64

2016年07月07日

布雲便りNo.7:I Love Youからはじめよう(*^o^*)

女性セブンで山田詠美さんがエッセイを連載しているのですが、ダンナ様と映画『64 ロクヨン』を観に行った時のことが書いてありました。

《映画「64(ロクヨン)」、前編に続き、後編も観て来ました。豪華俳優陣の熱演がすごい迫力だった前編同様、息もつかせぬ展開で、画面に釘付けになっている内に、あっと言う間に終わってしまった充実の二時間余りでした。》

そして映画の感想をお互いに言い合うのですが、笑ってしまいました(≧∇≦)


《「64の事件以降、十四年間も引きこもりになった男の髭だけ、妙に整えられてた気がする」
「そお? 私が気になったのは、あれだけの絶望を味わってどん底の生活をくぐり抜けて外の世界に出てきた永瀬正敏のシャツがラルフ・ローレンだったことだな」(永瀬さんの役は子どもを誘拐された父親です)
「あれは、彼の幸せな時代から、ずーっと着続けてるんだよ」
「十四年経っても、ラルフ・ローレンの仕立てはしっかりしてるってことか……」
……いつの間にか、ラルフ・ローレンの縫製は長持ちするという話に変換されて行った映画鑑賞の後の初夏の黄昏時なのでした。》


もしこれからこの映画をテレビ放送やDVDで観る機会があったら「確かに…!」と思い出して下さい(^◇^)


原作の小説は映画鑑賞後に読みました。原作は主人公の心情がメインですが(当たり前か)映画はほか他の登場人物ひとりひとりの内面にかなり寄り添ったつくりになっていたんだ、と思いました。ある程度の結論を出して、希望も残して……映画を先に観ておいてよかったかも。警察関係って組織や役職の序列とかある程度の基礎知識がないと、喋っているのをきいているだけではなかなか理解できなかったので、文字で何回も確認出来てよかったです……って私だけ?(◎-◎;)

主人公・三上の娘は年ごろになり、父親似の顔がイヤでイヤで仕方なくて(母親は美人)引きこもりになった後、家出してしまいます。ずっと探しているのですが、見つからないし手がかりもない。

<あゆみにとって本当に必要なのは、私たちじゃない誰かかもしれないって思うの>
<きっとどこかにいるんだと思う。ああなってほしいとかこうなってもらいたいとか望まずに、ありのままのあゆみを受け入れてくれる人が。そのままでいいよ、って黙って見守ってくれる人が。そこがあゆみの居場所なの。そこならあゆみはのびのび生きていける>


自分はどこかで娘の「死の条件」を数えていた。妻のように「生存の条件」を考えたことがなかった……事件が一区切りつき、以前自宅にかかってきた無言電話について話しながら(娘からではと思っていたが、違うことがはっきりしたので)取り乱すと思っていた妻の落ち着きに、以前の言葉を思い出します。自分と娘と自分の関係をあらためて考え、また妻を気づかって守っているつもりでいたけれど、脆くて崩れおちそうなのは自分だったことにも気づく。他にいい男(内面外面ともに)はたくさんいたのになぜ自分と結婚したのかとか、仕事面での悩みや葛藤の他に、こういうコンプレックスみたいなものもずっと抱えていたんだと思います。


娘はきっと生きている、誰かに付き添われてきっといつか帰ってくる……妻が言うように、きっと……両手で顔を覆い涙をこらえる彼に「大丈夫よ、あなた。あゆみはきっと元気にしてるから」と声をかけます。その後の「この人なのだ。」の一文に涙が出そうになりました。むき出しの魂というか、切なすぎる愛情というか……ぼんやりしていたものがはっきり形になり、ようやく言葉に出来たみたいな……私の中では、もう上下巻通して一番ですね、どんな場面より好きだぁ~!!


『この人なのだ。三上の「誰か」は美那子に違いないのだ。知っていた。もうずっと前からわかっていた。気づかないふりをしていた。ふりをしているうちに本当に何も気づかなくなっていた。馬鹿だった。本当に馬鹿だった。仕事は裏の裏まで知り尽くし、なのに妻のことは何ひとつ気づかないなんて、そんなものが人生と呼べるか。
美那子が作った世界を信じてみよう。「誰か」のいる世界を、あゆみが生きていける世界を、心から信じてみよう。』


ちょっとチカラが入りすぎて失礼しました(; ̄ー ̄A 小田和正さんの主題歌『風は止んだ』(https://www.youtube.com/watch?v=vxKYyG5oyB8)もよかったですが、なんとなく安全地帯の『I Love Youからはじめよう』を思い出して歌いたくなったので(オンチなくせに…おやぢは昔の歌はよく覚えていてすぐ鼻唄を歌いたくなるのよ、やーね!)タイトルにしてみました。警察小説、ミステリ小説と言われるけれど、私には中年男の(失礼!)「純愛物語」でした。


♪なくさないで 夢を 忘れないで 愛を 心をひらいて I Love You I Love You I Love You More……


あなたの「誰か」をもう見つけましたか? あなたをきっと待っている「誰か」を想いながら、ステキな七夕の1日をお過ごし下さいませ(*´∀`)♪






rohengram799 at 09:51コメント(6) 

2016年06月23日

閑雲便りNo.28:よもやま話

『思はざる病となりぬ沖縄をたづねて果さむつとめありしを』


今日は「沖縄慰霊の日」だったので、昭和62年の昭和天皇の御歌を最初に……。ただいま『64-ロクヨン-』上巻を読んでいます。映画では、ん( -_・)?とわかりにくかった場面に肉付けをしていくような感覚で「あれはそういうことか!」と思いながらですが。昭和64年、私は出産前の里帰り中でした。長男は平成元年生まれですが、まさか…とテレビを見たのを思い出します。


この前、「虎列刺」という文字をみました。これで「これら」と読んでいたのですね。流行した時には、虎退治には狼!と言って、狼を祀る神社に人が殺到したそうです。狼を祀る?と思いましたが、結構あるのですね。

http://ookamihonpo.com/temple.html

またオオカミの狛犬も…!

http://komainu.net/chichibu1.htm



流行り病の時には特にあやしげな「コレ効く!」というのが巷に溢れますが、コレラにはラムネが効く!という流言があったようです。《100年前の「コレラ防止」マニュアル》(下記サイト)の<おまけ>にはこのような記述が。

……明治15年には、消毒の知識があったことがわかります。
ですが、その数年前には「コレラだといって強制入院させるのは、本当は人の生き肝を取るため」というデマが信じられている地域もありました。さらに日本では炭酸水がコレラに効くというデマが広がり、ラムネが爆発的に売れたのです。……
 
http://www.tanken.com/cholerae.html



ラムネというとお菓子のラムネを先に知ったので、ラムネを飲む?ラムネのビンの中のビー玉?なんだ、そりゃ(・_・?)なマヌケなお子さまでした。ラムネのビンのヒミツ(?)や歴史など、トンボ飲料さんのサイトでご覧下さいませ。

http://www.tombow-b.jp/ramune/



皆さま、お身体に気をつけてよい週末を! おやすみなさい(+.+)(-.-)(__)..zzZZ





rohengram799 at 23:30コメント(9) 

2016年06月16日

閑雲便りNo.21:二日月

函館市で震度6弱の地震のニュースに驚いています。津波の心配はないとはいえ、雨も降っている様子……まだ詳しいことはわかりませんが、皆さまのお知り合いの方々など大丈夫でしょうか?

昨日ようやく都知事が辞任しましたね。今までさんざんごねて、不信任をたたきつけられる前に自分で……そしてあい変わらず不満タラタラ、オレの功績を認めろや!みたいな挨拶に都民でなくてもムカつきました。

『えごの花大学生だ放つておけ』(田中哲也)の俳句も『エゴの塊 枡添なんだろ 棄てておけ』って感じです。次の都知事候補もいろんな名前が出ていますが、とにかく「恥ずかしくない人」にしてほしいです……。



千葉県の今年の夏の課題図書コーナーが本屋さんに出来ていました。気になったのは、小学校の中学年向けの絵本でいいのかな? 『二日月 (ふつかづき)』(伊藤美来 ・作 丸山ゆき・絵)です。

主人公の小学生「杏(あん)」に待望の妹「芽生(めい)」が生まれました。でも芽生は病院のせいで障がいをもって生まれてしまい、杏も両親も今にも死んでしまいそうな芽生になんとか生きてもらうよう、頑張っています。同時に杏は芽生に対してどう接していいのかわからないことも……。杏は親友の一人に妹を紹介しただけで、学校のほかの人には妹の障がいについては話していません。友だちが障がい者の事を「かわいそう」「迷惑」「なりたかった訳じゃない」などと、いろいろなことをいうのを聞きいて嫌な気持ちになっていました。そんなある日、母親が学校の杏のお芝居の発表会に、芽生をつれて見に来ると言います。それに対して「芽生を恥ずかしい」と思います。そしてそう思ってしまった自分にショックを受けて……。大人でも難しい問題ですね。名前がイマドキだなぁって思いました。

タイトルの『二日月』が気になったので調べてみたら「繊月(せんげつ)」とも言うそうです。新月(しんげつ)は月が見えませんが、次の日には日没後1時間前後のまだ明るい空に、繊維の様に細い月が見えることがあるので、この名前がついたようです。三日月はおなじみですね。こちらはわりとはっきり見えるので、初月(ういづき)・若月(わかづき)・眉月(まゆづき)など多くの異称がありました。今だとなにかと話題の「ホテル三日月」が浮かんでしまいますが(O.O;)(oo;) ホテルにしたらいい迷惑でしょうねぇ。


今日はダンナさんと映画『64 ロクヨン 後編』を観てきました。初のプレミアムシートは座り心地がよかったです! 映画の方は結構詰め込んできたなぁ~という感じがしました。上映後、わりとすぐに明るくなってしまい余韻に浸れないのもありました。原作は買ったので、文字でロクヨンの世界をどっぷりたっぷり楽しみたいと思います。あと仲村トオルが出てるんですが、どうしても『ビーバップハイスクール』のイメージがあって、なんだか私の中では浮いてしまいました(^。^;)



6月も後半になりました。皆さま、お身体に気をつけてこのジメッとした季節を乗り切りましょう。



rohengram799 at 15:24コメント(8) 
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