました。この中世王朝物語というのは、平安時代末期に成立したが、その後散逸した王朝物語、ないしは南北朝時代に成立した前者の改作本のことをいうようです。典型的な悲恋遁世譚とされていて「しのびね」は悲恋に「しのび泣く」姫君を表すのではないかと。

全集には(何冊あるかはわからない)『恋路ゆかしき大将』というのもあって、これは「恋路と端山・花染の三人の貴公子の、生涯の伴侶を求める物語」なんだそう。また『山路の露』は『源氏物語』夢浮橋巻の続編!で作者未詳!! 私は源氏物語の浮舟と薫の関係とかわからないのですが(読んだことがない。大和和紀さんのマンガも途中までしか読んでいない)《中世の源氏愛好者が生み出した浮舟と薫の「その後」の物語》だそうで……なんか同人レディみたい!と思ってしまいました(^◇^) 続きが読みたいのに作者が逝去(または遅筆)でムリ、もしくは展開が気に入らない、ラストが気に入らない、だったら私が書(描)いちゃうみたいな………理想のカップリングに満足している乙女の姿が見えるような……男性ももちろんいたでしょうが、ものすごく親近感を覚えました(≧▽≦)


今日は森沢明夫さんの『海を抱いたビー玉』を読んでいます。なぜか八木重吉さんのこの詩を思い出しました。皆さまも素敵な『心の旅』の毎日でありますように(*´∀`)


《心よ》

こころよ
では いっておいで

しかし
また もどっておいでね

やっぱり
ここが いいのだに

こころよ
では 行っておいで






rohengram799 at 21:38|PermalinkComments(8)

2015年01月07日

福雲便りNo.5:着ぶくれMAX

七草粥を食べるほどお正月の食生活は豊かではなかった我が家…いつもだけど( ̄0 ̄;) 今日、ダンナさんの職場で昼のご飯はお粥らしい(給料から昼飯代は天引き)……昨日はベタな「しちぐさ」ネタで馬鹿話をしてきたようです。



月曜日から仕事始めのところが多く、都内の電車などはまた着ぶくれラッシュなのではないかしら……と思っていたら「着ぶくれ」も季語なんですね~本当に俳句って生活感があります(´∇`)


『ふるさとの山に倣(なら)ひて着膨れぬ』(恩田侑布子)



最初、この句を読んだ時には「ふるさとの山、やっぱり富士山かしら…今の富士山は雪で真っ白!! 私が真っ白なダウンなんか着たら膨張しすぎて、ベイマックスになっちゃう( ; ゜Д゜)」と思いました……!! でもきっとこの山は哀しく山肌を晒しているんじゃないかしら(ぶっちゃけて言うと「はげ山」ですな)、だから「私は着ぶくれないわよ、ヒートテックでスッキリ・スマートなの、おほほ(*^O^*)」ではないかと。


そして外見だけでなく、気持ちも一度リセットして春に備えてチカラを蓄えているのよ!!なのかなぁ……と勝手に田舎から出てきて3年目くらいの都会で働く女性の決意だとドラマを作り上げています(≧∇≦)←「着膨れぬ」の「ぬ」は完了?否定? 古文なんてキライだったので一晩悩んでいたのに(バカすぎる~)朝になったらコレだ( ̄▽ ̄;)



古文(古典?)つながりで、紫式部とその作品『源氏物語』を弔う(?)「源氏供養」があるって知っていましたか? 能の演目にもあるようですが、日本の中世に見られた文化!!だそうです。 仏教において架空の物語を作ることは「嘘をついてはいけない」という五戒の1つ「不妄語戒」に反する、とする当時の思想が背景にあり……「紫式部が源氏物語という人々を惑わす絵空事を描いたため、死後地獄に落ちてしまった( ´△`)」とする伝承をもとに、紫式部を供養しようとした行動なんだそうです。紫式部自身が「あんなの書いちゃって、黒歴史だわ(´-ω-`)」と考えていたのかと思っていたら、そうではないのですね。「余計なお世話!!」って思っていたかも(^^;)(;^^)






rohengram799 at 09:34|PermalinkComments(12)

2014年08月24日

遊雲便りNo.14:夏椿

ダンナさをが職場で会津のおみやげをもらってきました~その名は『椿餅』! 桜餅や草餅はきいたこともあるし、食べたこともあるけれど椿餅とは……箱をあけてみたら、きんつばみたいに四角い……食べた人の感想は「ゆべし」というか「ういろう」に近い食感ということでした。ダンナさんがいただいたのはコチラ、伊勢屋さんのです。


《伊勢屋 椿餅》
http://www.miru.co.jp/aizu-zensyu/aizuzensyu/2002-2/02natsu-04.html


新潟の北浦原郡水原町の名物に同じく『椿餅』というものがあるそうですが、その姿はぺらんとしていて、スゴく薄いのし餅みたい。小麦粉と砂糖と餅粉でつくられている、この地域の郷土菓子だそう。

椿餅の起源はかなり古いようです。『源氏物語』にも「干飯や餅の粉を甘葛や干柿の糖分で固め、椿の葉二枚で挟んだ菓子。多く蹴鞠の後、食する。」とあるとか←読んだことがないので(-o-;) このイメージに近いのはとらやの椿餅ではないかと思います。

http://kyoto-wagasi.com/kyo-toraya/toraya_tubaki.html


椿といいますと、寒椿みたいに冬のイメージがあるのですが「夏椿」もあるのですね。花の形が椿によく似ていて、夏に開花することから「夏椿」。学名の「pseudocamellia(プセウドカメリア)」は「にせのツバキ」という意味だそう……ちょっとかわいそうρ(・・、) 寺社の庭によく植えられているとか。だからこんな句もうまれるのでしょうか(;´д`)

『あなたとは行かない来世夏椿』(富沢敏子)

葉は楕円形で、長さ10cmくらい。椿のように厚みと光沢があるものではなくて、秋には落葉するそうです。また、幼木の樹皮は黒っぽい赤褐色なのに、成長するにつれてまだら状にはげてきて、齢を重ねた成木はなめらかな灰褐色の樹皮になるそうです。ツルツルしているのかしら……ちょっとさわってみたいかも(^◇^)

《夏椿》
http://www.hana300.com/natutu.html


来週にはもう9月ですね。雲も夏と秋が混在している感じがします。皆さま、お身体に気をつけて残暑を乗りきっていきましょう(((^_^;)




rohengram799 at 21:53|PermalinkComments(4)
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