畳句歌

2014年11月19日

琥珀雲便りNo.20:Joke With a Sorrowful Heart~悲しい気分で畳句

今日は久々に1日に2回更新~ブログを始めた頃は、サクサク毎日書いていたのですが(~_~;)


新聞やテレビでは高倉健さんの記事や話題でいっぱいでしたね。第13回日本文芸大賞エッセイ賞を受賞した『あなたに褒められたくて』というエッセイの話もありました。本屋さんに平積みになるのではないかしら? 私もタイトルは知っていましたが、読んだことはありません。


長い映画人生で出会った素敵な人たちとの関わりの中で感じたことを、一話ごと語るというスタイルで、最後はタイトルからもわかるように「お母さん」について……。ワイドショーでは特に「お心入れ」について取り上げていました。お茶の世界で、お客様へのおもてなしについての言葉らしいのですが、健さんらしくて印象深かったです。


……お心入れっていうのは、お互いにわかっているって、何も言わないで出すんだけれども、これだけはあなたのために自分は選んできたんだって言いたいけれども言わない。で、出されたほうは、これだけ気をつかっていただいて出してもらった、みんなわかってる僕、出さないものがあってもいいんじゃないかなあって思うんですよね……



話はかわりますが、和歌の仲間には、同じ単語を何度も入れて歌うものがあります。「月月に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月」……とか。これは「畳句歌」(じょうくうた)と言われて、素養のある昔の人の遊びだったようです。なんだか煙に巻かれたような気分になる歌ですから、相手によっては高尚な言葉遊びを理解出来ずに哄笑しながら「アナタ、どうかしてるよ」と言われるかも。そしたら「道歌(どうか)は、道徳的な、または教訓的な短歌のことだよ」とめげずに言いましょう( ̄▽ ̄;)


「目で見せて耳で聞かせてして見せて、やらせて褒めにゃ事ならぬなり」

これは山本五十六の有名な言葉「して見せて、言って聞かせて…」よりも古くから同じ意味の道歌が詠まれていたそうです。「今の若い者は…」が繰り返されるみたいだ。また「孝行をしたい頃には親はなし」ってよく聞きますが(実感であります)「孝のしどきは今とこそ知れ」と続いていたとは……「今今と今という間に今ぞなく今という間に今ぞ過ぎ行く」という畳句歌にまた戻ってしまう!! 三歩進んで二歩下がる、人類は宇宙に行ける技術を持ちながら、気持ちについては無垢なままではいられずに「永遠の幼稚園児」みたいに未成熟なままな人が大半なんでしょう……お前が言うか!ですね(;A´▽`A



「畳句歌」という言葉を見た時に思いうかんだのが、タケちゃんの初めての主演映画『哀しい気分でジョーク』でした。主題歌もタケちゃんが歌っています。


タケちゃんの役は売れっ子タレントの洋。多忙を理由に妻に逃げられ、ひとり息子の健と暮らしています。しかしある日、健が「脳腫瘍に冒されて命が長くない」事を知り、仕事を減らして息子との時間を作るようになります。懸命に探した脳外科医からも「手術の成功確率は低い」と聞かされ、途方に暮れてしまいますが、周囲の協力を得て、健とともに前妻が暮らすオーストラリアに向かうのです……ラストシーンで大泣きした記憶があります。ダンナが「ビートたけしの映画で泣くと思わなかった( TДT)」と言ってましたっけ。



タケちゃんが監督した健さん主演の映画、観たかったな……タイトルは『畳屋ケンちゃん』………(;゜∀゜)…………おやぢ、精一杯の『哀しい気分でジョーク』であります………お許し下さいまし。





rohengram799 at 21:12コメント(10) 
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